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ブックマーク / cpplover.blogspot.com (35)

  • macOSのM1とx86-64におけるベンチマーク比較の考察

    世間ではAppleの新しい製品に使われるARM64 CPUであるM1の話題でもちきりだ。ただし、日語を話す記者というのは極めて非科学的かつ無能であり、M1の現物を手にしても、末端のソフトウェアを動かして、体感で早いだの遅いだのと語るだけだ。そういう感想は居酒屋で酒を片手に漏らすべきであって、報道と呼ぶべきシロモノではない。 と思っていたら、Phoronixがやってくれた。M1とi7で動くmacOSでベンチマークをしている。 これを考察すると、M1のMac Miniは、一世代前のi7のMac Miniに比べて、メモリ性能とI/O性能が高く、演算性能は低いようだ。このことを考えると、M1の性能特性としては、動画のエンコードやソフトウェアレイトレーシングをするには不向きだが、その他の作業は遜色ないだろう。 問題は、仮想化とRosettaを組み合わせることができないという点だ。x86-64のユー

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    yk5656 2020/11/24
  • Erlangについて思うところ

    職場の今までいた部署が潰れてしまったので、新しい部署で仕事のためにErlangを学んでいる。基礎的な文法については学び終わったので、現時点でのErlangについての雑感を書いておこうと思う。 Erlangは多数派のプログラミング言語とはだいぶ違う文法を持っている。終端記号がドットであることもそうだが、比較演算子もだいぶ違っている。多くの言語が!=を使うなか、Erlangは/=を使っている。Less than or equal toが=<であるのも多数派とは異なっている。ただし、Greater than or equal toは>=だ。一貫性がない。 終端文字はドットだが、関数の中には一つの式しか書くことができない。式はカンマで区切ることができるので、以下のようになる。 func() -> expr1 , % カンマ expr2 , % カンマ expr3 . % ドット このような文法はリ

  • AMDのZen 2でRDRANDが-1を返すので最近のGNU/Linuxがブートできない問題

    AMDのZen 2アーキテクチャの新製品が発売されて沸き立っているが悲しいお知らせがある。最近のGNU/Linuxディストロはブートしない。例えばUbuntu 19.04はブートしない。 理由は、ハードウェア乱数を返す命令、RDRANDに不具合があり、常に-1を返すのだという。このため、rdrandを直接使っているsystemdが失敗し、結果としてブートできなくなる。 AMDによればこの問題はBIOSアップデートで修正可能であるという。しかしこれはとても怪しい陰謀論を考えたくなる。なぜRDRANDが常に-1を返すような不具合が未然に発覚せずに製品リリースまでこぎつけてしまったのか。なぜファームウェアのアップデートで修正可能なのか。まさかバックドアなのではないか。 陰謀論はともかくとして、もう一つの問題は、なぜsystemdはRDRANDを直接使っているのかということだ。Linuxカーネルの

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    yk5656 2019/07/15
  • Linus Torvalds様、ユーザースペースの互換性を壊した開発者に強い態度をお示しになる

    Linuxカーネル4.18から、userns mountに対して暗黙にSB_I_NODEVを設定するようになったために、既存のsystemdのnspawn実装が壊れた。 以下が問題のパッチだ。 https://github.com/torvalds/linux/commit/55956b59df336f6738da916dbb520b6e37df9fbd Linuxカーネルにおいては、ユーザースペースの挙動は変えないという強い下位互換保障がある。以前のバージョンのカーネルで動いていたユーザースペースのコードが新しいバージョンのカーネルで動かなくなった場合、それは理由が何であれ新しいバージョンのカーネルのバグであるとみなされる。たとえそれが、ドキュメント化していない明示的に保証されているわけではない昔のカーネルの暗黙の挙動であれ、その挙動に依存している既存のユーザースペースのコードがあるので

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    yk5656 2018/12/25
  • 本の虫: Vimconf 2018のスタッフをしてきた

    VimconfとはテキストエディターVimに関する発表をするカンファレンスだ。国際カンファレンスを意識し、発表の多くは英語で行われている。今年は他ならぬVimの作者であるBram Moolenaar人を招待している。 去年のVimconf 2017には、雇用主のドワンゴがスポンサーをしていたので、スポンサーチケットで参加をした。 今年のVimconf 2018もドワンゴはスポンサーをしていたが、去年は私がスポンサーチケットを使ったので遠慮をして今年は別の同僚に譲った。自腹で行こうかと思ったが、チケット販売サイトはクレジットカードからの入金しか受け付けなかったので、購入を断念した。 残念、今年は参加できないか、と思っていたところ、運営スタッフから人手不足で当日のスタッフが足りないので来てくれと言われ、急遽スタッフとして受付のチケットもぎりをすることになったので、結果的に今年も参加することに

