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ブックマーク / drpooh.hatenablog.jp (39)

  • 条件整えば僻地もOK2 - Dr.Poohの日記

    前回のエントリでツッコミを入れた「検討会の調査だと医学生の多くも、給与など条件が整えば地方での研修も構わないと回答している」の件が気になったのでソースを当たってみました。ありがたいことにうろうろドクターさんのところで厚労省サイト内の資料が紹介されていたので,ここからデータを引用します。 資料2 臨床研修に関するアンケート調査について(PDF) 問9 あなたが初期研修を行う予定の病院(あるいは行っている病院、あるいは行った病院)を選んだ理由についてあてはまるもの全てを選択しその番号をお答え下さい(複数回答)。 僻地かどうかに関係なく,研修先を選ぶ基準についての質問です。元データは見にくいので,医学生の回答(複数回答,回答人数=4,003)の全体に対する割合をグラフにしてみました。項目は割合の高い順に並び替えています。 初期研修のプログラムや指導体制を理由に挙げる回答が上位を占めることが分かり

    条件整えば僻地もOK2 - Dr.Poohの日記
  • 医療行為と業務上過失致死 - Dr.Poohの日記

    奈良診療報酬詐欺:山被告と医師逮捕、患者出血死関連で - 毎日新聞 cache 県警は当初、生活保護受給者に心臓カテーテル手術をしたように装い、診療報酬をだまし取ったとする詐欺容疑で山容疑者らを逮捕。その後、不必要な手術で男性を死亡させた疑いが浮上し、傷害致死容疑での立件に向け捜査していたが、遺体が既に火葬されていたことなどから立証が難しいと判断。十分な技術や経験がなく、人的態勢も確保しないまま手術を行い死亡させたとする業務上過失致死容疑に切り替えた。 またまた患者死亡で医師逮捕 - ロハスメディカルブログ 容疑者の一人は別件での有罪判決を受け、また控訴中であるという事情はありますが、それと業過罪での逮捕は基的に別問題です。 また、医師として患者のために最善の努力をしたか否かという点については、特別な事情がなく、報道されている内容が事実であるとするなら、自分もまた医師の一人として思う

    医療行為と業務上過失致死 - Dr.Poohの日記
  • 外来自己負担の増額は医療費を抑制しない? - Dr.Poohの日記

    米国高齢者の外来自己負担の増額で、入院が増加。 - 疫学批評 米国の65歳以上が加入する連邦政府の医療保険メディケアを運用し、2001−2006年に外来診療の患者自己負担額を増額した18医療保険組合と、増額しなかった18医療保険組合を比べたところ、増額から1年後に加入者100人あたりの外来受診件数は減ったが、入院件数、入院日数、入院者の割合はかえって増えた。論文はNew England Journal of Medicine 2010年1月28日号に掲載された。 原著論文はこちらです。 Increased Ambulatory Care Copayments and Hospitalizations among the Elderly - New England Jounal of Medicine 外来患者の自己負担を増額することで利用を抑制することはできたけれども,入院数,特に低所得者

    外来自己負担の増額は医療費を抑制しない? - Dr.Poohの日記
  • 後知恵批判への反論 - Dr.Poohの日記

    WHOが製薬会社と結託してパンデミックを煽ったとの批判があるらしく,それに対する反論が公式サイトに掲載されていました。 WHO、製薬会社と癒着?新型インフルで欧州会議が調査 - 朝日新聞 同会議保健衛生委員会の委員長で、感染症を専門とするドイツ人医師ボーダルク氏が「虚偽のパンデミック」との動議を提起したことが発端。仏リュマニテ紙のインタビューに「こんな厳戒態勢をとる正当な理由がない。WHO内のあるグループは製薬会社と癒着している」と、不透明な関係の存在を指摘した。 Statement of the World Health Organization on allegations of conflict of interest and 'fake' pandemic Providing independent advice to Member States is a very importa

    後知恵批判への反論 - Dr.Poohの日記
    AFCP
    AFCP 2010/01/27
    "強毒性ではなく健康な成人の大部分にとってさほど影響がなかったからいいという発想は,ワクチンによる集団免疫によってリスクが高い集団を守るという視点が欠落しています。"
  • 無理筋の行政処分 - Dr.Poohの日記

