タグ

ブックマーク / synodos.livedoor.biz (35)

  • SYNODOS JOURNAL : 定数配分訴訟と「選良」の限界 大屋雄裕

    2013/3/299:0 ツイート 定数配分訴訟と「選良」の限界 大屋雄裕 2012年12月16日に行われた衆議院総選挙(第46回)について、その定数配分が憲法に違反しているとして選挙の無効を求める訴えが全国各地で起こされ、次々と高裁判決(第一審)が下されていることは報道を通じてよく知られているかと思う。そのうち、2013年3月25日の広島高等裁判所判決、26日の広島高等裁判所岡山支部判決が選挙を無効にするという戦後初となる判断を示したことは、とくに話題になっているだろう。 だがじつのところ、法的な見地からこれらの裁判の結果がきわめて重要だとか興味深いとは、少なくとも筆者は考えていない。この問題は要するにほとんど組み上がったパズルになっているし、裁判所がその範囲でどのように判断しようが、きちんとしたかたちで解決する可能性はないからだ。 以下では、何故そうなるのか・今後の展開として何が求めら

  • SYNODOS JOURNAL : 社会を構成する ―― 医療・介護・財政 土居丈朗×大野更紗×大西連

    2013/2/79:0 社会を構成する ―― 医療・介護・財政 土居丈朗×大野更紗×大西連 その給付水準の削減が政権与党の公約にも掲げられ、「負のイメージ」が先行する生活保護の議論。財政の専門家である土居丈朗氏と、生活困窮者サポートの現場で日々奔走する大西連氏、そして作家の大野更紗氏が、「日社会の問題の縮図」とも言える政策としての生活保護をそれぞれの立場から紐解く。  ■社会保障 大野 土居先生にはいろいろお伺いしたいことがあるのですが、今日は生活保護の医療扶助抑制策について議論できればと思います。生活保護については、この間「見せしめ」のようなバッシングも相次ぎました。財政の専門家としてどう考えておられるか、率直に二点お伺いしたいと思います。1.「生活保護の医療扶助で、窓口一部自己負担を導入すれば、最低生活保障が脅かされる人がたくさん出てくる」という声があることについて土居先生としてはど

  • SYNODOS JOURNAL : ステルスマーケティングへの「対策」について 山口浩

    2013/1/169:0 ステルスマーケティングへの「対策」について 山口浩 ペニーオークション詐欺に関連して、広告塔となった複数のタレントがブログ上でやらせ口コミを行っていた件が、ステルスマーケティングだとして話題になっている。口コミマーケティングに関するガイドラインをつくっているWOMマーケティング協議会(WOMJ)のガイドライン委員会メンバーであるせいもあるかもしれないが、この件ではわたしも何度か取材を受けた。 件のペニーオークション詐欺事件に関するわたしの考えは、自分のブログでも書いた。基的には詐欺事件が「体」で、ステルスマーケティングはその広告のために行われたという意味で「傍流」の話だ。報道等では、またタレントがステマだ、けしからんと騒ぎ立てているが、どちらかというと、ただタレントの名前を出せば世間の関心が集まるだろうという売らんかな根性ばかりが目立つ。 「ステマというより芸

  • SYNODOS JOURNAL : 『ブラック企業』著者、今野晴貴氏に聞く ―― ブラック企業 〜 この、とんでもない妖怪に立ち向かうために

    2012/12/259:0 『ブラック企業』著者、今野晴貴氏に聞く ―― ブラック企業 〜 この、とんでもない妖怪に立ち向かうために 超大手衣料品メーカX社。「グローバル展開」を売りにし、就活生からも人気が高い。内定者にも有名大学出身者が集まる。そんな優良企業に内定を決め、就活エリートとなったAさん。希望に胸を躍らせ入社してみると、そこに待っていたのは不条理な研修と過酷な労働環境であった。残業続きで寝不足の彼女は、遅刻することを避けるために床で寝る日々。とうとう精神疾患に陥り退社することになる……。 若者の心身が擦り切れるまで労働させ、働けなくなると使い捨てる「ブラック企業」。就活難を乗り越えても、さらなる困難が若者を待ち受けている。そんなブラック企業が蔓延る日社会に、警鐘をならす人物がいる。 NPO法人POSSEを立ち上げ、1000件以上の労働相談に関わる今野晴貴氏。今年11月に「ブラ