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    yk5656 2018/11/25
  • 本の虫: 帰ってきたきれいなリーナス・トーバルズ、無作法な開発者をたしなめる

    Linus Torvalds Shows His New Polite Side While Pointing Out Bad Kernel Code - Phoronix 人の心の読み方を学んで復帰したリーナス・トーバルズは、さっそく無作法なプルリクエストをたしなめている。その文章は大文字センテンスも4文字言葉も使っていない優しいものに変わっている。 問題はプルリクエストはBigBenゲームコントローラーに対するドライバーの追加で、このドライバーはデフォルトで有効にされていた。これはLinuxカーネルの慣習にそぐわないものだ。新しく追加された名前もきいたこともないようなデバイス用のドライバーが、いきなりカーネルでデフォルトで有効にはされないものだ。新参者のドライバー開発者は、大抵自分のドライバーはとても重要で、自分の所有しているデバイスは全員所有しているのでデフォルトで有効にするのは当然

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    yk5656 2018/10/30
  • 本の虫: Linus、今までの行いを謝罪し一時的にカーネルメンテナーの立場を退いて人の気持ちを勉強してくると発言

    Linus、今までの行いを謝罪し一時的にカーネルメンテナーの立場を退いて人の気持ちを勉強してくると発言 完全に背景事情を調べ上げたわけではないのだが、どうもLinusが毎年参加しているLinuxカーネルの会議に、Linusがスケジュールを間違えて参加できなくなるという事態が発生した。当のLinus人はもう20年も続いている会議だし自分がいなくてもやっていけるだろうと楽観視していたが、会議自体がLinusの都合にあわせてリスケジュールされた。 LinuxにおいてLinus Torvaldsといえば第一人者であり極めて重要な存在で、そのLinusが毎年参加している重要な会議にLinusが参加できないとあれば、その他のあらゆるコストを度外視して根回し調整を行い、Linusが参加できるようにイベント全体のリスケジュールを行うのは人間の感情から考えて当然である。しかし当のLinus人は他人の感情

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    yk5656 2018/09/17
  • 本の虫: GCCのgit移行が難航中

    GCCはgitへの移行を計画しているが、GCCの既存のsubversionレポジトリをgitレポジトリに変換する作業が難航している。 GCCの移行作業を検証しているのは他ならぬEric S. Raymond(ESR)だ。 ESRお手製の変換ツール、reposurgeonはsubversionからgitへの変換ができる。 Resource page for reposurgeon 3.44 しかしGCCは30年もの歴史を持ち、そのsubversionレポジトリも複雑だ。 ESRはGCCのためにreposurgeonのバグを潰し、勢い変換しようと試みたが、意外な障害に出くわした。メモリ不足だ。 GCC's Conversion To Git Is Being Held Up By RAM, a.k.a. Crazy DDR4 Prices - Phoronix ESRの所有する64GBのメモリ

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    yk5656 2018/07/31
  • しないでマイクロソフトのスタイルガイドライン準拠の翻訳

    マイクロソフトは将来的に買収する見込みのGitHubで.NETのドキュメントを公開している。ハロウィーン文書が公開された頃のマイクロソフトからは考えられないほど変わったものだ。 https://github.com/dotnet/docs.ja-jp その中にある変数名の命名規則に関するスタイルガイドラインについて書かれたドキュメントの文章がおかしい。 https://github.com/dotnet/docs.ja-jp/blob/live/docs/standard/design-guidelines/names-of-type-members.md しないで動詞または動詞句は、メソッドの名前を指定します。 しないで名詞、名詞句、または形容詞を使用してプロパティの名前を付けます。 しないで次の例のように、"Get"メソッドの名前に一致するプロパティがあります。 しないで後に"List

  • 世の中にはプログラミングを理解できない人間が存在する

    現在、C++によるプログラミングの入門書を書いているので、初心者のプログラミングの学習過程にとても興味がある。私自身も初心者の気持ちを取り戻すためにHaskellを学んでみた。最初の数日は頭が痛くなるほど難しかったが、そこを過ぎてみれば後は楽になってしまった。結局、初心者の気持ちはあまりわからなかった。結局、プログラミングの基礎はすでに学んでしまっているので、 先日、FizzBuzzがわからないから教えてくれという知人がいたので、これは初心者の気持ちを知るいい機会と話を聞いてみたところ、想像を絶する世界が見えてきた。 まずこれが動かないと悩んでいたコードだ。 for ( int i = 0 ; i <= 100 ; i++ ) { } else if ( i % 15 == 0 ) { Debug.log("FizzBuzz") ; } else if ( i % 3 == 0 ) { D

