ことし31年目のシーズンを迎える現役最年長の山本。ベテラン選手ともなれば、練習内容を配慮されることも少なくない。だが、山本はそれを拒む。 入団当時から山本を指導してきた三木安司コーチはこう語る「ウォーミングアップ1つとっても、若手と同様のメニューを同じ数だけ黙々とこなします。故障していない限りは、俺別でアップするねということがない。山本はベースになるものをとにかく変えずに続ける。その積み重ねこそが、今も現役でいられる理由だと思います」 「“基本”を変わらず、積み重ねる」という流儀の一方で、実はもうひとつみずからに課すルールがある。それは、進化し続けることだ。 年齢とともに否応なしに落ちていく体力。今までと同じでは、プロのトップレベルを維持はできない。そのために山本は、ときには大胆に変わらなくてはならないと考える。そこで、山本はピッチャーの生命線であるフォームを、毎年のように変えてきた。例え