杉本達治知事と石川県の馳浩知事が二日、金沢市内で懇談した。二〇二四年春の北陸新幹線敦賀開業に伴い、経営分離される並行在来線に関し、北陸三県の魅力が詰まった観光・イベント列車を共同運行させる計画などに合意した。...

Published 2022/11/03 11:30 (JST) Updated 2022/11/03 12:49 (JST) 九州新幹線長崎ルートで未着工の佐賀県区間（新鳥栖－武雄温泉）を巡り、フル規格での整備を目指す与党検討委員会は2日、東京都内で会合を開いた。森山裕委員長は佐賀空港を経由するルート案について、安全性や技術的な課題を再検証するよう国土交通省に求めた。 非公開の会合後、森山氏が記者団に明らかにした。国交省はこれまで佐賀空港、佐賀駅、佐賀市北部をそれぞれ経由する3ルートの整備効果を検証し、佐賀駅ルートを「適切」と提示。これに対し佐賀県側は「佐賀駅ルートにこだわらない議論」を注文している。 森山氏は佐賀空港ルートについて「技術的に無理だったり、安全運行ができなかったりすると、佐賀県に迷惑をかける。できるだけ早く精査すべき」などと説明。これまでの佐賀県側との協議の感触として「フ

１９６０年代に国内で１２台だけ販売されたレトロな大型バス「ＭＲ４３０」（三菱ふそう製）が旭川市内で４４年ぶりに営業運行し、全国から注目を集めています。前輪は２軸でタイヤ４本を備え、現在の一般的なバスより１メートルほど長い全長１２メートルという特徴的なロングボディー。解体寸前だった車体を、地元のバス会社旭川電気軌道が創立１００周年記念として１年余りかけてよみがえらせ、２０２２年１０月２１日にはツアーを実施しました。日本唯一とされる現役の「お宝バス」の魅力を紹介します。（旭川報道部　小林健太郎） 「丸みを帯びたボディーが美しい」「リベット（ビス）を車体からあえて見せるデザインがたまらない」―。旭川市郊外の旭川電気軌道共栄バスセンターで１０月２１日にバス復元の記念式典が行われました。お披露目されたＭＲ４３０を前に、感嘆の声が上がります。１９７８年に一度廃車となり、再び命を吹き込まれたバス。ツアー

西鉄路面電車→筑豊電鉄、走って45年　最後の車両が「引退ツアー」 2022/11/3 14:30 [有料会員限定記事]

川勝平太知事によると、２日にリニア中央新幹線の試験車両に乗車した際、ＪＲ東海の金子慎社長と懇談し、静岡市葵区井川地区と川根本町を結ぶ市道閑蔵線トンネル整備を提案したという。試乗後、藤枝市で報道陣の取材に答えた。 川勝知事はリニアの早期開業には「住民の理解を得なければならない」と指摘し、閑蔵線の整備は「住民（の安全性や利便性確保）への大きな貢献になる」と改めて主張した。提案に対し、金子社長は「可能性としてはある」と応じたという。 川勝知事は同日に藤枝市で開かれ、田辺信宏静岡市長ら県中部の首長らが参加した地域サミットでも閑蔵線トンネルに言及した。 リニア工事に伴う道路整備を巡っては、ＪＲ東海が当初閑蔵線の整備を提案したが、その後、県道南アルプス公園線トンネルの整備で静岡市と合意した経緯がある。

冬将軍の到来に備え、ＪＲ西日本金沢支社は１１月２日、北陸線でラッセル車の試運転を行った。可動式の除雪装置の動きを入念に点検し、運転士らが気を引き締めた。 ＪＲ貨物の南福井駅（福井県福井市）で１９７６年製のＤＥ１５形ラッセル車１台を点検した。雪を線路脇へ押し出すウイングや、レール内の雪をかき出すフランジャーなどの装置を何度も動かした後、警笛を鳴らして全長約３０メートルの赤茶色の車体が試運転に出発。石川県金沢市の金沢総合車両所まで約８０キロを走った。 福井県あわら市牛ノ谷ではススキが揺れる田園地帯を走り抜け、季節の“風物詩”を捉えようと写真愛好家がカメラを構えていた。同支社が保有する７台の試運転を今月いっぱい続ける。 同支社によると、ラッセル車は３０センチ以上の降雪または積雪が見込まれる際に出動し、昨冬は県内で１０４回走った。今冬の降雪量は平年並みか多い見込みで、「五六豪雪」など大雪を何度も経