  • 物理的に近くの相手とファイル共有する方法

    以下のようなTweetを読んだ。 ごめん言葉足らずだった。インターネットへの通信品質を信頼できないコミケ会場で、ビューワであるスマホやタブレット端末にPDFを送りつけたいんだ。 https://t.co/gzbcQKXkEN — ろ。まのふ (@kamiya344) January 19, 2018 インターネットが普及してからもうかれこれ20年以上もたつが、未だにこの問題が解決できていないのは嘆かわしいことだ。なのでこの問題を解決してみよう。 ただし、今回の問題は、大量に人が集まるため無線通信が難しい状況で、物理的に近い場所にいる相手とのファイル共有だ。 ファイルの転送自体は、前後にインターネット回線を確保してから行ってもいい場合は、どこかに暗号化したファイルを公開しておき、現場では復号鍵を配布すればいいだろう。 しかし、その場で直ちにファイルを転送したい場合はどうするのか。この場合、物

    物理的に近くの相手とファイル共有する方法
  • Linux財団のトップ、「2017年はLinuxデスクトップの年だ」というスピーチのスライド資料を映すのにMacを使って炎上

    Linux財団のトップ、「2017年はLinuxデスクトップの年だ」というスピーチのスライド資料を映すのにMacを使って炎上 iTWire - Linux Foundation head proclaims year of Linux desktop – from a Mac Linux財団のトップ、Jim Zemlinは、オープンソースサミット2017年の基調講演において、「2017年はLinuxデスクトップの年だ」という趣旨の発表を行ったが、そのときにスライド資料を映すのにMacを使ったため炎上している。 Jim ZemlinがMacを使っているのは今に始まった話ではない。例えば4年前の2013年には、Linux開発者として有名な Matthew Garrettにもネタにされている。 Sitting on a plane, watching Jim Zemlin use OS X. —

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    yk5656 2017/09/18
  • そろそろマストドンについて語っておくか

    世間ではマストドンが流行っている。結論から言うとマストドンは思想的にも設計的にも失敗しているのでお祭りのように一時の話題になった後、急速に忘れ去られる運命にある。 マストドンを語るには、まずマストドンが実装しているプロトコルであるOStatusについて説明する必要がある。これはもともと、StatusNetというソフトウェアが提唱したプロトコルで、Twitterようなマイクロブログの更新通知のためのプロトコルだ。StatusNetは今は名前を変えてGNU Socialとして自由ソフトウェア財団の傘下になっている。 マストドンはいうなればGNU Socialの互換実装だ。その基的な思想や設計はGNU Socialと同じだ。どちらも現在の大手ソーシャルネットワークサービスに共通の問題に対処しようとしている。 問題とは何か。権力の一極集中である。TwitterにしろFacebookにしろGoog

    そろそろマストドンについて語っておくか
  • curl | bashをサーバーサイドで判定する方法

    Detecting the use of "curl | bash" server side | Application Security ソフトウェアをインストールするとき、シェルスクリプトを実行するのはよくあることだ。しかし、そのシェルスクリプトが他人のリモートサーバーでホストされていた場合、curl | bashするのは危険だ。まともなユーザーは、curl | bashする前に、まず中身を確認して、悪意がないことを確かめるものだ。 しかしもし、サーバー側がwgetやcurlといったツールとブラウザーを判定して、それぞれ別のコードを返した場合どうか。ユーザーが見るのは囮のシェルスクリプトだ。 しかし、それではcurlやwgetを利用してシェルスクリプトをダウンロードするユーザーは騙せない。しかしもし、curlcurl | bashを判定することができたらどうか。実は、できるのだ。 c

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    yk5656 2016/04/21
  • Linuxカーネルを2038年問題に対応させるには

    System call conversion for year 2038 [LWN.net] lwn.netLinuxカーネルを2038年問題に対応させるにはという記事が公開されている。 32bitLinuxカーネルのtime_tはsigned 32 bitなので、現行の32bitLinuxカーネルをそのまま使い続けるシステムは、2038年問題の影響を受ける。 問題の日付が近づくにつれ、32bitシステムは様々な楽しげな理由により障害を起こすことが予測されるので、今日のLWN読者は、退職から呼び戻されて、紀南を救うために英雄的な活躍をするだろう。今対策をしなければの話だが。 さて、32bit Linuxカーネルでも、time_tなどの時間の表現に64bitの値を使えば2038年問題は解決できるか。実は、問題はそれほど単純ではない。 カーネル内部の時間表現を64bitに移行するだけでは

