ブックマーク / honz.jp (30)

  • 『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 創造的能力の副産物としての記憶違い - HONZ

    記憶がえてして頼りないものであることは、いまではよく知られている。その象徴的かつ重大な例としてすぐに思い浮かぶのは、記憶違いにもとづく冤罪事件だろう。国際的な非営利団体の報告によると、2015年にDNA鑑定によって受刑者の無実が証明された事件は325件あった。そしてそのうち、じつに235件もの事件で目撃者の誤認が関わっていたというのである。 記憶違いの問題はけっして他人事ではない。と行った初デートの場所を間違って記憶していたこと、あるいは、他人のやった仕事を自分がやったかのように勘違いしていたこと、そのような経験に誰しも思い当たるふしがあるのではないだろうか。しかしそれならば、わたしたちの記憶はどうしてそのように頼りないのか。また、記憶がときとして大きく歪められてしまうのは、いったいどうしてなのだろうか。 書は、そのような問題にイギリスの若手研究者が迫ったものである。著者のジュリア・シ

    『脳はなぜ都合よく記憶するのか 記憶科学が教える脳と人間の不思議』 創造的能力の副産物としての記憶違い - HONZ
    whataru
    whataru 2017/01/09
    精神分析を誤解していますね。
  • ウブな日本人必読!『国が崩壊しても平気な中国人 会社がヤバいだけで真っ青な日本人』 - HONZ

    書のタイトルをみて「えー、何でこんなをHONZで紹介するの?」と思った方、ちょっと待った。書は凡百の嫌中書とはわけが違う。なにしろ書いたのが、あの谷崎光である。ここに注目してほしい。 彼女は小林聡美の主演で映画にもなった『中国てなもんや商社』という傑作ノンフィクションの著者である。(残念ながらDVD化されていない) 新卒でダイエーと中国の合弁商社に入社し、中国人の狡さ、強かさに驚いたあまり、会社を辞めて北京大学に入学、北京在住15年目になる作家だ。中国人の思考と行動を分析し、日人へのアドバイスをし続けている。 そこに中国人に対する悪意はまったくない。むしろ呆れつつ尊敬していると言っていいだろう。このにも書かれているが、長く住んでいるといつの間にか感覚が中国人ぽくなってしまい、あまりにも素直な日人に対して怒りさえ感じることもあるようだ。書のタイトルはその怒りが滲んでいるような気

    ウブな日本人必読!『国が崩壊しても平気な中国人 会社がヤバいだけで真っ青な日本人』 - HONZ
    whataru
    whataru 2016/03/16
    平気ではない中国人も、平気な日本人もいるし、中国の田舎はどっちでも変わらないくらい悲惨なだけだ。
  • 『サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠』Why? Japanese People! - HONZ

    ビジネスのことであれ、社会全体のことであれ、誰だって正しい方向へ努力したいと思っているはずだ。だがその努力は果たして全体最適へと向かっているのか、それとも部分最適に過ぎないのか。分からぬところに問題がある。 判別を難しくさせているのは、多くの人がいとも簡単に専門領域にとらわれ、視野の狭い状態へ陥ってしまうためだ。先の金融危機など、その顕著な例と言えるだろう。誰もが知らぬ間のうちに、ちっぽけな専門家集団、社会集団、チームやグループの中へ閉じ込められてしまう状態ーー著者はそれを「サイロ」と呼ぶ。 大企業病、組織の硬直化、派閥争い、セクショナリズム、官僚主義…。いわば企業における失敗の要因として語り尽くされたかのように思えるテーマに新たな風を吹き込んでいるのは、文化人類学の視点である。著者は、かつてタジク人の風習をフィールドワークした時の経験に基づき、その対象を特定の企業や金融機関、そして学問

    『サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠』Why? Japanese People! - HONZ
    whataru
    whataru 2016/02/24
    効率なんてものは、倫理と同じくらい曖昧だからね。倫理における結果主義と同じ。話は変わるが、昨今の利他的で効率的効果的な寄付なんぞの提案は欺瞞の最たるもの。変化は良否を問わないなら分かるが。
  • 『メソポタミアとインダスのあいだ 知られざる海洋の古代文明』 - HONZ

