「平均」と言えば、算術平均 (=相加平均) の他に幾何平均 (=相乗平均) があるということをご存知の方は多いだろう。算術平均の方は意味が理解しやすく、使われる場面も多いと思われる。一方で、幾何平均はその意味するところが分かりづらく、一体どんな場面で使うべきものなのか、不勉強な私はこれまで知らなかった。せいぜい、高校数学で相加・相乗平均の関係を計算に使ったりする程度で、幾何平均ならではの使いどころというのは理解していなかった。 最近、統計学の本[1]を読み直して幾何平均の使いどころに気づいたので、本稿ではそれを紹介したいと思う。 定義 幾何平均の定義を[1]より引用する。 幾何平均 正数の幾何平均 geometric mean は で定義され, (以下省略) 幾何平均の意味 幾何平均の定義式を少し変形してみよう。 この式の意味は、平均を計算するのに使用されたn個の数を全て掛け合わせたものは
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