【読売新聞】 大手ゼネコンの大成建設は、木の表面に塗るだけで燃えにくくできる特殊塗料を開発した。既存の木造建築を解体せずに防火性能を高められる技術は珍しいといい、文化財の保全への活用が期待される。 大成建設は、樹脂や難燃性の高い薬品
奈良市の平城宮跡から出土した8世紀中頃の木簡に、ペルシャ(現代のイラン付近)を意味する「 破斯 ( はし ) 」という名字を持つ役人の名前が書かれていたことが、奈良文化財研究所の調査でわかった。 国内でペルシャ人の名前を記した出土遺物が確認されたのは初めてで、奈良時代の日本の国際性を裏付ける成果となる。 木簡は1966年、人事を扱う式部省があった平城宮跡東南隅の発掘調査で出土した。文字が薄く肉眼では一部が判読不能だったが、今年8月、赤外線撮影をした結果、役人を養成する「大学寮」でのペルシャ人役人の宿直に関する勤務記録とわかった。 表側の上部に「大学寮解 申宿直官人事」、下部に、定員外の特別枠で任じられた役人「 員外大属 ( いんがいだいさかん ) 」という役職名、中国語でペルシャを表す「 波斯 ( はし ) 」と同じ読み・意味の「破斯」という名字を持つ「破斯清通」という人名と、「天平神護元
活火山・岩手山を素粒子観測装置でレントゲン写真のように「透視」して噴火を予測する試みを、岩手県立大(滝沢市)などが計画している。 観測を行う県立大総合政策学部の伊藤英之教授(火山学)は、「素粒子観測装置を恒常的に設置して火山を監視する試みは、世界的にもまれ」としている。 観測は、県立大が高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)の協力で行う。装置は高エネ研が製作したもので、宇宙から常時地表に降り注いでいる素粒子の一種「ミューオン」を観測する約1メートル四方の板状の構造だ。今年3月まで高エネ研の機構長を務めていた県立大の鈴木厚人学長の仲介で、高エネ研から装置を借り、伊藤教授を中心に観測を進める計画だ。 噴火の兆候は、地震の発生状況の分析結果や、山体の傾斜の微妙な変化などから推測するのが一般的だ。これに対し、ミューオン観測装置を使うと、山体を通過して飛来するミューオンを観測することで、山体内
プロ野球横浜大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)などで活躍した屋鋪(やしき)要さん(54)が、7年2か月かけて、個人所有など非公開の一部を除き、全国で見ることのできる蒸気機関車(SL)の全てを撮影、写真集を出版した。 その数601両。30日、京都・梅小路蒸気機関車館でトークショーを開き、撮影の思い出を語る。 大阪出身の屋鋪さんは1978年、三田学園(兵庫)から横浜へ外野手として入団。俊足巧打の選手で上位打線を組む「スーパーカートリオ」の一人で、読売巨人軍でも選手、コーチを務めた。プロ18年間でセ・リーグ盗塁王3度、ゴールデングラブ賞を5度獲得した。 小学生の頃、SLの写真集を見て魅了され、鉄道ファンに。カメラが趣味の父の貢さんが北海道や三重県でSLを見せてくれた。 野球が忙しくなった中学以降は鉄道趣味とは疎遠になったが、引退後の2006年4月、長男と訪れた東京・神田の交通博物館(閉
国内のパソコンの3分の1に搭載されている米マイクロソフト社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」のサポート期間が来年4月に終了するが、その後も全国の半数以上の966自治体が20万台以上を使い続けることが読売新聞の調査でわかった。 サポート終了後はウイルス感染の危険が高まるなどサイバー攻撃に無防備になるが、「危険とは思わなかった」とする自治体もあり、専門家は「セキュリティー意識が甘すぎる」と危惧している。 アンケート調査は、47都道府県、20政令市、1722市区町村の全1789自治体を対象に実施。全自治体の保有パソコン計約176万台の更新状況を尋ねた。 その結果、来年4月までに「ビスタ」「7」「8」などの後継OSへの更新が完了しないのは17府県、10政令市、939市区町村で、全自治体の54%に上った。香川県や東京都港区など203自治体では保有台数の半分以上が更新されない。更新が完了しないパ
