■生きる働く■ 作業台で文書を仕分けていた生徒が、1枚を片手で教員に差し出した。教員が「人に物を渡すときはどうするんですか」と尋ねると、生徒は両手で持ち直し、おじぎした。 福岡市博多区の市立博多高等学園は、軽度の知的障害がある100人が通う特別支援学校高等部。生徒の約2割に発達障害がある。社会に出て働くために必要な技能や生活習慣の育成に重点を置いている。長谷川雅寛校長は「登校するとまずタイムカードを押す。学校生活そのものが職業教育です」と語る。 生徒たちはこの日「作業学習」に取り組んでいた。「流通・事務」など4班に分かれて週2日行う。食品・接客班は実際に働くのと同様に、シフォンケーキやパンを作り、校内のカフェで販売する。発達障害児は「常識」を自然と身に付けるのが苦手とされる。繰り返しの訓練で、周囲と協力することや笑顔の接客など働く基本姿勢を学ぶ。 企業実習も3年間で1人7、8回行う。「働き
発達障害支援法 施行10年で見えた課題も 2015年04月18日(最終更新 2015年04月18日 10時36分) 法律ができることで、世の中の受け止め方も変わることがある。自閉症やアスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)といった発達障害も、その一つだろう。 他人の感情を理解するのが困難で、とっぴな行動を取る。じっとしておられず動き回ったり、読み書きが極端に苦手だったりする-。こんな症状の発達障害について内閣府の昨年度の世論調査で約9割が「知っている」と答えた。 発達障害者支援法の施行から今月で10年になる。以前は認知度が低く、福祉の対象から外れた「谷間の障害」とも呼ばれた。本人や家族も障害に気付かないまま社会で孤立する深刻なケースもあり、超党派の議員立法で制定された。 早期発見や学校教育、就労などでの支援を国や自治体に義務付ける法律だ。相談窓口の支援センターが
遺族側「一審判決は事実誤認」 警官取り押さえ死控訴審 2014年09月22日(最終更新 2014年09月22日 18時45分) 佐賀市の路上で2007年、知的障害があった安永健太さん=当時(25)=が佐賀県警の警察官数人に取り押さえられた後に死亡し、遺族が「警察官の行為は違法な公権力の行使にあたる」と佐賀県に約4200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が22日、福岡高裁(金村敏彦裁判長)であり、遺族側は請求を棄却した佐賀地裁判決について「障害の特性の視点を欠き、事実誤認がある」と主張し、破棄を求めた。県側は控訴棄却を求め、争う姿勢を示した。 2月の地裁判決によると、安永さんは07年、佐賀市南佐賀の国道を自転車で蛇行運転していた際、停止を求めた警察官に両手を振り回すなどして抵抗、警察官数人が手錠をかけるなどして取り押さえた後、搬送先の病院で死亡が確認された。判決は「取り押さえは
非行や家庭環境などを理由に、家庭裁判所の保護処分や児童相談所の措置によって、生活指導が必要とされた原則18歳未満が入所する。1998年の児童福祉法改正で教護院から名称が変更された。少年院が閉鎖施設で矯正教育を行うのに対し、開放された施設内の寮で集団生活し、職員が親代わりとなって立ち直りを支援する。全国に58施設(国立2、都道府県立50など)ある。多くの施設では、併設された公立小中学校の分校で授業が行われている。 (2013年3月27日掲載) 県立の自立支援施設 少年に穴掘り懲罰 無断外出などに 深さ2メートル超も 人権救済申し立てへ 非行少年らの立ち直りを支援する福岡県立の児童自立支援施設「福岡学園」(同県那珂川町)で、無断外出などをした少年に対し、「特別指導」の名目で直径1・5メートル、深さ2メートル以上の穴を掘らせるなどの罰を科していることが26日、学園などへの取材で分かった。児童
障害者虐待 人権守る理念の再認識を 2013年2月19日 10:38 カテゴリー:コラム > 社説 知的障害のある男性を椅子に座らせ、頭上の壁に貼った的に向けて千枚通しを投げ付ける-。一瞬、耳を疑った。事実なら、とんでもないことだ。 福岡県小郡市にある障害者就労支援施設の元次長が、そんな暴行容疑で福岡県警に逮捕された。現職だった昨年5月、施設内の作業場で起きた事件だという。男性にけがはなかった。元次長は「記憶にない」と容疑を否認している。 昨年10月に「(次長が)暴力行為をしている」との通報を受け、福岡県が施設を2回にわたり立ち入り調査した。 その結果、2010年夏ごろから、通所者の男性4人に暴力を振るっていた疑いがあるとして、施設を運営するNPO法人に改善を勧告している。同県警小郡署によると、施設職員や通所者の証言では、男性をエアガンで撃ったり、ザリガニのハサミで鼻を挟んだりする暴力
校区単位で短期里親 福岡市、心の安定に一役 2013年2月16日 00:21 カテゴリー:社会 九州 > 福岡 福岡市は新年度、保護者の病気などで一時的に親と暮らせない子どもを預かる「校区里親」事業を市内全小学校区で始める。同じ校区内の里親が養育することで、転校などを防ぎ、子どもの心の安定につなげたい考えだ。市によると、校区単位で里親の登録を促すのは全国初という。 里親制度は、児童福祉法に基づき、親と暮らせない18歳未満の子どもの養育を児童相談所が一般家庭に委託する制度。生活費や教育費などは国と市が負担し、里親には月7万円程度の手当が支給される。校区里親は、受け入れの目安が数カ月程度。子どもの生活費や教育費は国と市が負担、手当を支給する。短期間でも受け入れ可能な仕組みを新たに設けることで、里親の間口を広げる。 福岡市は2005年度からNPO法人と協力して里親制度を推進、04年度末に43
自民、いじめ対策を公約に追加 次期衆院選 2012年8月10日 12:40 カテゴリー:政治 自民党は10日、総務会を党本部で開き、次期衆院選マニフェスト(政権公約)最終案を了承した。大津市の中2男子自殺をはじめ、いじめが深刻な社会問題化しているのを受け対策を追加した。早期の衆院解散・総選挙に備えた選挙準備の一環だ。 いじめ対策は「学校教育全体を通じ規範意識(道徳)を徹底する」と明記。学校や教育委員会の隠蔽体質の是正を掲げた。 主要項目は5月の改訂案を踏襲。消費税は「当面10%」に引き上げるとし、増収分の使途は社会保障分野に限定し、年金や医療は現行の「社会保険制度」を基本に見直すとした。「天皇は国家元首」とする憲法改正の実現も盛り込んだ。
音声ブラウザ専用。記事本文とカテゴリナビへ移動するためのナビゲーションスキップです。 記事本文へ移動したい場合はこちらをクリックしてください。クリック! カテゴリナビへ移動したい場合はそのままお進みください。 淡々と読み上げられる21回目の有罪判決を、白髪頭をうなだれるようにして聞いた。被告人を懲役2年に処する-。 5日、福岡地裁の3号法廷。常習累犯窃盗の罪に問われた浅井実(79)=仮名=は、裁判官の高原正良(63)に「分かりましたか」と問われ、初めて顔を上げた。「年を考えて、本当に最後にしなきゃいけませんよ」。こう諭されても「はぁ」と答えるだけだった。 佐賀県に生まれた。小学校を出て、家業の自転車店の手伝いや建設現場で働いた。生活に困ると物や金を盗んだ。20歳すぎから刑務所と社会を行き来している。両親は他界、兄とも数十年、音信不通。調書で「天涯孤独の身です」と述べ、路上生活の根城にし
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く