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ブックマーク / ttchopper.blog.ocn.ne.jp (57)

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 全地球凍結、について

    新書レビュー。 「99.9パーセントは仮説」と続けて読んだのが、「全地球凍結」(川上紳一)。 「縞々学」の川上伸一氏の手になるだから、きっと面白いと思って読んだら、やはり面白かった。 普通に読んでも面白いのに、直前に読んだ「99.9パーセント」のおかげで別の意味で倍は楽しめたかも。 内容はというと、最近よく聞く「スノーボールアース仮説」の研究の現場からのライヴなリポート。彼自身のフィールドについての話題もあるのだけれど、それ以上に、「7億年前、全地球の表面の水が凍結していた時代があった」という魅力的な仮説について、地球科学の研究者共同体がどのように受け入れ、あるいは、反発し、全体として、「真実」をたぐり寄せようとしているか、ということを、知的興奮がもたらす熱を持って語りかけてくれる。 スノーボールアースについてまとまったを読んだことがない人は、それだけでも一読の価値がある。なに

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 「99.9パーセントは仮説」について

    新書レビューです。 「99.9パーセントは仮説」(竹内薫)と「全地球凍結」(川上伸一)は、まったく違ったテイストの科学なのだけれど、続けて読んで妙に味わいがあった。 まず「99.9パーセントは仮説」。これは実は看板に偽りのある。内容に忠実に沿えば「100パーセント仮説」とか、「たしかなものは何もない」といったタイトルになるべき。 実際に「科学はぜんぶ『仮説にすぎない』」(33ページ)をはじめ、類似の表現がたくさんされていて、つまり、一般には「正しいことを述べている」と思われがちな、科学を相対化する言説に満ちている。 科学的理論が、仮説であるということ自体、むしろ当たり前であって、それを必ず「仮説である」と認識するところが科学のキモだと、ぼくは感じているのだが(たとえば、宗教はみずからの主張を仮説とは言わない)、どうも世の中には「科学は正しい」という信仰があるらしく、それに対して「

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 理科教育と非実在論・相対主義についての「続き」

    件の「キーワードで探るこれからの理科教育」で感じたのは、議論の素朴さなのだけれど、それを簡単にいうとこんなふう。 まず、「実在と非実在」をめぐる世の議論として、こういうふうな流れがあったとします。 (1)仮説を立てて実験したりしているうちに、分子や原子や電子というものがあれば、いろいろなことが説明できることが分かりました。それで、分子や原子や電子といったものも、実在だと思うようになりました(素朴実在論)。 ↓ (2)でも、まてよ、当に実在するのだろうか。目に見えないんだし、原子や電子なんて、理論上の「構成物」なんじゃないだろうか(素朴非実在論) ↓ (3)とはいっても、それをいったら目に見えるものだって実在しているのか分からないわけで、まずいんじゃないの。我々の日常生活だって危うくなるし、なにもかもが「構成」なら科学がこうも「成功」していることも説明しにくい。やっぱり、実在と言

  • リヴァイアさん、日々のわざ: ゲーム脳の話題から逃れられないのか

    子どものスイミングスクールに行って、待ち時間に子どもたちの会話が耳に飛び込んでくる。 DSをいじりながら、 「やばっ、ゲーム脳になっちった」 「よし、ゲーム脳覚悟でやるぜぃ」 なんとかかんとか。 言っている子は小学校の高学年。 まいったね。 思わず、聞いてしまう。 ゲーム脳って何か知ってるの? 最近の子どもは、知らない人が話しかけてきたら自動的に用心するように教育されているので、コミュニケーションがなかなか大変。 でも、なんとか語り合い、「ゲームが終わっても音楽が頭の中でなりやまないのがゲーム脳」ということを聞き出す。 なるほど、それはリアリティがある。 たしかに、ゲームを長時間した後で音楽が耳についてなりやまなくなる現象ってぼくは経験したことある。 あれを毎日やってると、体に、心に、悪いんじゃないかと言われると、なんかそんな気もしてくる。 この子たちは、聞きかじった

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 理科教育に入り込んだ(?)、「現代の科学観」という名のトンデモ

