三連休初日、かねて予定していた妻の散骨を行った。葬式を家族だけの密葬で済ましていたので、妻の友人たちも参加できるセレモニーをやることにしていた。いわゆる四十九日のころでもあるし、季節的にもちょうどよい頃である。 妻は葬儀に関して無宗教を希望していたが、散骨の前に一度だけ、坊さんにお経を上げてもらいたいとも言っていた。そこで鎌倉の観光寺で、簡単な法要をお願いすることにした。受付で「水子供養ですね?」と明るく応対され、ちょっとひるみながら、いやその散骨前の法要を……と切り出すと、多少眉を顰められつつも、ちゃんと応諾してもらえた。 本堂の大きな観音様の前で、結構念入りに読経していただき、日常的意味の説教がかなり混じった説法を有難く受ける。人間の思惑を離れた、大いなる存在の元にやがて皆赴くことを忘れてはなりませぬ、はいはい、肝に銘じさせていただきます。法要終了後に振り向くと、ものすごい数の参拝者に