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  • カバノー新最高裁判事をめぐるスキャンダルから学べること - 山猫日記

    引退を表明したアンソニー・ケネディ氏の後任の米国連邦最高裁判事としてブレット・カバノー氏(53歳)が承認されました。ケネディ氏は保守派ではありましたが、どちらかというと穏健派。保守とリベラルで意見が割れる際にはリベラル側につくこともあり、多数決の帰趨を左右するような浮動票の役割を果たしていました。反対に、カバノー氏はバリバリの右派です。今回の人事で、最高裁は保守派多数が決定づけられました。 性的暴行疑惑 今回カバノー氏に関しては、36年前の事件の告発がニュースとしてもちきりになりました。ある女性教授がはじめは匿名で、その後は顔を出して証言をして彼の暴行を告発したのです。何せずいぶん昔のことですから、証拠立てをすることはほぼ不可能です。しかし、最高裁判事の任命はなんとしても避けたい、というのが女性教授の思いだったようです。 メディアと政界はこの問題を連日激しく論じてきました。当然、過去の彼の

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    Baatarism 2018/10/09
  • LGBT差別や偏見の「理由は何でもよかった」のではないか - 山猫日記

    『新潮45』に寄稿した杉田水脈衆議院議員のLGBTをめぐる意見が話題になっています。これまで、お上目線や自己責任論で福祉行政を語る保守派の政治家はたくさんいましたが、お上にはそれなりの威厳や打ち出しの高さも必要ですから、それとは毛色がだいぶ違うなという印象です。 かつて、「弱者認識の奪い合い」というブログ記事を書いた私ですが(『日に絶望している人のための政治入門』文春新書、2015年に収録。)、最近のこうした言動などを見るに、かつてそこで述べた通り、保守が節度を失って弱者認識の奪い合いに格参戦した結果の影響が大きいことを感じます。 当該寄稿の内容は、すでに報道されている通りですが、大筋は婚姻やパートナーシップ制度をめぐる公的な支援を同性カップルに関しては退けようとする論考です。同性婚や同性パートナーの行政による制度化に保守が反対するというのは珍しい話ではありません。現に、日では同性婚

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    Baatarism 2018/07/27
  • トランプ大統領が打ち出した「お互い様」のロジックー米露首脳会談批判の検討 - 山猫日記

    米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領が、フィンランドのヘルシンキの大統領公邸で会談を行いました。日のメディアでは、会談に遅刻した上に終始硬い表情だったプーチン大統領とのあいだで、トランプ大統領が関係改善に向け働きかけを行ったというトーンで報道がされています。 けれども、そんな日の報道トーンとは異なり、米国政界とメディアは大騒ぎです。まず、そもそもトランプ大統領はプーチン大統領に会うべきでないという意見が民主党の議員やリベラル寄りの論客、アンカーの間では多数を占めていました。エリザベス・ウォーレン議員もさっさと引き返せという意味のツイートをしています。しかも、今回ばかりは保守系のFOXニュースのコメンテーターや共和党政治家にさえ批判的意見が出てきました。 2016年大統領選の際におけるロシアによる選挙介入(メールのハッキングやSNSを使った意見誘導工作)に関し、会談前に連邦大陪審

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    Baatarism 2018/07/19
  • 米国の勘違い―都合の良い同盟と覇権秩序 - 山猫日記

    同盟ただ乗り論のいま トランプ政権による北朝鮮の金正恩委員長との交渉が連日ニュースをにぎわす中で、ここしばらくの報道で浮かび上がってきたトランプ政権の東アジア観と、米韓同盟、日米同盟のリアルを考えてみたいと思います。 米国では、つい先日トランプ大統領が、金融規制緩和法案の署名の際、朝鮮半島有事の際は米軍の作戦行動の大部分の費用を韓国と日が負担することになっていると発言しました。その報道を受け、日国内では「当なのか?」といった驚きが飛び交っていますが、そのくらいは十分ありうるだろうというのが正直な感想です。湾岸戦争の時も日は戦費を負担していますが、そのときは自国の安全保障に直接は関わらない戦争でした。今回は、そのような戦争が起これば日も必然的に巻き込まれざるを得ず、直接の軍事行動には加わらない身として、戦費負担も当然要求されることになるでしょう。アメリカからすれば、日韓の安全保障の

