昨年11月11日、内閣府の行政刷新会議による「事業仕分け」が行われ、見直し項目の中に医療用漢方製剤を含めたOTC類似薬の“保険外し”が盛り込まれ、日本東洋医学会など関連団体、漢方薬メーカーの猛反発が国民的な署名運動に発展する事態となった。漢方薬の保険外しは、かねてから財務省の標的にされてきた経緯があるが、漢方医療の推進を掲げる民主党が、事業仕分けという場で再び保険外しを持ち出したことに、大きな衝撃が広がった。ただ、最終的に集まった92万通以上の署名を背景に、民主党など与党3党が12月17日、政府へ提出した予算要望で、漢方薬の保険適用継続を求め、事態は収束に向かいつつある。特に今回の動きで注目されるのは、9万5000通以上が集まった電子署名の盛り上がりだろう。インターネットの巨大掲示板、会員制SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ミニブログなど、電子媒体を通じた「ネット市民」によ
国立成育医療研究センターは、未だ十分に存在していない小児用剤形の開発に道筋をつけるため、臨床研究開発センターに「小児用製剤ラボ」を立ち上げ、本格稼働させた。厚生労働省の未承認薬等検討会議により、小児適応の取得は大きく進展したものの、剤形開発は製薬企業の採算性の問題から進んでおらず、薬剤部で院内製剤を調製したり、錠剤を粉砕して投薬しているのが現状。こうした状況を打開するため、剤形変更が最も多く行われている品目等に着目。製剤ラボにおいて不足している薬物動態データを取得したり、実際の剤形を試作する等の支援を行うことで、製薬企業に小児用剤形の開発を促していく。 小児用医薬品が不足している日本では、有効性・安全性が確立されていないにもかかわらず、日常的に適応外使用を行わざるを得ないことが大きな問題とされてきた。小児適応がなく、用法・用量に関するエビデンスも存在せず、投与する剤形も存在しない。こうした
厚生労働省は5月31日付で薬事・食品衛生審議会医薬品部会の報告品目5成分8品目を薬価基準に収載した。内用薬は注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬の「ストラテラ」の高用量製剤、高リン血症治療剤「ホスレノール」と胃酸分泌抑制剤「アルタット」の新剤型など3成分6品目、外用薬はアレルギー性鼻炎治療薬「エリザス」の新規格、更年期障害等による血管運動神経症状の改善薬「ル・エストロジェル」の2成分2品目で、注射薬はなかった。 ストラテラ(日本イーライリリー)は、これまで25mg製剤までしかなかったが、今後のAD/HDの成人適応も視野に入れて40mg製剤を追加。規格間調整で算定した。 ホスレノール(バイエル薬品)は、既存のチュアブル錠と同用量の顆粒剤を加え、歯が悪い患者でも服用しやすいようにした。類似薬効比較方式Iで算定した。 アルタット(あすか製薬)は細粒剤を追加すると共に、事故防止の観点から既存の
厚生労働省は、ヤンセンファーマの小児期注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「コンサータ錠」(一般名:塩酸メチルフェニデート)について、18歳未満から使用している患者に限って、18歳を迎えた後の使用を認める添付文書の改訂を26日付で通知した。薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会が差し支えないと判断した。 コンサータ錠については、成人に対する国内第Ⅲ相試験が行われているが、今回は、小児期に使用経験のある患者のみ、成人期の使用を解禁する。 添付文書では、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に投与すると共に、定期的に有効性と安全性を評価し、有用性が認められなければ中止するなど、漫然と投与しないよう求める。
厚生労働省は、日本イーライリリーの注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「ストラテラカプセル」(一般名:アトモキセチン塩酸塩)について、18歳を過ぎても継続使用できるよう添付文書を改訂する方針を固めた。 同剤は、小児のAD/HDを適応症とする世界初の非中枢神経刺激薬。脳内の前頭前野でノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで、AD/HDの中核症状である不注意、多動性、衝動性を改善する。適用は18歳までに限定されている。 今回の対応は、18歳までに使用していた患者が、引き続き服用することを可能にするもので、18歳を超えてから発症した場合には使用できない。ただし、成人を対象とした治験が現在進められている。
薬事・食品衛生審議会薬事分科会は、治療抵抗性統合失調症の治療薬「クロザリル錠」(ノバルティスファーマ)を審議し、承認を了承した。このほかジルテックドライシロップ(ユーシービージャパン)、ミコンビ配合錠(日本ベーリンガーインゲルハイム)など今年1、2月開催の医薬品第一部会、第二部会承認による報告品目の新薬や効能追加なども了承した。併せて生物学的製剤基準の一部開催、希少疾病用医薬品の指定、日本薬局方の一部改正、生物由良原料基準の一部改正、ジクロフェナクナトリウムのスイッチOTCなども報告、了承された。 「クロザリル錠25mg、同錠100mg」(ノバルティスファーマが製造販売)の有効成分はクロザピン。治療抵抗性統合失調症を効能・効果とする新有効成分医薬品。1970年代に死亡例が出たため開発、承認が中断されていたが、患者モニタリング制度の導入など、サリドマイドに準ずる厳しい監視体制を承認条件として
関連検索: 厚生労働省 新薬 薬価収載 ■「レグパラ」に有用性加算I、コンサータなどは原価計算 厚生労働省は新医薬品9成分16品目を、14日付で薬価基準に追補収載する。内訳は内用薬6成分11品目、注射薬3成分5品目。12日の中央社会保険医療協議会総会で、薬価算定組織の報告が了承された。今回は、コンサータ錠とアラノンジー静注用が、他に類似薬がないため原価計算により価格が決められたほか、レグパラ錠に有用性加算I、タルセバ錠とEOB・プリモビスト注シリンジに有用性加算IIが適用された。 原価計算されたコンサータ錠18mg、同27mg(ヤンセンファーマ)は、塩酸メチルフェニデートを成分とする精神神経用剤で、小児期における注意欠陥/多動性障害が新効能として追加される。企業が予測する患者数と販売金額は、初年度が1万3300人で3億円、ピークの6年目が2万4700人で33・3億円。 代謝拮抗剤のアラノン
日本医師会は7日の定例記者会見で、医療提供体制の国際比較についての調査・分析結果を公表した。それによると、日本の経済力から判断すると、医師数は非常に少なく、1人当たりGDPが一定水準にある国の中で、1000人当たり医師数は日本が最下位だった。日医は、経済力にあった社会保障制度にするため、国へ医療資源確保の財源的手当てを検討することを求めた。 調査では、(1)経済力(GDPを指標とする)からみた場合に、日本の医療資源が本当に過剰であるのか(2)高齢化に対応した医療提供体制が整えられているのか�”�”を検証する目的で調べられた。方法は、「OECDヘルス・データ2006」を用いて、1996年、04年の医療提供体制と総医療支出(国民医療費に介護保険サービス費、健康・予防にかかわる費用、管理コスト等を加えたもの)などを、OECD加盟国(日本を含めて30カ国)間で比較した。 分析によれば、日本の対GD
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