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豊橋市の豊橋鉄道市内線（市電）に乗りながら、ビールやおでんを楽しめる冬の風物詩「おでんしゃ」が四日から今季の運行をスタートするのを前に、関係者ら二十人を招いた試乗会が一日夜にあった。 今季は定員を前回の十六人から二十人に増やしたほか、来年二月には飲食の質、量をパワーアップした「おでんしゃプレミアム」も初めて運行する。電車の内装は、のれんなどを取り付けた和風なデザイン。外装は、「とよはし市電を愛する会」顧問の伊奈彦定さん（８７）が「笑顔」をテーマにデザインし、笑った表情のおでんの具材のキャラクターをあしらった。 この日は事前抽選の当選者や関係者らが招かれ、乗車した知多市の会社員、後藤則光さん（４２）は「ずっと気になっていた。街並みを見つつビールが楽しめるのは、最高ですね」と話した。豊鉄によると、現在受け付けている十二月末までの予約は八割ほどが埋まっている。

現ＪＲ東海の元従業員らでつくる東海鉄道ＯＢ会県支部が十月二十六日、米原市下多良の米原学びあいステーションに保存されている雪かき車「キ５５５」号の清掃に取り組んだ。会員や地元有志など十三人が参加し、まちのシンボルを美しく磨き上げた。 雪かき車は機関車に連結して除雪する車両。旧国鉄では除雪用機関車などに順次代わり、ＪＲ移行後に消滅した。キ５５５号は一九四三年に製造され、三十九年の間、東海道線の米原−大垣間で活躍。豪雪地帯の拠点駅である歴史を残そうと、八二年に現在の場所に設置された。 これまでは地元有志や国鉄ＯＢなどが管理を担ってきたが、高齢化などを受け、今年から東海鉄道ＯＢ会が主体となって清掃に取り組む。この日はゴミなどを取り払った後、モップなどで車体に軽油を塗り込んでいった。寺田年克支部長（７３）＝長浜市＝は「先人が守ってこられた貴重な車両を引き継ぎ、鉄道遺産として守っていきたい」と語った。

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JR東日本は2日、只見線の混雑を緩和するため、3、5、6、12、13日の5日間、会津川口―只見間の上下線を1本増やすと発表した。現行ダイヤは1日往復3本（いずれも2両編成）で、10月1日に運行が再開されて以降、車内が混み合うケースが多いことから対応した。 臨時列車は3両編成で運転する。下りは、午前…

赤字が深刻なJR芸備線について、JR西日本と沿線自治体による利用促進検討会議が2日、岡山市内で開かれた。JR側は、この会議とは別に路線のあり方を協議する場を設置するよう国に調整を求めることを表明した。5月の前回会議でJR側が「（路線存続の）前提を設けずに協議をしたい」と提案したが、その後の実務者協議で拒否されたため。自治体の利用促進策を一定程度評価しながら、赤字解消は困難と判断したとみられる。 検討会議はJR広島・岡山両支社、広島・岡山両県、広島県庄原市、岡山県新見市で構成し、この日で5回目。各団体の利用促進策として、庄原市がカード決済による乗車券購入でポイント付与や観光ツアー向けのダイヤ設定、新見市が駅へのアクセス改善のため乗り合いタクシーを導入するなどして、ある程度成果があったことが報告された。

