筆者は、日本経済の現状が、バブルの立ち上がりの時期であった1986年頃に似ていると思っている。前年の85年には先進国がドル安で足並みをそろえた「プラザ合意」に伴う円高があり、日本の成長は鈍化した。この状況に日銀は合計4回の公定歩合引き下げを伴う金融緩和で応え、経済の回復はゆっくりだったが、株価は、当時の言葉で言う「カネ余り」を背景に急上昇した(日経平均は4割以上がった)。 円高→不況→金融緩和→株価上昇という「ここまで」の流れが似ていることのほか、「近い将来」も似る可能性がある。 87年には、米国で「ブラック・マンデー」と呼ばれた株価大暴落が起きた。日本株もこの影響を受けたが、世界の景気を冷やさぬために日本は内需拡大が必要だとして、翌88年も含めて金融緩和が継続された。日経平均は、87年に15%、88年に39%上昇して、株価は本格的なバブルのコースに入った。 今後の日本の金融政策を考