国民のために祈り続ける天皇陛下。それを支える皇族方。そのお言葉には深い意味が込められている。神道学者・高森明勅氏がそれらのお言葉に込められた意味を読み解く。 * * * 皇后陛下は以前、北朝鮮による日本人拉致という国家的犯罪について、率直にご自身の「無念さ」を語られている。 「小泉総理の北朝鮮訪問により、一連の拉致事件に関し、初めて真相の一部が報道され、驚きと悲しみと共に、無念さを覚えます。何故私たち皆が、自分たち共同社会の出来事として、この人々の不在をもっと強く意識し続けることができなかったかとの思いを消すことができません。 今回の帰国者と家族との再会の喜びを思うにつけ、今回帰ることのできなかった人々の家族の気持ちは察するにあまりあり、その一入の淋しさを思います」(平成14年のお誕生日に際しての文書回答) このご発言は沈痛な自責の念のご表明であると同時に、政治に携わる者らの長年にわたる無