後藤総合車両所「扇形車庫」では、記念ヘッドマークをつけたディーゼル機関車の記念撮影もあった＝鳥取県米子市で、2022年11月1日午前8時54分、中尾卓英撮影 山陰に鉄道が開業して120年になるのを記念して、JR西日本などは1日、鳥取県米子市で特別列車「WEST　EXPRESS　銀河」の歓迎行事や、後藤総合車両所内にあるJR西管内で唯一現役の「扇形車庫」の見学会などを開いた。【中尾卓英】 「扇形車庫」で見学会も 1902（明治35）年11月1日、主要港湾の境港（同県境港市）と旧陸軍の軍馬補充部があった同県大山町冨長を結び、境―御来屋（みくりや）間で山陰初の鉄道が開業。この日は120年の節目にあたる。 午前7時46分、10月31日深夜に新大阪を出発した銀河（6両編成）がJR米子駅2番ホームに到着すると、平井伸治知事や沿線首長が横断幕を掲げて乗客を出迎えた。米子城武者隊が演舞を披露し、特産米「星

ローカル線が岐路に立っている。日本で鉄道が開業して150年。地方に張り巡らされた鉄路は近代化と国土発展を担ってきた。だが、過疎化やマイカーの普及、新型コロナウイルス感染拡大などで社会が大きく変化。赤字ローカル線は鉄道会社の大きな負担となっており、現状のまま維持し続けるのは難しい状況だ。人口減少で日本全体が縮小するなか、ローカル線、そして地方の公共交通はどうあるべきなのか。現場を取材した。 100円稼ぐのに経費2万円超 宮城県東部の平野部と奥羽山脈の山あいを結ぶJR東日本の陸羽東線。小牛田（宮城県美里町）―新庄（山形県新庄市）の全長94・1キロで、渓谷や田園地帯を縫って2両編成の列車が走る。 10月上旬の平日午前7時半ごろ、東北新幹線の乗換駅でもある古川駅（宮城県大崎市）に向かう車両は、多くの乗客で混雑していた。ほとんどは沿線の高校の生徒たちで、毎日、通学で利用するという古川工業高校2年生の

検討会議でＪＲ西　存廃の協議要望 芸備線について話し合う検討会議（岡山市北区で）　経営状況が極めて厳しい岡山、広島両県の山間部を走るＪＲ芸備線の利用促進を話し合う検討会議が２日、岡山市北区で開かれた。会合では利用促進についてのみ話し合うことが報告されたが、ＪＲ西日本側は存廃も含めた議論もしたいとしており「協議の進め方を国にも相談したい」とした。 会合には沿線自治体やＪＲ西岡山、広島両支社の幹部らが出席。５月の前回会合で、ＪＲ西側は「利用促進にとどまらず、前提を置かずに地域公共交通のあり方を議論したい」と、存廃を含めた議論をしたいとの意向を示していた。 ２日の会合では、「利用促進を検討する会議であるため、それ以外の議論はしない」と決定。これを受け、ＪＲ西岡山支社の須々木淳・副支社長は「将来の地域公共交通の姿の議論の進め方について、国も含めた関係者と具体的な相談を進めていきたい」と述べた。 今

昭和９年に作成されたとみられる四條畷の観光パンフレットが見つかり、大阪府四條畷市立歴史民俗博物館の特別展「シデウナハテ　関西の軽井沢・日本的フィヨルド　明治～昭和期の四條畷観光と鉄道」で８８年の時を越えて公開されている。１２月１１日まで。 パンフレットのタイトルは、「四條畷名勝案内」。「四條畷保勝會」が発行した４つ折りの観光案内で、古書店で入手した個人の所蔵者が市に寄託した。 市に実物や記録などはなく発行年も不明だったが、パンフレットに掲載されている鉄道省片町線（現ＪＲ学研都市線）の路線図に鴫野(しぎの)駅（昭和８年開業）があり、河内磐船(いわふね)駅（同１０年開業）がないことから、市教委スポーツ・文化財振興課の實盛(じつもり)良彦さんが昭和９年の発行と突き止めた。 名勝としては、四條畷神社や小楠公御墓所、野崎観音などを紹介。飯盛山東側に湖面が連なる室池(むろいけ)を「関西の軽井沢」「日本

