野田佳彦首相は、毎週金曜日に首相官邸前で行われている原発再稼働への抗議デモについて「多くの声をしっかりと受け止めていきます」と述べている。しかし、原発問題は自民党政権時代の「負の遺産」との思いが強いようだ。6月29日のデモに関して「大きな音だね」と周囲に語ったことは、まさにそうした心境を表している。 Reuters 原発問題は野田首相にとって今なお「自民党政権の負の遺産」との思いが強い この発言が批判されたことから、反対意見にも耳を傾ける姿勢を示すようになったが、「首相に反対意見を受け入れる考えは現時点ではない」とある政府関係者はみている。 原発の開発については1950年代半ばから議論が始まり、自民党の長期政権下で推進されたことを考えると、野田首相の言い分も理解できなくはない。しかし、2009年8月の総選挙で政権を奪取してからすでに3年近くたつ。国家には継続性があるのに、今もなお自民党政権