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    Baatarism 2018/06/01
  • 朝鮮半島をめぐるグレートゲーム - 山猫日記

    ピョンチャン五輪 ピョンチャン五輪が開幕しました。4年に1度の機会を目指して真摯に競い合う選手達の存在の裏で、朝鮮半島をめぐる政治戦が盛り上がっています。それは、かつて帝国主義の時代に、大国達が様々な思惑で特定の地域に関与したグレートゲームを彷彿とさせるもの。舞台の中心で踊っているのは、五輪のホスト役でもある韓国の文在寅大統領です。 まずはピョンチャン五輪を通じて南北融和ムードを盛り上げるために、国際社会が強めている北への圧力をあっさりと弱めました。それは、韓国政界における進歩派勢力の従来からの考え方であり、融和姿勢を通じて北朝鮮の行動変革を促すという太陽政策へ回帰する流れです。実質的に何の譲歩もせずに五輪参加と費用負担の果実を得た北朝鮮は、金正恩の妹を派遣し、正式に文大統領を平壌に招待することで答えました。恒例の美女応援団を派遣し、統一旗の下での行進や共同のアイスホッケーチームの組成など

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    Baatarism 2018/02/12
  • トランプ大統領の一般教書演説を読み解く(付録:ロシアゲート疑惑をめぐる続報) - 山猫日記

    一般教書演説は非常にトランプトランプ大統領の一般教書演説が終了しました。メディアは早速演説を分析し、強い米国、強い経済を訴えながらも、外交政策で新味に欠けているとか、あるいは米国民の結束を訴え超党派の取り組みを訴えながらも他方で国を分断させている大統領として語られています。あるいは、トランプ大統領にしては比較的お行儀が良かった、原稿自体は無難だったという意見も見かけられました。 私は、ちょっと違う風にこの演説を見ています。つまり、この演説自体は(出だしのフォーマルさを除けば)非常にトランプらしいものだったと。ちょうど一年前の就任式に刊行した拙著『「トランプ時代」の新世界秩序』やこのブログでもたびたび申し上げてきた通り、トランプ政権の質は、中道の経済政策を保守的なロジックで語るというもの。その背負っている歴史的な使命は、グローバリゼーションや資主義に対する支持を民主主義の枠内で再び取

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    Baatarism 2018/02/01
  • 9条とリベラリズムの死 - 山猫日記  国際政治学者、三浦瑠麗のブログです

    リベラリズムとは何か? 総選挙が公示され、格的な選挙戦が始まっています。今般の選挙においては、リベラルという言葉が注目を集めています。直接のきっかけは、小池都知事率いる希望の党への民進党の合流話が持ち上がったこと。希望の党は「保守」を標榜し、小池氏もリベラル系議員の排除を表明しました。安保法制と憲法改正を軸とした「踏み絵」が課され、枝野氏をはじめとするリベラル系議員が立憲民主党を結成した展開は周知のとおりです。 ただ、小池氏や枝野氏が拘ったリベラルとはいったい何かという点は必ずしもはっきりしません。政治家も、メディアも随分乱暴な使い方をします。一般的にリベラルとは、自由と進歩を大切にする姿勢ということになるでしょう。もちろん、これだけでは政策的な傾向ははっきりしません。実際、諸外国を見ても、いわゆるリベラル政党の主張は多岐にわたっています。 リベラルにとっては自由が大切であると言っても、

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    Baatarism 2017/10/13
  • 虚無感の内実ー衆院選を前にした日本政治の激動 - 山猫日記

    政治が動いています。解散を前に、小池都知事は「希望の党」を立ち上げました。しがらみのない政治を目指すと言います。 沈みゆく船から逃げ出すがごとく、民進党からは離党者が相次いでいます。このままいけば、前原民進党は都議選と同様、埋没して壊滅でしょう。窮余の策として前原さんは党員の集団離党を容認するとも、民進党ごと希望の党に合流するとも報道されています。「希望の党」への合流は、憲法や安全保障問題での一致を条件として、旧民進の左派を切り離すこととなるでしょう。事態はなお流動的ですが、選挙後に解党する流れはもう誰にも止められないでしょう。 「希望の党」が掲げている政策は、消費増税先送り、原発ゼロ、憲法改正。政策の組み合わせに、どこまでも乾いたプラグマティズム(=現実主義)を感じます。これまでの、保守/リベラルの定メニューに縛られる必要はないし、時代の雰囲気が差し示す方向に進んでいくことが悪いわ