都心に向かう際の運賃に格差が生じているとして、ＪＲ常磐線亀有駅（東京都葛飾区）と金町駅（同）の利用者が１０月、ＪＲ東日本と東京メトロ、国土交通大臣に対し、損害賠償などを求める訴訟を東京簡裁に起こした。原因は半世紀前から始まった「２ルート化」。どちらを選ぶかで運賃に最大２倍近い差が出るといい、原告側は「なんとか是正を」と訴える。 輸送力向上で…提訴したのは亀有、金町両駅を普段から利用する周辺住民１６人。損害賠償の請求額は、原告が直近１年間に負担した「割高運賃」の合計である２万６９８０円となっている。

平成２３年７月の新潟・福島豪雨で被災し、一部区間が不通になっていたＪＲ只見線が１０月１日、１１年ぶりに全線で運転を再開した。ゆったりと流れる只見川沿いに走る「秘境のローカル線」の「復活」に地元は歓迎ムードに包まれた。しかし、再開初日に車両故障で運転を見合わせる事態が発生。記念式典でＪＲ東日本の深沢祐二社長が陳謝する場面もあった。 只見線は昭和４６年に全線開通。ＪＲ磐越西線の会津若松駅（福島県会津若松市）と上越線の小出駅（新潟県魚沼市）の１３５・２キロを結ぶ。鉄橋が流失するなどの被害で不通になり、バス代行輸送が行われていたのは会津川口駅（福島県金山町）―只見駅（同県只見町）間の２７・６キロ。国鉄からＪＲに移行する際、赤字でも廃止を免れたのは、並行する国道が積雪で冬季は閉鎖されるため。そんな経緯もあり、不通区間は廃線という議論もあったが、福島県が線路などの施設を保有し、ＪＲ東日本が運行を担う「

「エッ、自動改札じゃないの」。鳥取市の玄関口・ＪＲ鳥取駅を利用する県外からのビジネスマンたちが驚くのは、改札口に駅員が立つ一昔前の光景だ。その鳥取市に来年春、ＪＲ西日本のＩＣカード乗車券「ＩＣＯＣＡ（イコカ）」が導入されることになった。とはいえ、利用できるのは列車ではなく市などが運行する路線バス。積極的に「招致」した市は列車での利用を見据えるが、イコカとセットになる自動改札機を含め、現段階で導入のめどはついていない。 自動改札機はなく有人改札「いまどき有人改札とは。昭和にタイムスリップしたみたい」 鳥取市への出張で、ＪＲ大阪駅から特急に乗り鳥取駅で降りた４０代の男性会社員は、迎えに来た同僚に語った。都市圏や主要地方都市などでは自動改札機が「当たり前」。男性が大阪駅で購入したのは自動改札機に対応する磁気式乗車券だったため、当然、鳥取駅も自動改札だと思い込んでいたのだという。 磁気式乗車券は鳥

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九戸郡洋野町は岩手県沿岸部の最北端にある。久慈市の経済圏だが、広域的には青森県八戸市とのつながりが深い。町内を走る車も岩手ナンバーばかりではなく、八戸ナンバーも目立つ。JR八戸線の列車は、陸中夏井を発車すると峠に差し掛かり、駅名とは違って山間部にある侍浜駅を過ぎ、市町境を越える。そこから北は、比較的平坦な道のりだ。 鉄道は巨大防潮堤の外側 9月8日木曜日、久慈13時03分発の八戸行きに乗った。13時27分に着いた陸中中野からが洋野町域。駅前には町営バス中野線が待っている。町が公開している時刻表では13時23分発になっており、接続しないと思っていたが、さすがに要望が強かったのか手直しされていた。買い物帰りの客が何人か乗り継ぐ。