    厚労省が医師を敵にまわす時 - 木村盛世オフィシャルwebサイト これまで刑事処分の後追いばかりしていた厚労省医政局が独自の行政処分を強行するらしいという話です。もちろん建前では独自に行政処分を下していけないわけではないのですが,今回のは刑事訴訟で争われた事実からみても,どう考えても無理筋と思われます。医系技官の臨床医に対するコンプレックスも絡んでいるという指摘もあって,それもあながち外れてはいないんでしょうけど,なぜ今回だけ?というあたりどうも釈然としません。無理筋を押してまで独自の行政処分に固執するのは,なにかそういう「実績」を作っておきたい事情があるんじゃないかと勘ぐってしまいます。いずれにせよ,厚労省側の一方的な事情でひとりの医師の人生が弄ばれるようなことは到底許容されないと考えます。 関連サイト 一難去ってまた一難?! - ぐり研ブログ これは大変だ - ロハスメディカルブログ

    無理筋の行政処分 - Dr.Poohの日記
  • 刑事裁判と再発防止 - Dr.Poohの日記

    福島県立大野病院「事件」裁判の経過を見聞きする中で当方が理解したのは,医療事故の責任を刑事訴訟によって追及することは「真実」を明らかにすることに必ずしも繋がらないし,まして再発防止のために有用とはいえない,ということでした。 福島・大野病院医療事故:「裁判での解明不十分」 弁護団、再発防止へ報告書 - 毎日新聞 cache 有罪か無罪かの判断を目的とする刑事裁判では、再発防止の教訓をくみとることに限界があると結論付けた。 この結論を導き出すために時間をかけて独自の検証を行ったとのことですが,これは医療事故だからというよりは,裁判というしくみがもともとそうだからという以上の話ではないように思えます。当方のように法律に関しては専門外であればともかく,専門家の方にとってははじめから結論は自明ではなかったかと思うのですが,自明の結論であってもそれなりの「検証」という手続きを踏まなければならないよう

    刑事裁判と再発防止 - Dr.Poohの日記
  • 医師優遇税制と言っても - Dr.Poohの日記

    事業税優遇廃止案が浮上=開業医の診療報酬−来年度税制改正、政府・与党 - 時事通信 2010年度税制改正をめぐり、開業医の報酬に対する個人事業税(地方税)の非課税措置を廃止する案が政府・与党内に浮上してきた。政府税制調査会(会長・藤井裕久財務相)は租税特別措置などの優遇税制をゼロベースで見直す方針を掲げており、年末の税制改正の焦点の一つとなりそうだ。ただ、同措置の存続を求める日医師会(日医)などの反発は必至で、来年の参院選を控え与党内から異論が噴出することも予想される。 治療の対価として医療保険から医療機関などに支払われる診療報酬は、税制面で各種の優遇を受けており、個人事業主の所得の3〜5%を課税する事業税の非課税措置もその一つ。制度創設以来、開業医の事業所得に当たる診療報酬は非課税扱いが続き、50年以上、手付かずの状態となっている。 同措置については有識者らによる旧政府税調が課税の公平

    医師優遇税制と言っても - Dr.Poohの日記
  • 日本医師会も一蓮托生 - Dr.Poohの日記

    中医協から日医師会を排除 開業医より勤務医対策? - 産経新聞 長昭厚生労働相ら厚労政務三役は8日、診療報酬の具体的点数を決める中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)について、これまで3人いた日医師会(日医)の代表委員を全員排除する方針を固めた。 長氏らは、日医が開業医に有利な形で診療報酬改定に影響力を行使しているとみており、人員不足が深刻な勤務医対策を充実させることが狙い。日医の代表委員に代わり、自治体病院や大学病院の関係者らを委員に任命することを検討している。 中医協委員は慣例的に関係団体枠があり、日医がはずれるのは初めて。日医側の反発は必至で、来夏の参院選にも影響が出そうだ。 まあ政権交代すれば大方予想できた事態とは言えます。実際のところ中医協というのは厚労省官僚のお膳立てした政策を追認するための儀式になっているわけで,もしそのプロセスを「政治主導」によって改善で

