大学1年生の頃に出会った彼は、最初は気のいい面白い人で、一風変わったでも熱烈なアプローチを受けて付き合うこととなった。当時まだ誰とも付き合ったことがなく、もともと出不精で人付き合いが好きではない私にとっては、毎日連絡を取り合うことすら信じがたいことだった。 私たちは偏差値のよい大学に所属していた。まぁ端的にいえば東大である。彼は学部を卒業した後海外に留学し、私はそのまま大学院に進学した。一般的に言って二人とも高学歴である。 付き合い初めのころ、私のあまりのメールの返事の遅さに彼はしばしば文句を言った。いわく、重要だと思っていないから返事を返すのが遅いんだ、と。私からすれば毎日メールを送ること自体信じられないほどの量のコミュニケーションであると思っていたから、努力はしこそすれ彼と私の溝はあまり埋められなかった。彼はよく言った。大事に思われてない気がする、きっともっと昔に出会っていればもっと大
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