国内初となるプルサーマルの試運転が5日午前に始まった九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の3号機は同日午後11時7分、核分裂が連続して起こる「臨界」に達した。9日からタービンを連動させて発電を始め、5段階に分けて出力を最大まで上げていく。使用済み核燃料から核物質プルトニウムを取り出してリサイクルするプルサーマルは、国の検査を通れば12月2日にも営業運転に入る。 同原発3号機の中央制御室では5日午前11時、運転員が原子炉のブレーキとなる制御棒を炉心から引き抜く操作を始めた。プルトニウムやウランの核分裂によって上昇する炉内の温度や出力が計画通りかどうかを入念に計器で確かめながら、臨界に到達するまでは半日がかりだった。 九電によると、今後、経済産業省の原子力安全・保安院が制御棒の利き具合などを調べ、異常がなければ9日から発電を開始する。出力を30%から50、75、90、100%と、今月中