  • SYNODOS JOURNAL : データで政治を可視化する(1/2) 菅原琢×荻上チキ

    2012/12/109:0 データで政治を可視化する(1/2) 菅原琢×荻上チキ 「ダメ出し」ではなく「ポジ出し」を! 非難やあら探し、足の引っ張り合いはもういい。ポジティブで前向きな改善策を話し合おう――。気鋭の評論家と政治学者による対談。印象論で語られがちな政治の見方を変える方法とは? 日の難題をかたづけよう 経済、政治教育、社会保障、エネルギー (光文社新書) ■政治学の中の計量分析 荻上 SYNODOS編で今年7月に刊行した『日の難題をかたづけよう』では、菅原さんに第二章「データで政治を可視化する」をご執筆いただきました。菅原さんがデータにこだわり続ける理由とは、一体何でしょうか。 菅原 現代の政治学では分析手法として計量分析は非常に重視されています。たとえばマクロ経済学では、国が公開したような公的なデータに従って研究をする人が多いと思いますが、政治学の場合は基的にそういっ

  • SYNODOS JOURNAL : 衆院選を考える ―― 民主党・自民党の経済政策から 片岡剛士

    2012/12/69:0 衆院選を考える ―― 民主党・自民党の経済政策から 片岡剛士 ■経済政策における三つの手段 まず題に入る前に、各党の経済政策を考える際の判断軸を明らかにしておきましょう。それは経済政策における三つの手段、つまり「経済安定化政策」、「成長政策」、「所得再分配政策」の三つを明らかにするということです。 ■景気変動を安定化させる経済安定化政策 経済安定化政策はマクロ経済政策を指しています。マクロ経済政策である財政政策・金融政策の役割は、これら二つの政策手段を通じて景気の安定化をはかることです。なお財政政策は、政府支出の拡大・縮小あるいは増減税を行うことで景気の安定化をはかる政策です。金融政策は、政策金利や量的緩和といった手段を使うことで通貨の量をコントロールし、マイルドなプラスの物価上昇率(2%程度)を安定的に維持する政策です。デフレが続く日経済は、好況の勢いがデフ

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2012/12/06
    マニフェストをこのレベルで分析検討できるのは個人には難しいなあ。そこがメディアの役割ではあるのだが。
  • SYNODOS JOURNAL : 「『五体不満足』から遠く離れて」乙武洋匡×大野更紗

    2012/11/289:0 「『五体不満足』から遠く離れて」乙武洋匡×大野更紗 乙武洋匡氏 14年前に『五体不満足』を出版され、様々な活動をされてきた乙武洋匡さんと、大学院生の頃に突然難病を発症し、2011年に『困ってるひと』を出版された大野更紗さん。二人はいま、障害や難病になにを思うのか。 ■「みんな違ってみんないい」 大野 乙武さんが『五体不満足』を出版されて、14年が経ちます。14年というと、当時生まれた子供が中学生に、あの頃『五体不満足』を読んでいた人の中には結婚してお子さんを持たれているという方もいるかと思います。 いままでに何万回、何億回と同じような質問を繰り返し訊ねられてきたかと思いますが、この14年間、どんなことを思って活動を続けてこられたのか、改めてお聞かせください。 乙武 そうですね。14年間あまり変わっていないような気がします。僕が『五体不満足』を書いたのは、金子みす

  • SYNODOS JOURNAL : 下村健一氏インタビュー【転身編】 メディアから官邸へ ―― 決断の本当の理由と、今だから話せる官邸の第一印象 難波美帆

    2012/11/199:0 下村健一氏インタビュー【転身編】 メディアから官邸へ ―― 決断の当の理由と、今だから話せる官邸の第一印象 難波美帆 新人議員から応援した友人でもある議員が、総理大臣になった。自民党から民主党へのはじめての政権交代のあとで、描いていた理想の政治はなかなか実現しない。そのとき、ニュースアンカーとしてメディアでのキャリアを築いていた50歳の男は、総理の招きに呼応して官邸に入ることを決断。民から飛び込んだ公務員の世界はどう見えたのか。批判的に見ていた日政府を中から見ると、どう見えたのか。10月に2年の任期を終えて、退職した下村健一さんにインタビューした。 省庁では、新卒採用のはえ抜き、終身雇用の公務員ばかりではなく、少なからぬ人材がテンポラリーに働いている。政権交代後、これまでとは違う縁で、民間・異分野から省庁に入って働いている人もいる。契約条件はまちまち、それぞ

