海藻のヒジキを、雄株の精子と雌株の卵を受精させて養殖することに、愛媛県の水産研究センター(宇和島市)が成功した。同センターによると、国内ではヒジキの大量養殖は難しく、ほとんどが天然ものを収穫していた。今回の手法は大量生産が期待できる。 県によると、ヒジキの国内年間消費量は乾燥重量で約6千トンとされるが、約8割が韓国と中国産で、同センターは「国産の巻き返しを図りたい」と意気込んでいる。 受精は薬師寺房憲主任研究員(44)が地元漁協の協力を得て、約3年がかりで成功させた。昨年6~7月に水槽で精子と卵を受精させた。夏場、浅い海での中間育成を経て、11~12月にロープに挟み込んだヒジキを沖合の海に移し養殖。今年の5月ごろから収穫が始まった。