ゼロからシステムを組み上げるやり方(スクラッチ開発)にこだわっているという意味で、ウォーターフォール(WF)とアジャイルは同類である。WFの賛同者はしっかり管理したいゆえに、またアジャイラーはしっかりプログラミングしたいゆえに、スクラッチ開発を偏愛している。 また両者は「業務システムはそれぞれユニークである」という信念についても共通している。この信念は間違っているわけではないが一面的なものだ。業務システムは「人の顔」のようなもので、それぞれがユニークでありながら、どれもが似通っている。それぞれユニークである点しか見ていなかったら、顔面認識ソフトのようなものは生まれ得ない。業務システムについても同様で、業種・業態毎の共通性に注目する余地がまだまだある。 もうひとつ、スクラッチ開発の傾向を強化するものが「業務システムは企業の競争力の源泉である」という間違った思い込みだ。コンピュータが導入されて