9月23日、イングランドはグロスターのキングスホルムスタジアム。スコットランド代表戦を10-45で落とした日本代表のPR稲垣啓太は、浮かない顔で首を傾げていた。 結果に対して、そして、先発しながら前半40分で交代させられたことに対して、である。 「前半で脳震盪のテストを受けてるんです。それで…(大事を取る形となった)。もう、大丈夫なんですけど」 退くまでは、出色の働きを披露した。0-3で迎えた前半5分頃。ハーフ線付近でのスコットランド代表ボールラインアウトの周辺で相手を倒し、すぐさま左隣の接点へ移動するやターンオーバーを決めた。相手を身体の芯で捉えるタックルの技術と、そのタックルを放った直後のリアクション…。持ち味を活かした。 「スティーブ(・ボーズウィックFWコーチ)とも話していて。目標を掲げていたんです。1試合17本、と」 イングランドでのワールドカップ(W杯)のプールBで3勝を挙げた