記事一覧 加藤一二三VS須佐勝明 アマトップがひかれた天才棋士 (2011年12月20日午後5時44分) 須佐勝明(左)と加藤一二三 亀田兄弟を台風の目に、フライ級の世界王座が日本中心に回っていた4、5年前、トップボクサーたちに「裏の日本最強」と言わしめる超逸材がいた。アマチュアボクシングの国際大会で、多くの入賞実績を持つ須佐勝明(自衛隊体育学校)である。そのパワーと技術は、ビッグマウスで有名な亀田興毅さえ「海外でもいろんな選手とスパーリングをしたけど、あんなに強いのはおらんかったな」と認めたほど。 では、逆に須佐が強いと思う者は誰なのか。ある日、須佐に「あこがれや理想」について尋ねると、その口から出た名は「加藤一二三」だった。加藤九段は「神武以来の天才」とうたわれた将棋棋士で、史上最年少の14歳でプロ、18歳でA級に昇進した現71歳の大御所である。将棋界では、対局中に「滝を止めさせた」