北京の人々が大気汚染対策のマスクを着けると、世界中でニュースになる。しかし、中国北部の空気をきれいにする努力が実るか否かは承徳市など鉄鋼業が盛んな都市にかかっており、その承徳市の住民300万人はスモッグよりも自分の雇用の方を心配している。 政府当局は北京の大気の状況を非常に懸念しており、この汚染を緩和するために、北京を取り囲む河北省の工業都市が石炭の使用量や鉄鋼・セメントの生産能力を削減することを望んでいる。 だが、所得が低く、煙をもくもくと吐き出す製鋼所が貴重な雇用主になっている承徳などの都市では、そうした施策は雇用の削減に直結する。ほかに産業がない都市で雇用を維持するという課題のために、この施策は中国政府にとって非常に複雑で政治的に危険な問題となっている。 「空気末日」に対する注目を受け、中央政府は行動を決断したが・・・ 「河北省は、自分たちは開発が遅れており、重工業に大きく依存してい