私も「だてマスク」を着けています――。風邪でも花粉症でもないのに素顔を隠すためのマスクを年中手放せない。そんな中高生たちの姿を朝刊の連載「いま子どもたちは――よそおう」で取り上げたところ、大人からも共感の声が相次いだ。一方で、だてマスクを着けるわが子にどう向き合うか、悩む保護者も少なくない。 埼玉県春日部市の主婦の女性(49)は、外出時に「だてマスク」を着け、帽子を目深にかぶる。 手放せなくなったのは数年前。中学生だった長男が、同級生やその保護者らから「空気の読めない子」と扱われるようになった頃だった。近所でふいに「○○君のお母さん」と声をかけられるたび、「息子が何かした?」とビクッとし、「子どもとセットで見る人には本来の私がわかってもらえない」と悩んだ。 マスクをしていると、外で知人と行き会ったとき、相手より先に気づくことができる。自分を理解してくれる人には、マスクを外してあいさつ