    僕が歴史を好きになったのは、間違いなく中央公論社の「世界の歴史(旧版、16巻+別巻)」を読んだことがきっかけだった。世界最古の文明、シュメールから始まる悠久の物語に中学生の胸が高鳴ったことをよく覚えている。書は、農産物こそ豊富だったが木材、石材、金属などの必要物資に欠けていたメソポタミアになぜ世界最古の文明が誕生したのか、その秘密を交易ネットワークから解き明かした野心作である。 「四大文明」は「御三家」や「七福神」のようなもので教育者による思いつきに過ぎない、との挑戦的なゴングが鳴る。過去の研究の多くは、古代文明の起源を、灌漑農耕による生産性の飛躍的な向上、余剰の蓄積、労働力の集中と社会的・政治的ヒエラルキーの確立などの面から説明してきたが、何ゆえ文明がこの地に興らざるを得なかったのかという必然性を説明していない、と著者は指摘する。 そして交易を生業とした非農耕文明に目を向ける。メソポタ

    『メソポタミアとインダスのあいだ 知られざる海洋の古代文明』 - HONZ
    whataru
    whataru 2016/02/21
    稀代の読書家であることが評価のエンドポイントなら、稀代になる程に特徴はなくなるね。
  • 『カルチャロミクス 文化をビッグデータで計測する』経済物理学における周辺研究 - HONZ

    数百万冊におよぶ書籍の単語を、ビッグデータと捉えたら何が見えてくるのか? Google がスキャンした大量の書籍で使われている単語・フレーズの使用頻度を年ごとにプロットするシステム「グーグル・N グラム・ビューワー」。書はこのビューワー自身の開発者によって、「カルチャロミクス」と名付けられた全く新しい人文学研究を紹介した一冊である。稿では、この研究の背景となる「経済物理学周辺の最前線を、東京工業大学の高安 美佐子氏に解説いただいた。(HONZ編集部) コンピュータを使った新しい文章の読み方 通常、文章の書き手は、どういう順番で話を展開すれば、読み手に内容を伝えられるかを考えながら言葉を一つひとつ選び、それらをつないでいく。そして読み手は、初めの単語から順番に読み解き、その内容を理解する。しかし、書のテーマとなっているように、コンピュータを用いた分析技術を用いれば、人間が文章を理解する

    『カルチャロミクス 文化をビッグデータで計測する』経済物理学における周辺研究 - HONZ
    whataru
    whataru 2016/02/18
    シグナル&ノイズ。
  • 5000年の歴史を走破せよ!『「全世界史」講義』 - HONZ

    人間と他の動物とを分けるものとは何か?この問いに対する最大の答えは「文字」ではないだろうか。文字を生み出したことにより、人は人という種がどの様な過去を築いて現代にいたっているかを知ることができる。書は文字が発明された5000年前から現代までに焦点を絞り、その歴史を「人類5000年史」と定義して一気に読み進めようという冒険的な作品である。 なんといっても5000年にも及ぶ、世界の歴史をわずかニ巻で読み進めようというのだ。その疾走感は半端ではない。例えて言うならば、ドイツにあるような速度無制限のアウトバーンをアクセル全開で走り抜けているような感じだろうか。しかもこの道ときたら、時に東に西にと大きくカーブし、上り坂に下り坂まで存在する。そうかと思えばひたすらアクセル全開で走れる直線が現れる。読者はステアリングがクイックな高性能スポーツカーでこの歴史街道を疾走するのである。 書に素晴らしい疾走

    5000年の歴史を走破せよ!『「全世界史」講義』 - HONZ
    whataru
    whataru 2016/02/18
    提灯記事のお手本ですね。レビューの蒼穹の歴女の方が面白いです。縦軸に継接ぎ知識の勝手なナラティブを持ってくるのは、システム理解ではなく神話です。ビジネスと知の視点としての歴史で良いですが、教養ではない
  • 『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』“でっちあげ”ふたたび - HONZ

    『でっちあげ』というノンフィクションを知っているだろうか。詳しくは私のレビューをお読みいただきたいが「モンスターペアレント」という言葉ができたのはこの事件からだった。学校に対して理不尽な無理難題を突き付け、わが子可愛さに教師ばかりか教育委員会、果ては市や県にまでクレームをつけ、裁判にまで持ち込む。それが正当なものならわかるが、嘘八百を並べ立てていた事件である。 長野県の丸子実業で起こった「いじめ殺人事件」も、このモンスターペアレントが起こした事件であった。 2005年12月、軽井沢に隣接している長野県御代田町で丸子実業高校(当時)に通う高校1年生の男子が自殺した。母親は所属していたバレーボール部内部でいじめがあったことを苦にしていたと証言し、気持ちを書きとめていたノートには「いじめをなくしてほしい」という記述もあった。事実、夏から不登校が続いていた。少年には声が出にくいという障害があり、そ

