第3章 起業 ――俺、走る(連載 最終回) そうこうして数日が経った。俺はコタツ兼テーブルのうえで、ウンウンうなってノートにあれこれゲームプランを書き殴っていた。杉作くん流にいえばアイディーアを考え続けていた。 アイディーアどころか、もはや、ため息も出ない。 バイトも辞めた。オッサンからもらった金はパソコンの購入費やらなんやらで、すでに30万円以上使っていた。 あてもなく俺は近所をぶらぶらした。 気がつくと、あの公園にいた。 鳩は顔を覚えているかのように、ベンチに座った俺の前に集まってきた。 だが、あの迷子のレース鳩、オッサンが「優作鳩」と名づけた鳩はいなかった。しばらく待ってみたが、いつまで経ってもやってくる気配はなかった。 俺はポケットから携帯を取り出し、アルバムを見た。実は以前に1人で公園に来て、優作鳩の写メを撮っていた。 そのときも俺は優作鳩に手で直接パンを食べさせた。右手でパンを