『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが"公金アート"をめぐるアメリカでの論争について語る。 * * * 75日間の会期を終え閉幕した「あいちトリエンナーレ2019」。企画展「表現の不自由展・その後」の中止と再開は大きな話題となり、結果的に過去最高の入場者数を記録したものの、文化庁の補助金約7800万円は全額不交付となるなど、公金が投入される芸術祭のあり方についてさまざまな議論を残す形となりました。 "公金アート"をめぐる論争はアメリカでも長年続いており、中心にはNEA(全米芸術基金)という連邦政府の独立機関があります。 暗殺されたJ・F・ケネディ元大統領の後を継いだ民主党のジョンソン政権が「偉大な社会(Great Society)」というリベラルな政策を掲げ、旧ソ連率いる共産圏に優越する形で国家の長期的な成長や文化育成を行なう