    『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』“でっちあげ”ふたたび - HONZ
    whataru
    whataru 2016/02/17
    いる。そしてこの種の親は我慢している子に更に脳内子供像を押しつけて、本当に自らの抑圧を否認している。こういうのに、変な教育論とか発達障害論とかのトンデモ系がつくともう修羅場。
  • 知的興奮、大爆発!『生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学』 - HONZ

    生命がどのようにして誕生し、進化してきたのか?だれもが興味をいだくテーマだ。完全にわかるということはありえない。しかし、あたらしい技術が開発され、あらたな発見がなされ、次第に議論が収斂してきている。全地球凍結=スノーボールアース仮説の提唱者である地質生物学者著者ジョセフ・カーシュヴィンクと古生物学者ピーター・ウォードによるこのは、最新データを網羅してまとめあげられた最高の一冊だ。 原題は A New History of Life。生命の “新しい” 歴史として、三つの視点から生命の誕生と進化が描かれていく。その三つとは『環境の激変』、『単純な三種類の気体分子(酸素、二酸化炭素、硫化水素)』、『生物自体ではなく生態系の進化』。生物そのものよりも、その環境から生命の歴史が読み解かれていく。 我々の考え方というのは基的に保守的だ。だから、現在認められるプロセスが過去にもあてはまる、とする「

    知的興奮、大爆発!『生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学』 - HONZ
    whataru
    whataru 2016/02/15
    生態系の進化という視点は大切ですね。生物個体の変化の累積では、どうしても人の自意識を追うが如く煮つまります。
  • 『犯罪の世間学』なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか - HONZ

    90年代末以降、刑事司法の厳罰化が進んでいる。80年代からは量刑はざっと見て倍になり、00年の少年法改正を皮切りに法律改正のラッシュが続いた。10年には時効も廃止された。 犯罪が増加したわけでも、凶悪化したわけでもない。むしろ諸外国と比べても日の犯罪率は低い。東日大震災時に被災者が避難所で整然と行動していたことは海外メディアにも絶賛された。 治安の良さとそれにも関わらず起きている厳罰化の流れ。いずれも「世間」に日人が未だにがんじがらめになっているというのが刑法学者の著者の主張だ。 日には社会が存在せず、伝統的に世間が存在したとの指摘は阿部謹也が提唱した世間論で広く知られる。著者は世間を「日人が集団になった時に発生する力学」と定義しながら、「既読スルー」や「空気を読む」を例に世間論を紹介、特徴を解説する。 「世間」には「共通の時間意識」に基づく「人間平等主義」があるため、日人は能

    『犯罪の世間学』なぜ日本では略奪も暴動もおきないのか - HONZ
    whataru
    whataru 2016/02/10
    何で新書の質ってこんなに落ちたのだろう。
  • 『なぜ老いるのか、なぜ死ぬのか、進化論でわかる』 自然選択は、年を取ると引退する - HONZ

    この200年間における人類の平均寿命の伸長度合いには目を見張る。1840年を起点にとれば、我々の平均寿命は1時間あたり15分も伸び続けており、この200年で倍になった計算となる。しかしながら、最先端テクノロジーをもってしても不老不死の実現はおろか、150歳まで生きるこすら全く不可能に思える。なぜ、ヒトは老いから、死から逃れることができないのか。 人類が思考を手にしたときから問われ続けているだろうこの難問に、エディンバラ大学進化生物学の教授である著者は、進化論を武器に切り込んでいく。進化論を軸に考えれば、最初に疑問に思うべきなのは「なぜ、ヒトは永遠に生きられないのか」ではなく、「なぜ、ヒトはこれほど長く生きられるのか」であることがよく分かる。著者は巧みな比喩と刺激的なエピソードを交えながら、進化が老化と死にどのような影響を与えてきたのかを教えてくれる。またその過程を通して、自然選択がどのよう

    『なぜ老いるのか、なぜ死ぬのか、進化論でわかる』 自然選択は、年を取ると引退する - HONZ
    whataru
    whataru 2016/02/02
    わかるとことと救いが別件のやつ。
  • 『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと <効果的な利他主義>のすすめ』 - HONZ