    日本医師会も一蓮托生 - Dr.Poohの日記
  • 新たなる利権の誕生 - Dr.Poohの日記

    ssd先生のところで紹介されていた読売新聞の記事より引用。 医師確保票になる - 読売新聞 国会議員が医師不足に悩む地元自治体のため、医師確保に奔走するケースが出ている。医師の人数が限られる県内では確保が難しいため、公立病院を抱える自治体側も、東京など大都市とパイプを持つ国会議員を頼りにする傾向がある。医師確保はかつての公共事業のように、票に結びつく地元貢献の一つになりつつあるようだ。 国などとパイプもある国会議員でも、医師の確保は容易ではなく、自治体単独での医師の確保は不可能に近いと言えそうだ。北杜市の白倉政司市長は「産科医が全然足りず、市長になってから何度も厚生労働省に掛け合ったが、『足りている』の一点張りで話にならなかった」と振り返る。 県議の一人は「国会議員が医師を確保すれば、選挙の票にも結びつく」と指摘。打つ手がない自治体と、地元貢献をアピールしたい国会議員の利害が一致していると

    新たなる利権の誕生 - Dr.Poohの日記
  • 市場主義型医療と社会主義型医療 - Dr.Poohの日記

    イギリス医療はかつて社会主義型から市場主義型に向けて「改革」しようとして崩壊に至り,現在第三の道を模索している課程にあります。NHS内で診療ガイドラインを作成する業務に携わる著者は書で,現在イギリスが目指す「保健医療改革」について詳しく解説されています。だいぶ前に一度読んだのですが,今回改めて読み返してみました。 イギリスの医療は問いかける―「良きバランス」へ向けた戦略 作者: 森臨太郎出版社/メーカー: 医学書院発売日: 2008/12メディア: 単行購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (4件) を見る 第二次大戦後よりイギリスは社会主義的な国営医療でしたが(当方が中学の頃「ゆりかごから墓場まで」と教わりました),次第に巨大化・官僚主義化して能率が落ち,サービスが低下するといった弊害が目立つようになった結果,1980年代に入ってサッチャー政権下で市場主義を導入します

    市場主義型医療と社会主義型医療 - Dr.Poohの日記
  • 病院PFI成功に必要な5つの条件 - Dr.Poohの日記

    高知医療センター PFI解消協議へ - 読売新聞 民間の資金やノウハウを活用するPFI方式を全国の医療機関で初めて導入した高知医療センター(高知市)を運営する県・高知市病院企業団は16日、赤字体質の改善を目的に、経営業務を委託している特定目的会社「高知医療ピーエフアイ」と、PFI事業契約を解消する協議を始めることを決めた。「早期の経営改善につながる」との同社側からの提案を受ける形で、今後の協議で合意が成立すれば、企業団は2010年度からの直営化を目指す。 PFIといえば近江八幡市立総合医療センターがこの3月に契約解除したのが記憶に新しいところですが,もう一つの病院PFI事例である高知医療センターも契約を解除する方向で検討とのことです。とにかく経営状態が悪く,PFI側に運営費を払い続けるより契約を打ち切って違約金を払った方がましというひどい状況のようです。こうした報道を見ているとそもそも何の

    病院PFI成功に必要な5つの条件 - Dr.Poohの日記
    AFCP
    AFCP 2009/06/17
    "正直,このような条件を満たす自治体病院は,日本に存在しないであろう。"
  • 財務官僚から見たインフルエンザ問題 - Dr.Poohの日記

    新型インフル、予算面で新しい措置講じなくても対応可=杉財務次官 - ロイター 杉次官は、新型インフルエンザ対策について、1)抗ウイルス薬「タミフル」「リレンザ」は十分な備蓄を確保、2)十分な医療体制も整備、3)仮にワクチンを製造する必要が出てきたとしても、2009年度当初予算と補正予算で対応可能──などとして「現在のところ、特に予算面で新しい措置を講じなくても対応が可能だ」との認識を示した。 一方、新型インフルエンザが日経済に与える影響については、海外旅行の減少や海外経済の落ち込みによる輸出の減少、医療費の増加などを挙げ「今後も注意深く見守っていきたい」と語った。 財務省官僚としては医療や公衆衛生は管轄ではありませんから,あくまで財政政策における問題の一つという文脈なんでしょう。そう考えると国民の健康より先に財政への負担を心配するのも無理もありません。 とはいえ「十分な医療体制も整備

