OASYSは多くのユーザーから支持されたが、とりわけ重宝したのが文章を生業とする職業人たちだった。実は、文藝春秋社内においても過去にOASYSが支給されたことから、いまだに親指シフトユーザーが多い。 OASYSと物書きたちの幸せな関係は、その後、20年以上も続いた。ところが、OASYSは2000年に生産終了のときを迎える。PCの高性能化が進んだことでワープロ専用機の需要は減り、文書作成はマイクロソフト社のワードを始めとするワープロソフトが主流になっていたのだ。 とはいえ、親指シフトは失われた“過去のテクノロジー”ではない。いまでも熱烈な利用者に支えられ、PCの付属キーボードとして生き残っている。いったい何がそこまでユーザーを引きつけるのか。 親指シフト愛用者の“駆け込み寺”になっている富士通専門店「アクセス」の池田裕一店長に聞いた。 文筆業、弁護士、医師などの個人事業主が多い ――まずは、