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    Baatarism 2017/09/28
  • 総理大臣による解散は課題設定の権力 - 山猫日記

    アジェンダセッティングの戦い 総理が衆議院の解散を表明しました。解散の噂が濃厚になり始めた10日ほど前から永田町は選挙モードでしたが、今はもうサーっと人が引いている感じです。28日にいったん国会に集まった後は、文字通り全国に散っていくことになります。今般の解散を受けて、メディアが設定しているのは解散に大義があるか否かということ。「いつから、そんなに大義に関心が出てきた?」のという皮肉は置いておいて、私は少し異なる見方をしています。 常々申し上げてきたことだけれど、政治の最大の権力はアジェンダ(=課題)を設定すること。一番重要なのは、問いへの答えではなくて、問いそのものなのです。民主国家においては、いったん問いが設定されると、一定の落としどころが探られるもの。 ただ、既存の政治やメディアの中からはどうしても出てきにくい課題というものがあります。例えば、政治に携わる者のほとんどが中高年男性であ

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    Baatarism 2017/09/26
  • シャーロッツビルの悲劇 - 山猫日記

    政権発足以来の危機 米トランプ政権が政権発足以来の危機に直面しています。8月12日に行われた白人至上主義者の集会に際して、反差別の立場からカウンター・デモを行っていた女性が死亡し、多数の負傷者を出した事件の扱いをめぐって政権批判が高まっているのです。 トランプ氏のこれまでの暴言や政権内部の混乱とその深刻度が異なるのは、共和党の重鎮や、ビジネス界、一部の右派系メディアなど、トランプ政権に寛容とされた層からも批判が高まっているからです。 問題の発端は、シャーロッツビルの議会が、米南北戦争時の南軍の総司令官であったロバート・E・リー将軍の銅像の撤去を決めたこと。その動きを阻止すべく、全米から白人至上主義者やネオナチ、黒人への暴力を主導してきたKKKなどの団体が終結しました。彼らは、KKKの伝統に則って松明を掲げて夜の街を行進し、ナチスのシンボルであった鍵十字の旗を掲げ、反ユダヤ主義を叫びました。

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    Baatarism 2017/08/22
  • 内閣改造を読む - 山猫日記

    1にも2にも党内力学 内閣改造と自民党の党役員人事が出揃いました。メディアは、改造の目的を云々し、内閣にニックネームをつけ、いつもどおり大騒ぎをしています。改造後の世論調査で内閣支持率がどこまで回復するかはなお見通せませんが、話題を変える効果はあったように思います。 私の印象はというと、安倍総理は、憲法改正も、総裁三選もまったく諦めていない。引き続き、長期政権に意欲満々であるということです。今般の改造は、政策的に何をしたいかという要素は一切なく、1にも2にも党内力学を意識した政治的な戦術と理解すべきと思っています。私は、政界人間模様的な話はあまり好きではないのですが、今回ばかりは、その手の話が質のようです。 内閣支持率の低下を受け、安倍政権があたかも崩壊前夜のような印象を振りまいているメディアや識者がいますが、日政治のルールをわかっていないのでしょうか。あるいは、安倍政権への批判を繰り

    内閣改造を読む - 山猫日記
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    Baatarism 2017/08/04
    三浦瑠麗氏は経済が絡まない時は良い分析を書くんだよな。
  • 内閣改造前夜 - 山猫日記

    後世の批判に耐えられるか 内閣改造が明日行われます。明日の今頃には新任の閣僚に対していろいろな論評が行われていることでしょう。そもそも、「(内閣の)骨格は変えずに、人心は一新する」という難しい課題設定は、政策は継続しつつ話題だけ変えることが目的なのですから。とはいえ、改造の度に騒ぎとなるのは、政治の「まつりごと」の部分として大衆社会の健全性とも言えなくもないでしょうが。 ただ、改造前夜の「待ち」の時にこそ、これまでを振り返り、明日起きるであろうことを解釈するための整理をしておきたいと思います。言ってみれば、日常から少し離れて、時代感覚を取り戻す作業です。例えば、1年前の夏にタイムスリップしたとして、どんな景色が見えていたか。 自公政権は参議院選挙で圧勝し、維新などの一部野党と合わせて衆参で「改憲勢力」が2/3を取りました。戦後、ずっと先延ばしにしていた、国造りの根がようやく動き出すという

