山田先生の新刊。保守化といってもネトウヨ化ではなくて、 リスク回避の安定志向になったという意味だ。 理由は言うまでもない。 大企業の正社員だけが保護され、下請けや非正規雇用が捨て駒にされるのを 見れば、誰だってそうなる。 結局のところ、現状はまだまだ新卒一発勝負、20代前半が人生最大の関ヶ原 というわけだ。 山田氏は実家が自営業でない学生には院進学は勧めないそうだが、人事部的 にも正しいアドバイスだと思う。 本書では他にも、若者の変化の深層を次々と描いていく。 たとえば、「結婚して家庭に入りたい」という20代女性の増加について。 現状の保育所のコストを考えると、それを大きく上回るリターンが得られなければ 労働インセンティブはわかない。そう考えると、非正規雇用比率が5割近い20代女性が 「家庭に入りたい」と願うのは、「昭和への回帰」というより単なる「労働意欲の喪失」 とみるべきだ。 仕事での