イベント費用などを賄うための「少子化危機突破基金」(仮称)を2014年度から創設する案が出ている。安倍内閣が力を入れる少子化対策の一環で、内閣府が7日に開く「少子化危機突破タスクフォース」(議長・森少子化相)の部会で、有識者を交えて具体的な議論を始める。 内閣府では、結婚から出産まで幅広く活用できる基金をすべての都道府県に設け、男女の出会いの場を地域ぐるみで企画する大規模イベント「街コン」などの費用を補助する仕組みを想定している。結婚しても経済的な理由で出産をためらう夫婦がいることを考慮し、新婚家庭や子どもの多い家庭が公営住宅に優先的に入居できるための支援も行いたい考えだ。 関西大の宮本勝浩教授(理論経済学)が5月に発表した試算によると、300人規模の街コンを年間2000回行った場合、交際を始めたり、結婚を決めたりしたカップルのデート代や結婚費用などで経済効果は年間約1400億円に上った。
12日午前9時40分頃、兵庫県宝塚市東洋町の市役所1階市税収納課で、男がカウンター越しにガソリンのようなものが入った火炎瓶を2本投げ込んだ。 火は1階に燃え広がり、約1時間後に消し止められたが、20歳代~50歳代の職員ら男女5人がやけどなどのけがを負い、病院に搬送された。男は市職員に取り押さえられ、県警宝塚署員が現住建造物等放火容疑で現行犯逮捕した。 同署の発表によると、男は、同市山本南、無職高橋昭治容疑者(63)。調べに対し、「腹が立ってやった」と供述しているという。 同署幹部や市税収納課職員によると、高橋容疑者は午前9時30分頃に来庁。市税を滞納し、財産を差し押さえられたことについて、同課の窓口で「生活ができない」と抗議していたが、次第に激高し、バッグの中に入れていた火炎瓶に火をつけ、カウンター内に投げ込んだという。その際、「俺の人生めちゃくちゃや。お前らが差し押さえるからこうなったん
京都市中京区の平安京跡で出土した12世紀末~13世紀初めの土器に、平仮名の「いろは歌」のほぼ全文が墨で書かれていたことが分かった。 京都市埋蔵文化財研究所が27日発表した。いろは歌の全文がわかる資料では国内最古という。 貴族や皇族の邸宅「堀河院」跡の発掘調査で1983年に出土した土師器の皿(直径9センチ)の裏側に、赤外線などを用いた再調査によって、いろは歌47文字のうち43文字が確認された。 右端に最後の行の「ゑひもせす」があり、次の行に書き出しの「いろはにほへと」がある。最初は余裕を持って書き進めたが余白がなくなり、最後の行を右端に書いたとみられる。字は拙く、「よたれそ」を「よたそれ」と書き損じており、犬飼隆・愛知県立大教授(日本語史)は「和歌を習い始めたばかりの貴族の子弟が一生懸命書いたとも想像でき、かわいらしくも思える」と話す。
欧州南天天文台は25日、南米チリに設置した望遠鏡の観測などで、太陽系から約22光年離れた恒星「グリーゼ667C」を回る惑星3個が、生物がすむのに適した環境であることがわかったと発表した。 発表によると、天文台の研究チームが、これまで望遠鏡で得られたデータを分析した。その結果、三つの惑星はグリーゼ667Cから適度な距離にあり、水が凍らずに液体で存在するのに適した環境にあることが確認されたという。惑星はいずれも地球より大型だった。 研究チームは「これらの惑星の存在は知られていたが、生物が生きることができると確認できた」と話している。