    物理学会でのシンポジウム「『ニセ科学』とどう向き合っていくか?」の最初の演者、田崎晴明氏の講演pdfを読む。たぶんkeynoteで作られたプレゼンファイルをpdf化したもの。 リンク: Symposium at JPS meeting Sprin 06田崎晴明pdf. その中で、衝撃的だったのは、「キーワードから探るこれからの理科教育」(日理科教育学会)からの引用。極端な相対主義が理科教育の現場に入り込みつつあるひとつの例としてあげられているのだが、それにしても目を疑った。 引用です。 「物質が客観的事実として原子や分子という実在から成り立っている」ということを直接的に述べているのではなくて、「原子や分子という理論的構成物の存在を仮定して物質という世界の成り立ちを考えてみる」という一つの世界理解の仕方であるということを示している。……ここで重要な観点は理科でも取り扱われるさまざまな科学

    zonia
    zonia 2006/04/15
  • リヴァイアさん、日々のわざ: 殴り合う男と女

    スーパーの前で、若い男女が殴り合っている。 色恋沙汰? 男が逃げる。女が追う。 「強盗とかじゃないよね? 強盗なら追うけど」と言うが、「違います!」ときつくいわれる。 十分後……。 いきつけの内科医にもらった処方箋でアレルギーの薬をもらったりして家に帰ろうとすると、さっきのカップルが歩いている。 今度は女が男に追いすがるようであり、また、男は女の気で蹴り、地面に蹴り倒す。 おいおい、さすがにそれはちょっと。 声をかける。 女は、「いいんです、納得してされたことだから」と言う。 それはいかんとぼくは言う。 ぼくらは暴力はいかんという社会に生きているわけで、きみが彼に頼んだとしても、彼がきみを殺せば殺人罪で、きみを傷つければ傷害罪だ。 きみだけがなっとくしていていも、まわりには迷惑だと諭す。 男はなにもわかっていないのにああだこうだいわないでほしいという。 おれだって、こいつと付き

    zonia
    zonia 2006/04/12
    なんちゅーか、言葉は無力すぎる。
  • リヴァイアさん、日々のわざ: 「脳内汚染」が大宅賞の候補になっていた

    リンク: 文藝春秋|各賞紹介|大宅賞. 日、選考会だそうです。 選考委員は、猪瀬直樹・関川夏央・立花隆・西木正明・藤原作弥・柳田邦男の各氏。 ちなみに柳田氏は、「脳内汚染」を読んで、「学校からパソコンを追放せよ」と主張しており、強力プッシュするのだろうなあ、とげんなり。

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 「動物園にできること」一ヵ月

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 世田谷ゲーム講演について、ブログ内のリンクをまとめます

    ようやく一段落したので、「後から来た人」のためにまとめておきます。 ぼく自身もこのURLをひとつ示せばよくなるので、便利だし。 最初は、学校の保護者会で、担任の先生がゲーム脳について注意を喚起したところからはじまり、ぼくが「火の粉を払う」(払いきれなかったけれど)ためにした諸々のこと。 もっと詳しく読まれる方は、カテゴリをたどってくださいませ。 それでは、以下、まとめ。 リヴァイアさん、日々のわざ: とうとうゲーム脳が来た!. まず、学校の保護者会で、古い「ゲーム脳は怖い」という新聞記事が配られました。びっくり。ほんと、「ゲーム脳」については、そのトンデモ具合の認識はしていたけれど、まさか自分と関係することがあろうとは……。 「ゲーム脳」について先生に手紙を出す. これについて、担任の先生に手紙を書いたけれど、返事はなし。この時点では、まだ、先生がたまたまゲーム脳を知って、危機感を

  • リヴァイアさん、日々のわざ: ゲーム脳講演をめぐって、区との意見交換・要望をしてきた

    この前の月曜日@世田谷区役所。 出席者は、小池健康づくり課長、平井教育委員会事務局・スポーツ生涯学習課長、そして、今回の件で実働した保健師さん二人。 まず最初に、区による総括。 まだ表には出ていないアンケートなどの集計結果を見せてもらう。いちいち数字などメモらなかったけれど、こういうものの常で、講師に好意的な意見がほとんどだった。「非常によかった」「よかった」が大多数を占める。 また、「非常に納得できる話だった」「子供にゲームをさせる危険性がよくわかった」というような評価が多数よせられていた。その一方で、「業者や反対の人がいたのが残念」という意見も17件あって、かなり上のほうだった。なぜ、これだけ数字を覚えているかというと、ぼくも「業者」に見えたんだろうなあ、とちょっと凹む気分があったから。 講演後の電話による反響は一件のみ。森氏を批判する内容だったとのこと。ちなみに、普通、講演

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 科学哲学って……評判悪い!

