〔連載〕続 アメリカ医療の光と影 第 69回 ピル(医療と性と政治)(1) 抗議の辞任 李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2650号よりつづく) 8月31日,米食品医薬品局(FDA)副局長(兼女性健康部長),スーザン・ウッドが辞任した。26日に,FDA局長,レスター・クロフォードが,緊急経口避妊薬「プランB」の処方箋なしの店頭販売認可について,最終決定を延期したことに対する,抗議の辞任だった。 緊急経口避妊薬を店頭販売する理由 FDA高官の辞任騒ぎを引き起こす原因となった「プランB」(註1)とは,基本的には高用量プロゲスチンであるが,無防備性交(unprotected sex)後の妊娠を防止する薬剤として,米国ではすでに99年7月に認可を受けていた。処方薬としてすでに認可済みの医薬品について,なぜ,改めて「処方箋なしの店頭販売」の認可申請がなされたかというと,プランBは,無防備性交後,
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