  • SYNODOS JOURNAL : 下村健一氏インタビュー【広報室審議官編】 震災、原発、首相交代 ――霞ヶ関広報の変化の芽を、過去形にしたくない 難波美帆

    2012/11/209:0 下村健一氏インタビュー【広報室審議官編】 震災、原発、首相交代 ――霞ヶ関広報の変化の芽を、過去形にしたくない 難波美帆 学生時代からの旧知、菅直人の要請を受け、「国民と政権の間のパイプの詰まりを取ろう」と飛び込んだ内閣広報室。攻めの広報をやるつもりが、菅さんまでが守りの広報。着任1ヶ月でマインド・リセットを余儀なくされた下村氏。半年も経たない2011年3月11日に史上稀に見る大地震が起き、前例のない緊急時広報を経験することに。津波災害、原発事故への対応、被災地支援、首相の隣で国の中枢の決断と情報を国民に伝えるという大役を引き受けることになった。菅首相退陣から野田総理の新エネルギー政策決定まで、戦後最大の国難の時期を広報審議官として過ごした下村さんがふりかえる、「できたこと・できなかったこと・これから伝えたいこと」。(難波美帆) ■守りの広報 ―― コツコツと“

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2012/11/20
    政治というコミュニケーションのぶつかり合いの場は、コミュニケーションとして最もしんどい。そして、それをスマートに伝えなければいけない広報の仕事もまたつらい。
  • SYNODOS JOURNAL : 安楽死や自殺幇助が合法化された国々で起こっていること 児玉真美

    2012/9/2811:0 安楽死や自殺幇助が合法化された国々で起こっていること 児玉真美 アシュリー事件―メディカル・コントロールと新・優生思想の時代 著者:児玉 真美 販売元:生活書院 (2011-10) 販売元:Amazon.co.jp クチコミを見る 尊厳死法制化をめぐる議論で、尊厳死を推進しようとする人たちの中から「既に安楽死や自殺幇助を合法化した国では、なんらおぞましいことは起こっていない」という発言が出ることがある。私はそうした発言に遭遇するたびに、そこでつまづき、フリーズしたまま、その先の議論についていくことができなくなってしまう。 「おぞましいこと」は当に起こっていないか? それとも現実に何が起こっているかを、この人は知らないのか? しかし、これだけ尊厳死法制化に積極的に関わってきたこの人が、当に知らないということがあるだろうか? それとも現実に起こっていることを十分

  • SYNODOS JOURNAL : 緊急提言 いま、わたしたちに「死ぬ権利」は必要なのか? 川口有美子

    2012/8/99:0 緊急提言 いま、わたしたちに「死ぬ権利」は必要なのか? 川口有美子 2012年7月31日付けの「東京新聞」朝刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012073102000091.html によると、超党派の国会議員がつくる「尊厳死法制化を考える議員連盟」(以下、議連)が、今国会への法案2案の上程を決めたそうですが、わたしは引きつづきこれらの法案の上程に反対します。 これまで、安楽死尊厳死法制化の波は2回(1979年日安楽死協会「末期医療の特別措置法」草案を正式発表、2005年与党による「尊厳死とホスピスを推進する与党議員懇話会」結成)ありましたが、三度目の上程の噂を聞いたのは昨年の秋ごろでした。これまでわたしは、尊厳死の法制化ではなく、たんに尊厳死の賛否で議論が沸騰し世論が混迷することを恐れて、過

  • SYNODOS JOURNAL : 橋下現象はポピュリズムか? −大阪維新の会支持態度の分析− 善教将大・坂本治也

    2012/7/249:0 橋下現象はポピュリズムか? −大阪維新の会支持態度の分析− 善教将大・坂治也 1. はじめに 2011(平成23)年11月27日に投開票が行われた大阪市長・府知事同日選挙(以下「大阪ダブル選」)において、地域政党大阪維新の会の代表である橋下徹氏と同会幹事長の松井一郎氏が当選したことは、既に広く知られる通りである。大阪都構想を含め、教育制度や公務員制度の抜的改革を推進すべき政策として掲げていた両氏は、当選後すぐに選挙で争点となった政策を実現すべく動き出し、2012(平成24年)5月には「大阪教育行政基条例案」が大阪市議会で可決されるなど、着実に成果を蓄積させつつあるように見える。 もっとも、そのような成果をあげつつも、大阪維新の会ないし橋下氏の政治スタイルに対する批判を展開する書籍や論稿は多く、また一部の有識者からは「橋下はポピュリストだ」などと論難されても

