■騎馬戦の事故――乏しい情報昨日(3日)、福岡地裁で注目すべき判決が下りた。高校の体育祭の騎馬戦で落下し、首より下が完全麻痺となった重度障害事故について、地裁は、学校の安全配慮義務違反を認め、福岡県に2億円の支払いを命じたのである。 この判決、どういう意味で「注目すべき」なのかというと、判決内容が画期的であったという点ではない。じつは、「画期的だ」と言えるほどには、そもそも情報がないのだ。今回の判決により、騎馬戦の事故実態の一端がようやく明らかになった。その意味で、本判決は「注目」すべきなのである。 今回のエントリでは、本事案と統計データから、騎馬戦の事故実態とそこで私たちが注視すべき課題のいくつかをあげたい。 ■本事案の概要本事案は、福岡県立の高校で2003年9月に発生した。3年生(当時)の男子生徒が、体育祭の騎馬戦で、騎手(他の生徒が組んだ騎馬に乗る役)として参加し、相手と組み合うなか