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    Baatarism 2017/08/03
  • 都民ファースト大勝の意味合い - 山猫日記

    都民ファースト大勝の影響 小池都知事率いる都民ファーストの会が都議会選挙で大勝しました。都議会選挙の影響範囲は、第一義的には都政においてです。今回の選挙は不思議な選挙でした。小池知事側の戦略勝ちなのですが、誤解を恐れずに言えば、政策上の争点はなかったからです。 市場移転についても、豊洲に移転することが前提で、あとは選挙を通じて意思決定するほど話は煮詰まっていない状況。待機児童問題についても、政党間の違いが明確になることはありませんでした。争点は小池知事を信任するか否かということであり、強いて言えば重要だったのはスタイルの差分。 自民党のおじさん的な政治を続けるのか、小池さんが重視する多様性や颯爽した何かを追い求めるのかということだったわけです。直接的な影響は、後の小池知事の政策運営が容易になったということですが、ここまでくっきりと勝敗が分かれると、当然、国政への影響が出てきます。私は、大き

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    Baatarism 2017/07/03
  • 教育無償化と加計学園問題をつなぐもの - 山猫日記

    教育無償化政策の哲学 教育の無償化ないしは投資増加が日政治において注目を集めています。5月3日に発せられた安倍総理のビデオメッセージでは憲法改正のテーマとして挙げられました。維新は独自の憲法改正案を発表していますし、課題となる財源について、民進党は子ども国債を、自民党若手はこども保険を提案しています。政府の経済運営の指針となる骨太の方針においても間接的に言及が為されるなど、永田町の一つの流行になっているようです。結果として、財源論や制度論の詳細ばかりが先行して、政策の根っこにある哲学について十分に国民的な合意が得られているとは言い難い状況なのではないか。稿の第一の問題意識は、この点にあります。 思うに、教育の無償化に代表される投資増加策の根にある発想は大きく二つでしょう。一つは、21世紀という時代が知識や情報が人々の生活に直結する時代であるということ。この時代には、教育にこそ投資をし

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    Baatarism 2017/05/22
    「口利き政治の本質には、無用の規制とそれに基づく非効率で不公平な官僚支配があることをせめてもの教訓とできればと思うのです。」
  • 改憲運動に欠けているもの - 山猫日記

    改憲を政治日程に乗せたことを評価 5月3日は、日国憲法施行から70年の節目。そんな日に、安倍総理から改憲に向けたビデオメッセージが発せられました。ポイントは二つ。憲法改正を具体的な政治日程に乗せるとの立場を明確にしたこと。そして、その改憲の眼目に9条を据えたことです。いずれの点も、時代が求める方向性であると思っています。 安倍政権に改憲する気があるのかについては、論壇でも見方が分かれていました。私自身は、保守政権として国民の支持を得ながら、改憲に手を付けないとすれば、いったい何のための格政権か、思っていたところでした。正直、少々懐疑的だったことは否定できませんから、安倍総理の姿勢を評価したいと思います。 2020年までに憲法を改正し、施行までもっていくとすれば、今後2年程度の間に改憲案を練り上げ、国会で発議し、国民投票までもっていく必要があります。改憲までの流れを決めるのは、今後1年程

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    Baatarism 2017/05/04
  • 北朝鮮危機を正しく恐れること - 山猫日記

    目的はオバマ政権の否定 北朝鮮をめぐる情勢が緊迫の度を増しています。一部報道によれば、新たな核実験の可能性や、その他の挑発の可能性が取り沙汰されています。米国側からの先制攻撃が近いという観測もあり、あたかも戦争前夜であるかのような雰囲気です。 仮に、米側に先制攻撃の意図があるとしても、それは軍と政権の深奥部にしか明かされませんから、外から窺い知ることはできません。現状の情報でもって、事態を煽っている「専門家」たちは、たいした根拠を持ち合わせないでやっているのです。こういう時こそ、構造に目を向け、歴史に目を向ける以外に、我々に術はないのです。 結論から言えば、私は米国の側からの先制攻撃はないと思っています。安保は確率をめぐるゲームですから、可能性は極めて低いという表現が適切でしょう。 根拠は何か。まず指摘すべきは、米国が核保有国を先制攻撃したことは過去一度もないという歴史的事実です。冷戦中も