    ゲーム脳講演の総括・意見交換のために、区役所に行ってきたのだが、ちょとそれは置いておいて電車の中で読んでいた「科学における社会リテラシー3」(総合研究大学院大学)のこと。このブログにもちょくちょく書き込んでくださる津田敏秀氏の「疫学入門——疫学的方法論と因果推論」を読んでいて、ふと感じたこと。 津田氏は、この論考(講義を採録したもの)の中で、科学哲学の重要性を説く。それは、ヒュームが提起した、因果推論の不可能性をいかに克服するかという点で、科学哲学が唯一、真剣かつプラクティカルに「救う」方法を考えてきた、という部分での「科学哲学」についての重要性だ。 現場の研究者にしてみれば、彼らの(研究者の)探求の方法は「成功」しているのだから、それでいいのかもしれない。しかし、なぜ、それで成功するのか知りたくなる者がいても当然ではあるし(科学史・科学哲学のはじまり、ということです)、疫学のように、

  • リヴァイアさん、日々のわざ: ゲーム脳講演についての総括、マイナス1

    さて、明日、ゲーム脳講演についての総括、および意見交換のために、世田谷区に行ってくるので、ちょっとばかりメモ。 まず、今も気になっていること。 森氏の講演の中で引用された日青少年研究所(http://www1.odn.ne.jp/youth-study/)の「高校生の友人関係と生活意識——日アメリカ中国韓国の4カ国比較」、実は、森氏が見せた部分は都合のよい部分だけで、かなり、「ゲーム脳理論」とは逆の部分もあると認識しているのか。トリビアルなことではあるけれど、分かりやすい部分ではあって、「自説に都合のよい数字のつまみい」を指摘しておこう、と。 と同時に、今も出典が分からない、久保田競氏の「ゲーム礼賛発言」(ゲームは脳に悪いことはありえず、むしろ良いと断言する内容)も、出典が確認できれば、と。 こういったことは、たまたま関わってしまったがゆえに、正確に知っておきたいと思って

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 目下、全員参加の学童保護者会を「脱退可能」なものにしたいのだけれど、いかがなものか

    学童保育の保護者会(父母会と呼ばれているものが多いけれど、ここではぼく自身のこだわりに従って保護者会とします)には、年に一度だけ総会があって、毎年、会則を書き換えるような大きな事案はそこで話し合われる。 今年は、「脱退条項」を付け加えるように提案しているのだけれど、いつきが悪い。 このブログを見てくれている人の中にも、学童やPTAにかかわる人が多いと思われ、ぜひコメントをいただきたし。 その前に歴史的ないきさつから説明すると…… 学童の保護者会というのは、もともと、学童保育所を運営するために結成されたものだった。だから、学童保育所に子供を預けるということは、まず保護者会に入って運営に参加するということでもあった。今でも、ぼくが知る限り神奈川県では、保護者会運営の学童はかなり多いようだ。でも、世田谷区はかなり前に、行政サービスとして区が引き取った。 そこで、保護者会というのは、以前の

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 三月のうちに一段落を……

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 健康増進法は良い法律である。分煙を支持してくれている意味においては

    健康増進法とは良い法律である。 少なくとも、公共の場所の分煙をはっきりと推進しようとする条項においては。 でも、いやーなことに気付いてしまった。 第二条にこんな条文があるのだ。 (国民の責務) 第二条 国民は 健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め生涯にわたって自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。 健康は、国民の責務であって、生涯にわたって努力しなければならないらしい。 困った。ぼく自身健康でありたいから、努力はする所存だ。しかし、法律で決められたくないよな。 このことを指摘してくれたのは、粥川準二さん(「資源化する身体」などの著者)。 この前の日曜日、科学ジャーナリストが集まって意見交換するような集いが会ったのだが、そこで粥川さんの発表を聞いた。粥川さんは、最近、明治学院大学の大学院に在籍していて、ちょうど修士論文を仕上げたところなのだ