    財務官僚から見たインフルエンザ問題 - Dr.Poohの日記
  • 当直は時間外労働 - Dr.Poohの日記

    県立奈良病院の医師が時間外労働に対する賃金の支払いを求めた訴訟の地裁判決が昨日出ていました。救急の受け入れや緊急の対応を行っている当直は時間外労働であり割増賃金を支払うようにという判決とのことで,至極当然だと思います。 医師の当直勤務は「時間外労働」、割増賃金支払い命じる判決 - 読売新聞 同病院産婦人科には当時、医師5人が所属していた。平日の通常勤務以外に夜間(午後5時15分〜翌朝8時30分)、休日(午前8時30分〜午後5時15分)の当直があり、いずれも1人で担当。労基法上では、待ち時間などが中心の当直は、通常勤務と区別され、割増賃金の対象外とされる。そのため、県は1回2万円の手当だけ支給していた。 判決で、坂倉裁判長は、勤務実態について「原告らの当直は、約4分の1の時間が、外来救急患者の処置や緊急手術などの通常業務」と認定。待ち時間が中心とは認められないとして、労基法の請求権の時効(2

    当直は時間外労働 - Dr.Poohの日記
  • 医師「宿直」問題というパンドラの箱 - Dr.Poohの日記

    いつも拝見している産科医療のこれからで参議院厚生労働委員会での質疑の模様が紹介されていました。最後の方から引用(一部体裁を変更)。 梅村聡議員(51:01) (前略)これによることでパンドラの箱をあけることになるかもしれませんけれど、いままさにここに切り込まないと、国民負担の問題にもつながってこないんです。医療費を増やすということにもつながってこないんです。ですからここは労働基準局からいうと今の制度の中でのしくみということを仰られますけれど私はここは勇気を持ってパンドラの箱を開けて議論をする時が来ていると思いますが、それに対して舛添大臣が取組むつもりがあるのか、そのパンドラの箱を開ける決意がおありになるのかどうか、最後にお答えいただきたいと思います。 舛添厚生労働大臣(54:47) 先ほど申しあげましたように、一人の人間が旧厚生省と旧労働省を大変な仕事ですがやっていることの意義がそこにある

    医師「宿直」問題というパンドラの箱 - Dr.Poohの日記
  • 勤務医のための労務管理 - Dr.Poohの日記

    病院・診療所のための労務管理―これだけは知っておきたい労働法の知識 出版社/メーカー: 労災保険情報センター発売日: 2009/04メディア: 単行購入: 2人 クリック: 45回この商品を含むブログ (1件) を見る 開業して自分が雇用者使用者の立場になったのを契機に買ってみたのですが,院長クラスの年配医師を想定して書かれたためか,とても簡潔で分かりやすいです。こういうはむしろ自分が勤務医の時に読んでおくべきだったと少し後悔しています。 例えば三六協定なしで時間外・休日労働をさせることができるための要件として必要に応じて労基署長の許可を得るとありますが,このではこのように解説されています。 病院・診療所においては,急病人の発生や事故など予期しない業務が発生した場合,三六協定が締結されていなかったり,三六協定の範囲を超えたりする場合には,この方法により対応することができます。ただし,

    勤務医のための労務管理 - Dr.Poohの日記
  • 東京女子医大事件高裁判決 - Dr.Poohの日記

    東京女子医大事件高裁判決が報じられています。紫色の顔の友達を助けたいの佐藤先生には当にお疲れ様でしたと申し上げたいです。 人工心肺担当医、二審も無罪 東京女子医大女児死亡事故 - 朝日新聞 判決は、死因について、脱血管の位置不良などにより、送血が続けられているのに相当な時間にわたって脱血がうまくいかず、頭部に血がたまった可能性が高い、と指摘。「佐藤被告による人工心肺装置の操作に起因するとは認められない」と検察側の主張を退けた。 人工心肺誤操作の元東京女子医大医師、2審も無罪 - 産経新聞 中山隆夫裁判長は、無罪とした1審・東京地裁を支持、検察側の控訴を棄却した。 朝日新聞の記事によれば,高裁は佐藤先生の操作と患者さんの死亡のあいだに因果関係も認められず,予見することも困難だったと判断したようです。とすると産経新聞の「人工心肺誤操作」という見出しは明らかに不適切ですが…。なぜか記事文でも