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2012/07/29
    オバマ対マケインも投票率は53対47だからね。穏健は少数の熱狂に引っ張られると考えることもできる。
  • SYNODOS JOURNAL : 震災/原発事故後の「政治」 稲葉振一郎

    2012/6/219:0 震災/原発事故後の「政治」 稲葉振一郎 ■高木仁三郎氏に感じた「違和感」 今回の東日大震災は十分にひどい経験であった。いや、過去形にしてはならない。未だにそれは進行中である。 それは従来日が経験したほとんどの自然災害と異なり、その被害が局地的にコミュニティを破壊するだけにとどまらず、複数のコミュニティに同時に襲い掛かり、かつそれらを結ぶネットワークをも寸断した。 正直言ってぼくはロジスティックス、物流というものを舐めていた。1個単位で商品の動向を把握するPOSが象徴する物流システムの洗練に、すっかり油断させられていた。日を含めた先進国において、電子的なデータ通信ならともかく、ものの流通がこれほど深刻に滞り、人命を危機にさらすようなことが起こりうるとは、正直想像さえしていなかった。しかしもちろん忘れてはならないのは、東京電力、福島第一原子力発電所の致命的な事故

  • SYNODOS JOURNAL : 【ふくしまの話を聞こう】 福島で生きるための放射線知識 佐藤順一

    2012/6/69:0 【ふくしまの話を聞こう】 福島で生きるための放射線知識 佐藤順一 「ふくしまの話を聞こう」第1部 佐藤順一氏講演    ——2012年4月28日東京・新宿歴史博物館(主催:福島おうえん勉強会)  「福島おうえん勉強会」は、放射線の影響が心配な小さなお子さんをお持ちのお母さんたちの疑問に応えるような勉強会を、東京でやっていこうということから始まりました。講演会などで先生方のご意見を聞いてもどうも腑に落ちないことが多い、これを消化するには小さな勉強会で悩みを打ち明けながらやればいいのではないか、と集まりを企画したのが最初になります。現地の方たちはどういうことを考えて、どういう生活をしているのか、ということを、私たち東京近辺にいる人間は学ぼうと、市井で活動を続けるお二人をお招きしました。(主催者挨拶より)佐藤 ただいまご紹介にあずかりました、郡山市で「佐藤塾」という学習塾

  • SYNODOS JOURNAL : 3.11以後の世界とSF第一世代の可能性(1) 新城カズマ×稲葉振一郎×田中秀臣

    2012/5/299:0 3.11以後の世界とSF第一世代の可能性(1) 新城カズマ×稲葉振一郎×田中秀臣 想像を超える自然災害、急激に変貌する経済の動向、日常生活が直面する先の見えない不安。東日大震災以後、私たちの想像力と論理的思考の成果と限界とが問われて続けている。 SFというものは、人間の思索(Speculation)の限界に挑戦し、その限界を拡張する試みだといわれている。例えば、多くの日人は日を代表したSF作家小松左京の『日沈没』のエピソードのいくつかを、今回の大震災においても想起したに違いない。それは小松の世界観の強度を改めて私たちに認識させると同時に、また私たちが(小松でさえも予想しなかったような)新しい環境に直面していることをもいやでも認識する出来事だったろう。 今回の座談に集まった私たち三者は、小松左京を中心に、日SF「第一世代」といわれる作家たちの業績を振り返

  • SYNODOS JOURNAL : オウム真理教とアカデミズム 大田俊寛

    2012/5/159:0 オウム真理教とアカデミズム 大田俊寛 大田俊寛氏 「日の宗教学は、オウムという対象に自らが躓いたことを、率直に認めなければならない。しかし同時に、そこで終わってはならない。なぜなら、学という営みは根的に、過去の行為に対する批判と反省の上に成り立つものだからである。オウムに躓いたことそれ自体ではなく、なぜ躓いたのかということに対する反省を怠ったとき、宗教学という学問は、当に死ぬことになるだろう」(『オウム真理教の精神史』あとがきより) 1995年にオウム真理教によって地下鉄サリン事件が引き起こされてから17年。同事件によって、社会的な信頼を失ってきた日の宗教学が、今直面している課題とは何なのか。『オウム真理教の精神史』で近代宗教としてのオウム論を展開した気鋭の宗教学者・大田俊寛さんに話を伺った。(聞き手 / 芹沢一也、構成 / シノドス編集部・宮崎直子) オ