中近東文化センター(東京都三鷹市)付属アナトリア考古学研究所が発掘調査しているトルコ中部のビュクリュカレ遺跡で今月上旬、水晶のような石に金や宝石で象眼を施し、ヒョウとみられる動物の頭部をかたどった彫像が出土した。 アッシリア商業植民地時代(紀元前20~前18世紀頃)のものとみられる。当時これだけ豪華で精巧な彫像は珍しく、アフガニスタン産の青い宝石「ラピスラズリ」を使うなど、交易の広がりを示す貴重な遺物となる。 彫像は長さ3センチ、幅2・2センチ、高さ1・6センチ。両目は縁を金で象眼し、片方は失われているが、直径3ミリのラピスラズリを埋め込んでいる。斑点39か所のうち、24か所に青いガラスの象眼が残り、首の下には青銅製の金具がついていた。
安土桃山時代末の1597年、日本人が「奴隷」としてメキシコに渡っていたことがわかった。 ポルトガル人で同国立エヴォラ大特別研究員ルシオ・デ・ソウザさん(大航海時代史)と、東大史料編纂(へんさん)所の岡美穂子助教(日欧交渉史)がメキシコ国立文書館に残る異端審問記録で確認した。「日本人奴隷」の実態を示す貴重な資料であり、日本人の太平洋渡航を詳細に記した最初の資料としても注目される。研究成果は近く海外で出版される予定。 審問記録には、日本名の記載はないが、名前の後ろに「ハポン(日本)」と明記された、「日本生まれ」の人物の名があった。「ガスパール・フェルナンデス」「ミゲル」「ベントゥーラ」の3人で、いずれも男性とみられる。 ガスパールは豊後(大分県)生まれ。8歳だった1585年、長崎で日本人商人からポルトガル商人のペレスに、奴隷として3年契約7ペソで売られた。その後の詳細は不明だが、引き続きペレス
出版社や図書館の関係者、有識者らでつくる研究会が今月発足。各地の図書館で実際に電子書籍を利用してもらい、普及を促すとともに、出版社の図書館向けビジネスモデルの確立を目指す。 目が不自由な人向けの音声読み上げや文字拡大など電子書籍ならではの機能を生かし、病院や福祉施設に配信することも視野に入れる。オブザーバーとして総務省や文部科学省など関係省庁のほか、アマゾン、楽天などの配信事業者も参加し、来年度以降の事業化を目指している。 図書館での電子書籍利用には、〈1〉紙の本と異なり、破損しない〈2〉書庫が必要ない〈3〉貸出期間終了後に読書用端末からデータを消去すれば返却も不要――などの利点がある一方、図書館で利用できる作品が少ない、端末を利用者に貸し出すか配布するか、などの課題があり、取り組みを始めているのは、秋田県立図書館や札幌市中央図書館などごく一部にとどまっている。
福岡県古賀市の高原伸二市議(55)が「宝くじが当たって1000万円とバス2台を市に寄付した」というウソを1日付のブログに書き込み、市議会の奴間(ぬま)健司議長は3日、「議会の見識が問われる」と厳重注意した。 高原市議は取材に「エープリルフールの冗談として書いた」と釈明し、2日付のブログで「大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。 ブログは「買わなければ、当たらない……買ってみるもんだ!」というタイトルで、懇親会後、酔った勢いで買った宝くじが2枚当たり、市役所前の道路に使うという条件で1000万円と、中古の中型バス2台を寄付したという内容。エープリルフールのウソという断りはなかった。 高原市議は2011年の市議選で初当選し、1期目。取材に「世の中が不景気なので、喜び、笑ってほしいと思い、見え見えのウソを書いたつもりだった。度が過ぎていたと深く反省している」と話している。
新潟大と広島大などの研究チームは11日、新潟県の佐渡島に生息するカエルが、新種として専門誌に掲載されたと発表した。 佐渡島に固有の脊椎動物の発見は初めて。「サドガエル」と命名された。 サドガエルは体長4~5センチ。主に佐渡島中央部の水田や川辺に分布する。新潟大の関谷国男・協働研究員が1997年に発見した。水田に多いツチガエルと似ているが、腹が黄色く、鳴き声も「ギューン、ギューン」と特徴的。 研究チームは、ツチガエルとは遺伝子の4~6%が異なり、交配させても子のほぼ全てが生殖能力のない雄となることなどから、新種と判断した。佐渡島が20万~80万年前に本州から分離した後、島内に取り残されたツチガエルから派生したと推測している。
