本日は、平成最後の天皇誕生日である。例年どおり、今年も今上天皇の「お言葉」が公開され、様々な解説や解釈が行なわれるだろう。 ただ天皇の「お言葉」は、こうした公式のものだけではなく、側近や関係者などから漏れ伝わってくる非公式のものも見逃せない。というのも、そこにこそ、しばしば天皇の本心や感情が直に表れているからである。 そこで以下では、平成年間の非公式な「お言葉」を厳選して5つ紹介したい。みなさんは、いくつご記憶にあるだろうか(以下、今上天皇は天皇と略す)。 「先例を云々するのはおかしい」(平成9年) まず天皇といえば、沖縄は外せない。天皇は、皇太子時代より沖縄への思いを強調し、折に触れて現地の叙情詩である琉歌も作ってきた。 1997年2月、屋良朝苗が亡くなった時も、その思いの一端が明らかになった。屋良は、沖縄復帰後にはじめて県知事を務めた政治家だった。天皇はその訃報に接するや、葬儀に花を供