好調なオーストラリア経済の最大の牽引役は天然資源。貪欲に資源を求める中国への輸出を増やすことで、オーストラリアは経済危機を見事に乗り切ってきた。 いまや中国は、オーストラリア最大の貿易相手国。鉄鉱石や石炭、天然ガスを含む様々な工業鉱物の対中輸出高は年間552億ドルに上り、総輸出高の20%以上を占める。 だとすれば、起業家精神にあふれる人々が、対中輸出品のリストに新たな天然資源──カンガルー──を加えたいと考えるのは当然のこと。オーストラリア大陸にはカンガルーが無数に生息し、中国は腹を空かせてその肉を待ち望んでいる、というのが彼らの主張だ。 ニューヨーク・タイムズ紙は先日、カンガルーの中国輸出計画についての興味深い記事を掲載。輸出促進を訴えるオーストラリア・カンガルー産業協会のジョン・ケリー事務局長は「中国には野生動物を料理に使う伝統がある」と同紙にコメントしている。「カンガルーはヨーロッパ