九州電力玄海原発4号機の運転再開問題は、原発の再稼働を巡る政府の対応に矛盾があることを改めて浮き彫りにした。震災後、正規の手続きで定期検査に入った原発の再稼働には安全評価(ストレステスト)という新たなハードルを課し、審査に「数カ月」(経済産業省幹部)をかける一方、トラブルで停止した原発には早期再開を認める形になるからだ。 ストレステストには、定期検査中の原発が対象の「1次評価」と、深刻な事故を起こした福島第1原発など再稼働の可能性がない原発を除く全原発が対象の「2次評価」の2種類がある。経産省原子力安全・保安院は玄海原発4号機を「1次評価の対象ではない」と判断したが、森山善範・原子力災害対策監は「トラブルによる停止は想定していなかった」と認めた。 その上で、森山氏は「運転再開はケース・バイ・ケースで決めていく必要がある。(今回は)相対的に軽微なミスで、原因分析と対策はクリアしている」と説明