相互貸借サービスのコスト−誰がどのくらい負担するか−近年,図書館サービスへの課金の問題が様々に議論されている(CA805参照)。最近ではとりわけオンラインデータベース検索サービスと相互貸借(ILL)サービスの2つに焦点が絞られる。「無料サービス」を伝統としてきたアメリカの公共の図書館においては,有料サービスの是非もさることながら,発生したコストを誰がどのように負担すべきかが問題となっている。 相互貸借を依頼して貸出館から料金を請求された場合,負担するのは借りる側の図書館か,資料をリクエストした利用者か,のどちらかになるが,研究図書館協会(ARL)による1992年のILL調査によれば,回答館のうち利用者に直接支払わせた図書館は18%に過ぎず,残りの図書館は請求された料金の全額もしくはその一部を負担していた。しかし,相互貸借サービスに要するコストは全般的に上昇する傾向にあり(1992年の時点で
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