『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが、「言論・表現の自由」をめぐる問題について語る。 * * * このまま日本の言論は"萎縮"し続けることになるのでしょうか。 今年8月、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が脅迫・抗議で中止に追い込まれ、話題となりました。 その後、10月には神奈川県川崎市の「KAWASAKIしんゆり映画祭」で、慰安婦問題を扱ったドキュメンタリー映画の上映が、「抗議電話への対応に追われる」などの理由で中止。さらに11月にも、富山県朝日町で予定されていた作家の講演会が、妨害予告の電話が入ったことで中止となりました。 それぞれイベントの規模感も、政治的主張も、脅迫の度合いも異なりますが、あいちトリエンナーレの一件が「気に入らない言論や表現を電話で中止させる」ことの成功例とな
『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが"公金アート"をめぐるアメリカでの論争について語る。 * * * 75日間の会期を終え閉幕した「あいちトリエンナーレ2019」。企画展「表現の不自由展・その後」の中止と再開は大きな話題となり、結果的に過去最高の入場者数を記録したものの、文化庁の補助金約7800万円は全額不交付となるなど、公金が投入される芸術祭のあり方についてさまざまな議論を残す形となりました。 "公金アート"をめぐる論争はアメリカでも長年続いており、中心にはNEA(全米芸術基金)という連邦政府の独立機関があります。 暗殺されたJ・F・ケネディ元大統領の後を継いだ民主党のジョンソン政権が「偉大な社会(Great Society)」というリベラルな政策を掲げ、旧ソ連率いる共産圏に優越する形で国家の長期的な成長や文化育成を行なう
表現の自由やアートの価値について、今年ほど意見が交わされたことがあっただろうか。皮肉なことに表現・自由・アートに対する解釈や知見に大きな断絶が存在することが可視化され、時にうんざりするネットミームと化した印象もある。だが、いつまでもうんざりしているだけで、私たちが生活するこの国に表現の自由やアートの価値は根付くだろうか。 表現の自由やアートの価値は実は普段触れているカルチャーやエンターテインメントの中にも当然、存在している。そこで送り手側であるアーティストの実感から問題意識にダイブしてみようと思う。 今回、取材に応じてくれたのは12歳で映像を学ぶためにイギリスへ飛んだ映像作家・木村太一。ロンドンのCentral Saint Martins College of Art and Design(セントマーチンズ)、London College of Communication(LCC)で学び、
政府にとって好ましい内容の展覧会しか開催できなくなる恐れがあります 文化庁は国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」に警備上の混乱が予想されることを把握しながら事前に説明がなかったとして、補助金の全額交付を取りやめることを決定。これに対し大村秀章愛知県知事は裁判で争う姿勢を明らかにした。 タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に思うあんなこと、こんなこと。 * * * 最近、東京都の美術館などでは東京オリンピック・パラリンピックに備えたテロ対策として手荷物検査を行なうようになっています。違和感を覚える人もいるようですが、大勢の人が集まる場所では必要でしょう。「あいちトリエンナーレ2019」では、ガソリン缶を持ち込むと脅迫ファクスを送りつけた会社員の男が逮捕されました。 2017年の改正組織的犯罪処罰法(いわゆる「共謀罪」法)です。成立の際に安倍晋三総理大臣は、国内法を整備しなけれ
『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが中止となった「表現の不自由展・その後」について語る。 * * * 「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止となった問題に関する議論が続いていますが、その多くが本質的なアート論に踏み込むことなく、「表現の自由」「検閲」「反日」といった短絡的な図式に収斂(しゅうれん)されているのが気にかかります。 古今東西、アートが政治性を帯びることは多々ありますが、本来それは短絡的な二項対立から抜け出すためのニュアンスや両義性を提供し、"単純な正義"を否定するべきもの。今回の展示は税金が投入された自治体主体のアートフェスティバルですから、より慎重に単純な二項対立から距離を置く必要があったと思います。 そもそも税金が使われるパブリックアートにおける「表現の自由」をどう考えるべき
美術館初心者におすすめの企画展 『はじめての古美術鑑賞』について、根津美術館の学芸第二課長「本田諭さん」にお話を伺いました。 ▶#へんてこアート入門 『刀剣博物館 日本刀の見方 姿』編 エントランスホール ――今回の企画展の意図を教えてください。 本田さん 日本の古美術のイメージというと、西洋美術と違って地味で、しかもなんだかわかりにくい、と考える方が多くいらっしゃいます。もともと日本美術は、ルネサンス美術や印象派の絵画とは単純に比べられないものですが、そうしたイメージもあって、ハードルが高いと思われがちです。なので、この状況はなんとかならないものか……と当館ではずっと考えていました。 ――確かに学生など若い世代では、美術鑑賞が難しいものだと思っている人が多いですね。 本田さん そうした人たちに向けて、3年前から始めたのが、『はじめての古美術鑑賞』シリーズです。この企画展は、古美術の鑑賞経
美術展は、ただ美術品を見るだけでなく、作品を通して制作当時の時代背景を学んだり、作者の考えを知ったりできるのも魅力です。例えば江戸時代の絵の場合なら、絵を見ることで当時の生活の模様を知ることができますよね。そうした「学びが得やすい企画展」は、あまり美術に詳しくなくても楽しめるのがポイント。 ▶#へんてこアート入門 『刀剣博物館 日本刀の見方 姿』編 そこで今回は、江戸時代の女性の生活の一端を知ることができる企画展『女・おんな・オンナ~浮世絵にみる女のくらし』をご紹介します。 江戸時代の女性の生活に触れることができる企画展 『女・おんな・オンナ~浮世絵にみる女のくらし』の担当学芸員である渋谷区立松濤美術館の清水緑さんに、今回の企画展の見どころやお薦めの展示を伺いました。 『女・おんな・オンナ~浮世絵にみる女のくらし』展会場風景(B1展示室) ――今回の企画展のコンセプトを教えてください。 清
2019年2月5日(火)18時よりサンワカンパニー東京ショールームにて「sanwacompany Art Award / Art in The House 2019」の授賞式と作品お披露目レセプションパーティーを行います。 グランプリ作品は外苑前駅すぐの、サンワカンパニー東京ショールーム内、23.6平方メートルの空間に展示します。 株式会社サンワカンパニーは、現代アートの分野で活躍する新進気鋭のアーティストをサポートすると共に、より良い LIFE スタイル「アートのある暮らし」を提案する作品展示プランを公募する「sanwacompany Art Award / Art in The House 2019」を開催しました。 レセプションパーティーでは真鍋大度氏(Rhizomatiks Research代表)がDJを務め、ゲストに須藤 亜紗実氏(2018 ミス日本酒)が駆けつけてくれます。 ま
「VOCA展」実行委員会および公益財団法人日本美術協会・上野の森美術館は、来る3月14日(木)から3月30日(土)までの17日間にわたり、『VOCA展2019 現代美術の展望-新しい平面の作家たち』(The Vision of Contemporary Art/特別協賛:第一生命保険株式会社)を上野の森美術館(東京都台東区)で開催します。 ■最高賞であるVOCA賞には、東城信之介氏の作品が選出 『VOCA展2019』に出品するのは、これからを期待される新進気鋭の作家33人(組)です。この中から、グランプリとなるVOCA賞には神奈川県在住(長野県出身)のアーティスト・東城信之介さんの《アテネ・長野・東京ノ壁ニアルデアロウ摸写》が決定した他、VOCA奨励賞には石場文子さん、チョン・ユギョンさん、VOCA佳作賞には遠藤薫さん、目(荒神明香・南川憲二・増井宏文)さんの作品が選出されました。また、大
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