ケイリー・ハミルトンの定理とその応用で冪乗の計算を見ます。 『行列と代数系』シリーズの記事です。 実二次正方行列の初歩 一次変数変換と行列の積 単位行列と逆行列 掃き出し法と逆行列 行列の積の性質 行列の演算 ケイリー・ハミルトンの定理 ← この記事 零行列と冪零行列 零因子ペアの生成 実二次正方行列と代数系 目次 ケイリー・ハミルトンの定理 冪乗の計算 漸化式 非正則行列 逆行列 今回は連立方程式との対応は最低限に留めます。 ケイリー・ハミルトンの定理 行列の2乗の結果を見ると、右上と左下は元の成分 $b,c$ に $a+d$ を掛けたものが現れます。 \begin{pmatrix}a&{\color{red}b}\\{\color{red}c}&d\end{pmatrix}^2 =\begin{pmatrix}a^2+bc&{\color{red}b}{\color{blue}(a+d