「狭義の強制連行」という造語は、1992年の『正論』の秦郁彦記事によって作られたとされる。吉見教授が「広義の強制連行」という造語を使ったのは、秦記事に呼応してのもの。 「狭義の強制はなかった」に関して - kmiura - 従軍慰安婦問題を論じる この秦氏によって、朝鮮半島における強制連行の加害証言であった吉田清治手記が否定されたことは、一部で有名だろう。 ただし、加害証言である吉田手記が発表されたのは、1990年代初頭に韓国から広く訴えられるより前の1980年代を中心としている。時間や場所に編集が加えられている*1ため歴史学においては採用しがたいが、あくまで独立した証言であって、後年の様々な調査や研究まで否定できるものではない。一つの証言として採用したとしても、せいぜい資料批判の精度に疑問符がつけられるだけだ。 一方で、吉田手記を否定した現地調査とは、老人クラブで5人の証言を得ただけにす