    チャリティを、情緒でなく数字で考えたらこうなった! 書『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと』は、ピーター・シンガーがシリコンバレーから広がる新たなライフスタイルの全貌を描き出した一冊。誰がために金を稼ぎ、何のために金を使うのか? そしてなぜ今「効果的な利他主義」なのか?(HONZ編集部) こんな場面を思い浮かべて下さい。あなたの目の前に、栄養失調で死にそうな子供が倒れています。そして、あなたの手の中には、分け与える水もべ物も十分にあります。それを倒れている子供にあげたとしても、あなたが困ることはなにもないとしましょう。あなたは手の中のべ物を、子供に差し出しますか? たいていの人はおそらく、「差し出す」と答えるでしょう。私たちの大多数は、目の前で倒れている子供を見殺しにできるほど、自分は残酷な人間ではないと思っているはずです。ですが、当にそ

    『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと <効果的な利他主義>のすすめ』 - HONZ
    whataru
    whataru 2015/12/21
    功利主義と、結果主義が倫理学のとどめに歴史上何故ならなかったのか?チャリティはその基盤において情緒的であるし、人類の維持可能性の蓋然性において必ずしも人命の重さが等価であることは理性的にも自明ではない
  • 『ありえない生きもの 生命の概念をくつがえす生物は存在するか?』 - HONZ

    あまり科学的でない個人的なエピソードから、始めさせてください。 五年前、わたしは父の臨終に間に合いませんでした。明け方、宿直の若い医師からの電話でたたき起こされ、母とタクシーで駆けつけた時は、すでに息を引き取ったあとでした。病室に飛びこんだわたしは、気持ち良さそうな父の寝顔に、もちなおしたのだと、ほっとして、静かに枕元に向かおうとしました。背後で聞こえた「間に合いませんでしたね」という医師の言葉が信じられず、勘違いでしょう、ほら、と言うつもりで、父の鼻の下に手をやりました。その瞬間、わたしは父の死をさとりました。 息をしていなかったから、ではありません。母が父の手を握り、「まだ温かいのに」とつぶやいたので、冷たくなっていたわけでもありません。よくわかりませんが、父の皮膚に触れた途端、わたしは何か直感めいたもので、命のないことを感じ取った気がするのです。その時の衝撃を、うまく言い表す言葉が見

    『ありえない生きもの 生命の概念をくつがえす生物は存在するか?』 - HONZ
    whataru
    whataru 2015/12/18
    バイアスに関して長々と論じつめる。科学は少なくとも、自分のバイアスを納得させる道具として結論を出さないのではない。
  • 『「少年A」被害者遺族の慟哭』「謝罪と贖罪」の現実 - HONZ

    藤井誠二が書いたのでなければ、私はこのを手に取らなかっただろう。「少年A」というキーワードはこのところ傷気味で、もういいかげんうんざりしていたのだ。 2015年の夏、突然出版された『絶歌』という手記も、ノンフィクションを主に書評している私は読まないわけにはいかなかったし、誰かに聞かれれば内容だけでなく、構成力や文章の巧拙についても語らなければならなかった。としての出来なら、悪いわけではない。でも垣間見える自己顕示欲の強さやある種の優越感、全能感みたいなものが堪らなくイヤだった。 だが「元少年A」を英雄視する少年少女は後を絶たない。凶悪で快楽的な少年犯罪が起こるたび、マスコミによって酒鬼薔薇事件との比較が行われる。事件ごとにルポルタージュが出版されるのは仕方ないにしても、被害者の気持ちを考えるといたたまれないのだ。 藤井誠二という書き手は違う。彼は1980年代から一貫して少年犯罪、ある

    『「少年A」被害者遺族の慟哭』「謝罪と贖罪」の現実 - HONZ
    whataru
    whataru 2015/12/16
    貴方の投影でしょう、その食傷は。被害者遺族を救うのが加害者の賠償や死なのですか?それは区切りであって救いではない。失われたものとの共存はその後死ぬまで続く。そこに何をするでもなく、残酷極まりない貴方。
  • 『数学する身体』僕が身体で感じていたことは、嘘でも無駄でも無かったんだ - HONZ