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    yk5656 2015/05/19
  • Pingプログラムの話

    The Story of the PING Program そうだ。UNIXのpingを書いたのは俺さ。pingというものは誰でも知ってるだろうが、これはある夜、俺が千行程度で書いたハックだ。 名前の由来はソナーの音だ。俺は大学でソナーとレーダーシステムの設計をさんざんやっていたので、サイバースペース的なものとは親和性が高かった。新しい分野に既存の概念を適用したというわけだ。pingはIP/ICMP ECHO_REQUESTとECHO_REPLYパケットを使って時間を測り、ターゲットマシンへの「距離」を計測する。 4.2a BSD UNIX用のPINGを書いた着想は、1983年の7月に、ノルウェイでのDARPA会議で、Dave MIlls博士からきいた話が元だ。博士はFizzball LSI-11システムで、ICMP Echoパケットの時間を計測して、経路遅延を計測したと話していた。 19

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    yk5656 2014/10/12
  • The Old New Thing: 実行ファイルのベースアドレスが0x00400000である理由

    古参MS社員のRaymond Chenが、なぜWindowsのデフォルトのベースアドレスは0x00400000に配置されているのか。最初の4MBは何だという質問に答えている。 Why is 0x00400000 the default base address for an executable? - The Old New Thing - Site Home - MSDN Blogs DLLのデフォルトのベースアドレスは0x10000000だが、なぜEXEのデフォルトのベースアドレスは0x00400000なのか。なぜこの値なのか。4メガバイトに何の意味があるのか。 これには、x86のディレクトリエントリひとつでマップできるアドレス空間であることと、1987年に決められた設計のためだ。 EXEのベースアドレスの制約としては、64KBの倍数であることのみだ。しかし、ベースアドレスを選ぶ理由に

  • fork()は失敗するんだぜ、覚えときな

    fork() can fail: this is important あー、fork()のことね。プロセスがもっとプロセス作るためのやつな。いや、他にもプロセス作る方法はあるけどな。ま、面白い話がもうひとつあるから聞かせてやるよ。 forkは失敗するんだぜ。分かってるか? マジで分かってるか? マジだぜ。forkは失敗するもんだ。mallocと同じさ。失敗することもある。そんなに頻繁にってわけじゃないけどさ、でも失敗したら、無視できっこないぜ。ちっとは脳みそ働かせなきゃならん。 forkが0を返したら、そいつは子プロセスで、親なら正数を返すってことは、みんな知ってるよな。その値は子のpidだ。こいつを保存しといて、あとで使うってわけだ。 失敗を確認しない場合どうなるか知ってるか? そうだよ。お前多分、"-1"(forkのエラー通知)をpidとして扱ってるんだろ。 さて、問題の始まりだ。

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    yk5656 2014/08/21
  • Linus Torvalds、 GCC 4.9.0のコード生成にブチ切れる

    Phoronixで知ったが、Linus TorvaldsがGCC 4.9.0のコード生成にブチ切れている。 問題はLinuxカーネルのload_balance()がランダムにパニックを起こすというもので、その原因は、報告者の使っているコンパイラーであるGCC 4.9.0のコード生成がおかしかったという話だ。 Linus様は御自ら生成されたコードを読み給い、平生と変わらぬ調子で物事の道理を示された。 Linux-Kernel Archive: Re: Random panic in load_balance() with 3.16-rc From: Linus Torvalds Date: Thu Jul 24 2014 - 14:47:25 EST On Wed, Jul 23, 2014 at 6:43 PM, Michel DÃnzer <michel@xxxxxxxxxxx> wro

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    yk5656 2014/07/27
  • Linuxカーネルのバグをgit bisectで特定する話

    Odd Bits - Tracking down a kernel bug with git bisect Linuxカーネルのバージョンを3.15に上げたところ、Docker内でのsuやrunuserが謎のシステムエラーで動かなくなった。カーネルのバージョンを3.14に下げると問題なく動作する。明らかにカーネルが影響を及ぼしている。 よろしい、ならばgit bisectだ。git bisectは良いコミットと悪いコミットの間をバイナリサーチして、問題を引き起こしたコミットを見つけてくれる。 しかし、Linuxカーネル3.14と3.15の間には、約15000件のコミットがあるので、git bisectを手動で回すのは現実的ではない。 git bisectには、自動化のための仕組み、git bisect runがある。これは、コミットをチェックアウトした後に、自動でスクリプトを実行して、現在

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    yk5656 2014/07/25