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    Baatarism 2017/04/24
    「日本も核抑止への当事者となるために非核三原則のうちの「持ち込ませず」を撤回して、米国との核共有を進めるべきと思っています」やはりMADな対策しかないか。
  • 石原慎太郎元都知事の会見を受けて - 山猫日記

    何が「問題」なのか? 石原元都知事の豊洲に関する会見を見ました。中身に入る前の印象としては、石原氏が大組織のトップとしてまっとうなことを言っているのに対し、記者達の「世間の空気」をカサにきた質問が、いかにも失礼で、勉強不足であるというものでした。マスコミの通り一遍の論調と、ツイッターの中の論調の多様性とのズレが目立ってきたという印象も持ちました。そもそも、件は何が「問題」なのか整理が必要でしょう。 石原氏と記者達のすれ違いの最大の要因であり、件の核心は、そもそも豊洲への市場移転に問題があるのかという点でしょう。石原氏は、豊洲を市場として使う上での安全性の問題は、科学によって決着がついている。その判断は、今もって権威ある専門家によって是認されている。したがって、今すぐ豊洲に移転してもなんら問題ない、というものです。豊洲移転が完璧ではないかもしれないが、耐震基準を満たさず吹きッ晒しの前近代

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    Baatarism 2017/03/04
  • 日米首脳会談の総括 - 山猫日記

    満額回答 第一回の公式な日米首脳会談が終了し、安倍総理が帰国しました。トランプ政権については、選挙戦のさ中には様々な問題発言がありましたし、予測可能性の極めて低い政権であるだけに、まずは一安心というところでしょう。日米同盟に対する当座のリスクが取り除かれたというだけでも、喜ばしいことです。 トランプ大統領は、安保については、間接的な表現ながら尖閣諸島への日米安保の適用を明言し、南シナ海の航行の自由や北朝鮮問題が米国にとっても優先課題であると述べました。在日米軍駐留の負担増をめぐる発言は行われず、在日米軍を受け入れてくれている日国民に感謝の言葉を述べるというリップサービスまでついてきました。 経済については、懸念されていた自動車産業をめぐる暴言もなく、為替操作国認定をされるような場面もありませんでした。現時点で期待し得るものとしては、満額回答であったと言えるでしょう。週末に出演した報道番組

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    Baatarism 2017/02/13
  • トランプ政権誕生12日目 - 山猫日記

    衝撃と畏怖 トランプ政権の誕生から12日が経過しました。営業日ということでいくといまだ10日にも満たないわけですが、同政権が発する大統領令に世界中が振り回されています。歴代の新大統領も、政権発足100日プランを作成し、一気呵成に懸案の処理にあたってきました。しかし、トランプ政権のアプローチはそれでは説明できないレベルでしょう。 既に、一つ一つが大論争を引き起こすような大統領令を乱発しています。TPPからの永久離脱、メキシコ国境との間の「壁」の建設の開始、キーストーン・パイプランの建設容認、75%の規制撤廃を目指す宣言、そして、イスラム7か国から入国の一時停止などです。それらの大統領令に加えて、閣僚の人事案が上院で審議中であり、米国内政上は最大級のイベントである最高裁判事の推薦も行われる予定です。 これらの大統領令に対しては、気まぐれな大統領と経験の浅いチームによる「無茶」であるとの批判があ

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    Baatarism 2017/02/01
  • トランプ大統領就任✔ - 山猫日記

    合法的な革命 トランプ氏が米国の第45代大統領に就任しました。立場の差を超えて「歴史」が我々の前で展開しているという感覚を持った方も多かったでしょう。選挙を通じた合法的な革命であるという言葉がしっくりくる一日だったように思います。8年前、若者に熱狂的に支持され、多様性を象徴する大統領が就任したのが、合法的な革命であったのと同様に、米国が大きく変わろうとしています。 就任演説について、全体的な印象はシンプルであったこと。そして、闘いの演説であったということです。黒人初の大統領として就任したオバマ大統領には、自身の当選そのものに大きな象徴性があり、その象徴性を格調高く表現することに力点が置かれました。対するトランプ大統領は、闘いに突入しようとする部隊を鼓舞する部隊長のような演説という印象を持ちました。簡単な言葉が選ばれ、仕事をするための演説であったと。 ケネディー大統領の就任演説のように、名演

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    Baatarism 2017/01/21