    発売されるやいなや大きな反響を呼んでいる、『数学する身体』。お待ちかねの客員レビュー第三弾は、はてな株式会社の近藤淳也さんが登場。「数学は情緒だ」という独立研究者・森田真生の言葉を聞いた時、近藤さんが直感的に感じたものとは何だったのか? (HONZ編集部) ※客員レビュー第一弾、第二弾 森田くんが初めて書いた。「数学する身体」。 わざわざ「を届けたいので」と、会社の近くまで足を運んでくれて、ランチを共にしながら渡してくれた。 構想ができてから書き上げるのに4年かかったという。 もともと、文章を書くときにはとんでもなく集中して、丁寧に言葉を積み上げて、何度も何度も読んで味わえるような、スルメみたいな精緻な文章を書く森田くんが、初めて1冊のを書いた、という。 もうそれだけで、読む前から、これはすごいだ、ということは分かっていた。 すごいというのは、とにかく、中身云々の前に、通常で

    『数学する身体』僕が身体で感じていたことは、嘘でも無駄でも無かったんだ - HONZ
    whataru
    whataru 2015/11/11
    自分の社会的挫折の合理化に伴う情緒を、複雑なものを複雑なままという標語の見掛けの謙虚さに擦り替えた恥ずべき単純化は、論理や言語の身体性や官能性という議論とは徹底して似て非なるものです。複雑さへの不見識
  • 『限界費用ゼロ社会 モノのインターネットと共有型経済の台頭』すべてが無料になったなら... - HONZ

    ここ数年、買い手としての自分と売り手としての自分との間に、上手く折り合いをつけられずにいる。一消費者としての立場から考えると、様々なコンテンツが安く、便利に手が入るようになったことは間違いなく喜ぶべき状況である。だが、広告屋としての売り手の立場から考えるとコンテンツが安くなる状況というのは、決して喜ぶべき状況ではない。 ただ喜ぶべき、もしくはただ憂うべきだけの状況だったら、まだ対処のしようもあるだろう。だが先行きが不透明なまま、もどかしさにかまけて身動きが取れないというのが実情だったりする。そして売るものも買うものも安くなっていく現象は、特定の産業のみに起こるものなのか? 世界全体の富の総量は増えていくのか、減っていくのか? それらの変化に伴い、人間の根源的な欲求は変わりうるのか? 疑問は尽きない。 書は文明評論家として名高いジェレミー・リフキンが、今起こっている経済パラダイムの変換から

    『限界費用ゼロ社会 モノのインターネットと共有型経済の台頭』すべてが無料になったなら... - HONZ
    whataru
    whataru 2015/10/27
    IoTが変更する生産構造は、更なる生産の効率化と働き方において、局所的でしかないと思う。それは人間を分断するだけ。大体今も人類の1%は崩壊の心配のない既得権の中で限界費用ゼロだが、意識はあの通り。
  • 『BOLD 突き抜ける力』日本人こそピーターの教えを実践し、エクスポネンシャル起業家を目指せ - HONZ

    著者のピーター・H・ディアマンディスは、シンギュラリティ大学の共同創設者であり、グーグル・ルナー・Xプライズと呼ばれる、民間初の月面無人探査を競うコンテストを企画した人物でもある。そのコンテストに日から唯一参加しているのが、HAKUTOチームを率いる袴田 武史氏。書の骨子でもある「エクスポネンシャル」というキーワードについて、袴田氏に解説していただきました。(HONZ編集部) 2005年3月、私は熱気に満ちた教室の片隅で講演を聴いていた。そこでは、書『ボールド 突き抜ける力』著者のピーター・ディアマンディスが企画したアンサリ・Xプライズ(民間による最初の有人弾道宇宙飛行を競うコンテスト)で2004年にミッションを達成した民間宇宙船スペース・シップ・ワンのパイロットであるピーター・シーボルト氏が、その偉業について話していた。 当時、米国ジョージア工科大学で航空宇宙工学を学ぶ大学院生だっ

    『BOLD 突き抜ける力』日本人こそピーターの教えを実践し、エクスポネンシャル起業家を目指せ - HONZ
    whataru
    whataru 2015/10/17
    何故、全て主体的な力だと考えるのかでしょうか。それでは再現出来ない。
  • 『量子力学で生命の謎を解く 量子生物学への招待』 生命は量子の力を利用しているのか? - HONZ