競馬の馬券配当で得た所得を申告せず、2009年までの3年間に約5億7000万円を脱税したとして、所得税法違反に問われた会社員男性(39)が大阪地裁の公判で無罪を訴えている。 配当を得るための「必要経費」には膨大な外れ馬券の購入額も含めるべきで、当たり馬券だけから算定したのは不当と主張。国税関係者は「競馬の必要経費が法廷で争われるのは例がない」と審理の成り行きを注視している。 国税当局は、必要経費について「収入の発生に直接要した金額」と定めた同法を根拠に、競馬の場合は当たり馬券の購入額のみと判断。配当額から必要経費を差し引いた所得を「一時所得」とし、一般的には給与以外の所得が年20万円を超えれば確定申告が必要になるという。 男性の弁護人らによると、男性は07~09年の3年間に計約28億7000万円分の馬券を購入。計約30億1000万円の配当を得ており、利益は約1億4000万円だった。 大阪国
自然エネルギーが注目を集める中、両面受光型太陽光発電パネルで、パネル裏面が受ける地面からの反射光を強めるのにホタテの貝殻を敷き詰めて発電効果を調べる実証試験が、北見市で始まった。 ホタテ産地で不要となった貝殻を活用し、日照時間も長い地元の特性を生かした取り組みだ。片面だけのパネルと比べ発電効率20%の増加を目標にしている。 実証試験に参加しているのは、パネルを製造するPVGソリューションズ(横浜市)、パネルの架台を作る伊藤組土建(札幌市)、コンサルタント会社のKITABA(同)、北見工大の4者で、今年10月から3年間、北見市で実験を行う。北見市も、試験の敷地(約450平方メートル)を提供するなどして協力している。 今回の試験で使うパネルは幅1メートル、長さ1・6メートル。計24枚使う。縦に3枚並べて、細長いパネルにし、すきまを空けて8列並べる。すきまは、通常の太陽光発電には設けないが、両面
16日、中国山東省青島で、デモ隊に破壊、放火されたパナソニックグループの電子部品工場(竹内誠一郎撮影) 「まるで強盗団だった」 山東省青島で15日、日系のスーパーや工場を襲ったデモ隊を目撃した中国人男性は、こう声を震わせた。襲撃されたパナソニックグループなどの工場は一夜明けた16日、放火ですすけた建物や、壊された機械類が無残な姿をさらしていた。 複数の目撃者や関係者によると、暴徒化したデモ隊は、狙いすましたように日系企業を次々に襲っていた。 15日午前11時ごろ、デモ隊は、郊外にあるジャスコ黄島店内で破壊、略奪を開始。1時間後、リーダー格の男が、パナソニックグループの電子部品工場などが入居する「保税区だ」と叫ぶと、デモ隊は移動を開始した。 デモ隊は2キロ先の日系工場を襲撃した後、午後2時頃、さらに2キロ先のパナソニック工場に到着。スタッフ全員が避難を終えていた無人の建物に乱入、機械類を壊し
暴力団排除条例対策として、組員の追放を周知する「破門状」の送付手段をはがきからファクスに切り替えた山口組(神戸市)が、最近、再びはがきに戻したことが捜査関係者への取材でわかった。 誤送信などのトラブルが相次いだためとみられるという。はがきの破門状は、破門を伝える記載部分がシールで隠されているといい、警察当局は組の活動実態や勢力を隠蔽する狙いがあるとみている。 捜査関係者によると、昨年10月、暴力団への利益供与を禁じる暴力団排除条例が全国で出そろい、はがきの破門状の印刷を受注した業者が指導や勧告の対象になったり、組員側も同様の規制を受けたりする可能性が出てきた。このため、山口組は同11月、破門の周知をファクスで行うよう内部通達を出したが、その後、無関係の場所に送られたり、電話と一体型のファクスを使う組では、電話が使いにくかったりといった事態が起きたという。
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