    東京女子医大事件高裁判決 - Dr.Poohの日記
    AFCP
    AFCP 2009/03/27
    "出そろった各紙記事を比べてみると,やはり産経新聞だけ異質ですねえ。"
  • 東京都の迅速な対応 - Dr.Poohの日記

    愛育病院の続報です。 「愛育病院は厚労省と調整へ」−東京都が見解 - ロハスメディカル 恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が総合周産期母子医療センターの指定を返上するとの意向を東京都に伝えていた問題で、東京都福祉保健局医療政策部の室井豊救急災害医療課長は25日夜に取材に対応し、愛育病院側と協議の場を持ったとした上で、「病院側は法律の解釈について厚生労働省と相談し、調整していくということになった」と話し、病院側が総合センターの継続に前向きな意向を示しているとの見方を示した。(熊田梨恵) 総合周産期センター指定、愛育病院が返上の打診を撤回 - 日経新聞 東京都港区の愛育病院が「総合周産期母子医療センター」の指定返上を都に打診した問題で、同病院の中林正雄院長は26日、報道陣に「都から返上の必要はないと言われた。その判断に従う」などと話し、センターとして指定を受け続ける考えを示した。事実

    東京都の迅速な対応 - Dr.Poohの日記
  • 愛育病院に労基署が是正勧告 - Dr.Poohの日記

    ロハスメディカルに速報が出てましたが,話の成り行き次第では大事になりそうな予感がします。 東京都港区の恩師財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が今月、所管の三田労働基準監督署から、医師など職員の労働条件に関して、36協定を締結していないことなどを理由に、労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが分かった。最悪の場合、業務停止命令が出されるという。同病院は、秋篠宮紀子様が悠仁親王を出産されるなど、条件の恵まれたセレブ病院として知られている。また、1999年には東京都から総合周産期母子医療センターの指定も受けている。他病院に比べて労働条件に恵まれた同病院さえ是正勧告を受けたことで、周産期医療界に激震が走っている。 厚労省(のうち旧労働省担当)は労働基準法を逸脱した労働環境を認識したうえで,労働基準法を遵守させるだけで解決するのは難しいと仰っていた記憶があるのですが…。昨年7月の朝日新聞の記

    愛育病院に労基署が是正勧告 - Dr.Poohの日記
  • 医師の「自発的」な強制配置 - Dr.Poohの日記

    強制配置論を考える - 新小児科医のつぶやき 結局のところ配置の主導権は医師による自治を表面上取り繕いながら、実質は行政主導の強制配置が可能になる構図です。上記したように研修医の意思は真っ先に消去されています。こういう提案が医師を代表する機関と行政が認定している日医から出るのが大事な点で、行政は「医師側からの提案」として大威張りでこの案を断行できる事になります。 「強制ではなくあくまで自発的に働いているだけ」という建前をとりつつ医師を駒として実質強制的に配置するというのは目新しい話ではなく,大学医局が僻地病院に医局員を「派遣」する際にも用いられる手法です。「自発的」という建前があるからこそ労働基準法を無視した勤務形態が維持できるわけで,そう考えると医師の人権なんてものは昔から「公共の福祉」の名の下に制限されていたといえますね。 今回は行政と現場のあいだに日医師会が一枚噛んできたということ

    医師の「自発的」な強制配置 - Dr.Poohの日記
  • 腹水穿刺を行う意味 - Dr.Poohの日記

    個別の事例については得られた情報が偏っている可能性が高いため,憶測で議論するのは避けておきます。肝硬変の患者さんに対する腹水穿刺についてはすでに多くのブログで解説されているので今更なのですが,あくまで当方なりのまとめです。とはいっても当方自身開業して2年近く穿刺からは離れているので,間違いがあったり認識が古い点があればご指摘ください。 一般に肝硬変の患者さんで腹水がたまるというのは病状がかなり進行していることを意味します。はっきり言えば肝不全による死に近い状態ということです。腹水(に限らず肝硬変が進行して現れるさまざまな症状)は元を辿れば肝臓そのものが硬く縮んでしまい機能が落ちていることに由来しますから,肝移植によって肝臓を取り替えることを除いて,行われる治療は基的に対症療法といえますし,肝臓の機能が落ちている以上その効果は一時的に過ぎません。むしろ治療により肝臓に負担をかけて病状が進行

    腹水穿刺を行う意味 - Dr.Poohの日記