    量子力学が描き出す世界はあまりに奇妙だ。量子は波であると同時に粒子であり、壁をすり抜けることができ、いったんペアになった粒子同士はどれだけ遠く離れていても瞬時にコミュニケーションが取れるというのだから、すんなり納得することのほうが難しい。どれだけ信じ難くとも量子力学を支える科学的証拠はゆるぎなく、論理的にも強固である。DVDもMRIもスマホも量子力学がなければ実現しない。 現代生活に欠かせない存在となった量子の力は、最先端テクノロジーによって初めて活用可能となったのだろうか?そうではないという事実を突きつける現象が、あちこちで報告され始めている。渡り鳥が進むべき方向を知るためにも、植物が光合成を行うのにも、酵素がその能力を発揮するのにも、量子の世界の法則が重要な役割を果たしていることが明らかになったのである。つまり生命は、人類が20世紀になったやっと気がついた、量子的性質を長い進化の間に巧

    『量子力学で生命の謎を解く 量子生物学への招待』 生命は量子の力を利用しているのか? - HONZ
    whataru
    whataru 2015/10/12
    面白そう。でも、記事の背景にある何と言うか既存の権威に対する根拠のない反動や、何と無くの神秘的な期待感と、実際記載してあるだろうことの解離感が半端ない。
  • 『殺人鬼ゾディアック 犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実』ミステリーと家族の再生 - HONZ

    アメリカ国内で有名な未解決事件のひとつにゾディアック事件といわれる事件がある。1966年から1974年にかけて複数の男女が白人の男に襲われ、猟奇的な方法で6人が殺害された事件だ。この事件を世間に印象付けた理由はゾディアック自身が犯行後に警察を挑発し嘲笑するような電話や自分の名が書かれていると主張する暗号文をマスコミに送り付けるなどし、世間に大きく扱われるように、犯人自身がその犯行をプロデュースしていた点だ。 また犯人像にも特徴的な点が多い。例えばオペレッタ作品の「ミカド」のセリフを引用し、高度な暗号のテクニックを駆使するなど、かなり教養があり知的水準が高かったことが窺える。さらに殺した相手を来世で奴隷にできるという思相に強いこだわりを見せているなど、一種、独特の世界観を持っている。また、電話で自らの犯行を通報した際には、イギリス訛りの英語を喋っていた。 多くの特徴と、生存者を含む数多の目

    『殺人鬼ゾディアック 犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実』ミステリーと家族の再生 - HONZ
    whataru
    whataru 2015/09/18
    面白そう。
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第6回:今生きている社会がすべてではない - HONZ

    人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。連載の最終回は「今生きている社会がすべてではない」ことについて。様々な国を知ることや歴史を学ぶことには、どのような意味があるのか?(HONZ編集部) ※過去の記事はこちら→第1回、第2回、第3回、第4回、第5回 清水 『謎の独立国家ソマリランド』の冒頭、エピグラフに「今まで見てきたことや聞いてきたことが、全部でたらめだったとしたら面白い」というような言葉が書かれているじゃないですか。 高野 ブルーハーツですね。「情熱の薔薇」の歌詞を引用したんです。 清水 あれはまさしくその通りだなと思って。僕は学生に対していつも言っているんですよ。今生きている社会がすべてだとは思わないでほしいって。それとはぜんぜん違う論理で動いている社会があるんだし、我々の先祖の社会にも今とはぜんぜん違う

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第6回:今生きている社会がすべてではない - HONZ
    whataru
    whataru 2015/08/29
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第5回:カオスでぐずぐずが室町時代の真実 - HONZ

    人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。第5回は「カオスでグズグズが室町時代の真実」について。室町時代を捉えるにはどのようなスタンスが求められるのか?(HONZ編集部)。 ※過去の記事はこちら→第1回、第2回、第3回、第4回 カオスでぐずぐずが室町時代の真実 高野 網野善彦さんという研究者はどんな方だったんですか。僕も学生時代に網野さんのを読んで、面白いなあと思った口なんですけど。 清水 中世のイメージを革命的に変えた人だと思いますね。それ以前は、日の中世は武士と農民の時代で、荘園は閉鎖的な村落で、人々はみんな自給的な暮らしをしていたというイメージでとらえられていたんですが、そうじゃなくて、非農業民を含むさまざまな人たちがうごめいていた社会だったんだというオリジナルな着想をもち込んで、注目されたんですよ。映画

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第5回:カオスでぐずぐずが室町時代の真実 - HONZ
    whataru
    whataru 2015/08/27