  • リヴァイアさん、日々のわざ: ほかの自治体でのゲーム脳講演で困っている方。ご連絡くだされば「意見」くらい出しますよ。という宣言

    というわけで、ひとつだけ、今すぐできる宣言。 森昭雄氏は今後も、旺盛に講演活動をされる気配です。 世田谷区では二度とないようにしたいものですが、ほかの自治体ではきっとあるでしょう。 もしも、地元で森氏の講演会が行われ、何かアクションを起こしたいという方がいらっしゃれば、ご連絡ください。 世田谷での経緯とぼくの意見を書いた意見書を、その自治体に対して提出することくらいはできます。 とはいえ、当に大丈夫なのか世田谷……。

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 「わたしも検索をしていただきたい」と主催者は言った(世田谷区のゲーム脳講演リポート3)、追記あり

    3月6日の森昭雄氏の講演は、主催者の世田谷区健康づくり課、小池課長が「前置き」と、「結語」を述べ、森氏の講演や質疑応答はその間に挟まれる形式で行われた。そのあたりに区の姿勢がはっきりと見られるわけで、それについてのリポート、および、ぼく自身の感想。 できれば、一気にここまで書ければよかったのだけれど、通常業務の中で時間をひねり出しているのでご容赦を。 まずは前置きで、この講演の位置づけを述べた。 ふだんの保健指導業務(?)の中で、子供の発達とゲームの関係について悩みを聞く機会が多い。自分自身も家にゲーム機が7台あり、息子たちもゲームをしながら育ったから、その問題意識は理解できる。ならば、それについてのひとつの考えを紹介し、「一緒に考えていこう」という主旨。「あたりさわりのない前置き」であったと思う。 こういった態度って、「ニーズがあり、それに応える」ことは行政の仕事だから、そういう意

  • リヴァイアさん、日々のわざ: 「あなたの方がおかしい」と森昭雄氏に言われるの巻(世田谷区のゲーム脳講演リポートその2)。追記あり

    最後の質問にあてていただいた。どうやら手を挙げたのはぼくだけだったらしいが。 発言したのは「三種類」のこと。 (1)来場した方々へのお願い (2)森氏へのお願い・質問 (3)主宰者への質問 具体的には…… (1)来場者へ 森氏も講演中みずから認めていたように「ゲーム脳」には、懐疑的な声も多い。ぜひ、家に帰ったら「ゲーム脳」で検索し、自分で判断していただきたい。 (2)森氏へ お願い 「ゲーム業界からお金をもらっているほかの脳科学者と違い」、森先生は「科学者なので言わなければならないことは言う」、また、「多くの研究者に一緒に研究して欲しい」とのことなので、是非、ゲーム脳についての論文を、ちゃんとした専門雑誌に投稿していただきたい。そうしていただかいないと1000例ものデータがもったいないのみならず、ほかの研究者が否定するせよ肯定するにせよ、研究することができない。 質問 ゲー

    zonia
    zonia 2006/03/07
    お疲れ様でした。web上では(たぶん)多くの人が応援してますので、ご安心を。
  • リヴァイアさん、日々のわざ: 森昭雄氏の世田谷区講演リポート

    2006年3月6日午前10時より。世田谷区の区民ホールにて。 45分の予定を大幅オーバー、なんと1時間20分近く語り続ける大講演だった。結果、質問の時間は大幅圧縮。懸念された結果に終わりました。残念。 内容は…… ぼくは森氏の講演はこれが初めてであり(最後でもあると祈りたい)、森氏の語りは未体験ゾーンなのだが……「予想していたよりは」穏やかな話、ではあった。とはいえ、聞いていて頭が痛くなるところはたくさん。ノートに書き付けたメモをだいたい時系列に書き起こす。 まず、動物の脳の研究を19年間してきたと自己紹介。今の学部に移って動物実験ができないことになったので、自分で開発した脳波計で脳波を取りはじめた。最初は認知症のお年寄り。しばらくして、学生たちを被験者にして「ゲーム脳」を発見する。 ほどほどでやめようと思っていたが、笑わない子・切れる子どもが多いことに気付き、やめるにやめられな

    zonia
    zonia 2006/03/07
    京大の話のソースはいったい何処なんだろうか…。
  • リヴァイアさん、日々のわざ: さあ、いよいよ「ゲーム脳講演会」。

    あした、午前十時から十二時まで@世田谷区民会館大ホール。 ぼくもとりたてて「準備」はしていないものの、出席します。 許されれば発言もするつもり。 最寄り駅は、世田谷線の世田谷か松陰神社です。なにしろホールは1200人収容。 興味のある方は是非参加してくださいませ。

    zonia
    zonia 2006/03/05
    がんばれ期待age。