疑義のあったNature論文2本について、それ以上の調査はしないこと、Nature Articeについては取り下げ勧告が為されました。今後、研究不正を行った者に対する処分や再発防止策の検討が為されることになります。 21頁にわたる調査報告書は、きちんとした証拠を挙げつつ厳密な論理展開で不正を認定し、不服申立て者側の意見を退けていると思われました。この報告書の中で新たにわかった事実(日経BPの宮田氏による記事でいうところの「隠し球」)は、当該Nature Articleの原稿が、Cell誌、Science誌にも投稿されており、その査読評価プロセスにおいてすでに「電気泳動データの切り貼り」が指摘されていた、ということでした。それら投稿論文の原稿ファイルなどの物的証拠が提出されなかったために詳細は不明ですが、査読コメントがなぜ、2014年にNature掲載となった論文の原稿作成に活かされなかった