「朝、起きたらまずプリントをやります。次に教室に行って、それから…」と、びっしり我が子の学習日程を組んで、叱咤激励しているタイプの親たちに何人も会いました。 「この子は、私がそろそろ勉強してほしいなと思うと、さっと自分からプリントを持ってきて始めるんですよ」 そう言って、母親は目を細めます。 自由時間はないのですか――などと聞くと、すぐに答えが返ってきます。 「本当はもっと、のんびりとさせてあげたいんですが、厳しい競争がありますから。子どもにのびのびと育ってもらうためにも、今は少々の無理は仕方がありません」 私学難関のエスカレーターに早く乗せることが目標だというのです。 乳幼児から小学校の低学年まで、親の言うことを忠実に実行して、お母さんが喜ぶ姿を見て、ますますその期待に応えようとする子どもがいるのは事実です。 「子どもってすごいですねえ。まるで吸い取り紙のように、新しい知識をどんどん吸収