だが、よくよく見てみると、彼がアマゾンでやってきたことはインターネットを変え、産業を変え、消費者をすっかり変えてしまった。われわれの生活にあまりに密着してその隅々にまで入り込んでいるので、もはや客観的に見るのが難しくなっているほどだが、ベゾスとアマゾンは社会習慣や企業と顧客との関係のあり方も変えている。その意味では、彼以上のカリスマはいないのだ。 プレゼンに時間を費やす時代は終わった 私見を述べると、ベゾスがカリスマ風を吹かせないのは、そんな無駄なことに時間を使いたくないからだろうと思われる。ベゾスは徹底的な現実主義で、データ人間とも言われる。人を魅惑したり、世間にアピールしたりしている時間があったら、売り上げのデータ、マージンのデータ、顧客のフィードバック、配送センターの効率性といったことに目を向けていたいのだ。 ベゾスもあるところで、次のように語っている。「これまでのビジネスでは、70