  • SYNODOS JOURNAL : TPPで日本は世界一の農業大国になる 浅川芳裕

    2012/4/197:0 TTPで日は世界一の農業大国になる 浅川芳裕 書『TPPで日は世界一の農業大国になる』はTPP賛成でなければ、ましてTPP反対でもない。そんな悠長で不毛な議論の対立にかまっている暇はない。 書は実際的にTPPを活用するだ。とくに日の農業・産業をどう発展させるか具体論を示す実践である。ひいては、国民の生活や日経済、地域の雇用、所得をよくするための提言書でもある。 世に蔓延るTPPとはわけが違う。 TPP反対派は「農業が壊滅する」、そして「料が足りなくなる」と農業弱体化・運命論を主張する。対するTPP推進派は「農業政策の変更が必要」、その結果、「農業の構造改革が起こる」と農業社会工学的・運命論を展開する。どちらも同じ運命論者に変わりない。前者は、自らの空想に従って、農家がある日、全員廃業するような不吉な予感を勝手にばらまく占い師の類だ。後者

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2012/04/19
    そうした農家の見識や心意気が、農協という業界団体を通じて永田町や霞が関にインテリジェンスとして上がっていないのならそれは戦略の問題だし、そうした考えが農家でも主流ではないのではないか?
  • SYNODOS JOURNAL : 普遍的価値の擁護者としての「極右」―― リベラリズムのアイロニー 吉田徹

    2012/4/310:17 普遍的価値の擁護者としての「極右」―― リベラリズムのアイロニー 吉田徹 ヨーロッパの政界で「極右」が話題にならない日はないといってよい。主要なものだけを数えても、EU27カ国で20以上もの極右政党が存在しており、各国の国政選挙でも、ときによって20%近くの得票率を得るまでの存在になった。 「極右」というと、いまだに、スキンヘッドで部屋にナチスのハーケン・クロイツを掲げた愚連隊崩れというイメージで語られることが多い。そうでなくとも、たとえば最近では『ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女』(スティーグ・ラーソン)で描かれたように、ナチスだった経験を持つ年老いたファシストの集まりといった認識も根強い。 こうした描写はまったく間違いだというわけではないが、もはや「ファシスト」や「ネオナチ」といった形容詞でもって極右を語るのは、ミスリーディングという以上に、間違いに違い。

    BigHopeClasic
    BigHopeClasic 2012/04/03
    ああ、日本では平成維新の会がまんま同じだな。
  • SYNODOS JOURNAL : 「可哀相なひと」と「困ってるひと」はイコールではない 重松清×大野更紗 

    2011/12/210:49 「可哀相なひと」と「困ってるひと」はイコールではない 重松清×大野更紗  お互いの著書に信頼を寄せる、ふたりの作家の初対面が実現しました。 かたや、数々の賞を受賞し、現在も精力的に執筆をつづける文学界の巨頭、 かたや、今年6月に上梓したデビュー作『困ってるひと』が話題の新人作家。 世代による世界観の違い、震災のこと、文学のこと……。縦横無尽に語りました。 ■「福島」の代弁者にならない 重松 『困ってるひと』の発売からまだ四か月も経っていないけど、毎日がすごく忙しくなったでしょ。 大野 そうですね。ポプラビーチというウェブサイトで連載していたときは、二週間に一回締め切りというペースで必死に八か月間つづけていたので、そのときは書くのが大変でした。が出てからは取材の対応であっという間に時がすぎたというのが正直なところです。 大野 「福島」で取材のお話を頂いたり、福

  • SYNODOS JOURNAL : 「一般意志2.0」実装の鍵はデータベース、ではない? 飯田泰之

    2012/1/2310:6 「一般意志2.0」実装の鍵はデータベース、ではない? 飯田泰之 ■「一般意志」はすでに実現している? 東浩紀氏の『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』(以下『2.0』)はルソーの政治・社会思想に現代的な拡張を施すことで、新たな民主主義を構想する快著である。 未読の方のために説明を加えておくと、東氏の解釈によればルソーは『社会契約論』において、個々人の思考と嗜好を「特殊意思」と位置づけ、その特殊意思を単純に足し合わせたものを「全体意思」と名付けた。そして、互いに相反する特殊意思を、その際を保ちながら折り合いをつけたもの(ヘーゲル流に言うならば止揚したもの)が「一般意志」ということになる。 一般意志の全体意思に対する優位性は、『2.0』の冒頭に掲げられた、 「熟議もなければ選挙もない、政局も談合もない、そもそも有権者達が不必要なコミュニケーションを行わない、