・貧困連鎖 拡大する格差とアンダークラスの出現 一般に最低限必要と思われる生活費の水準を貧困線と呼ぶ。OECDの計算では日本の貧困線は一人暮らしなら約150万円、二人家族212万円、三人家族259万円、四人家族300万円。日本の貧困率は14.9%。現代日本では7人に1人くらいが貧困層に所属しているそうだ。特に若者と単身女性の貧困が目立つ。一億層中流という前提はとっくに崩れ去っている。 この本に引用されている「民間サラリーマンの給与階級別人数分布」によると、21世紀になって年収500万円から1000万円の中流サラリーマンが急減し、300万円未満の層が激増している。伝統的な労働者階級の収入に満たない「アンダークラス」層が就業者全体の22.1%をも占めるようになった。一方、資本家階級とホワイトカラーのエリート層は接近している。かつての総中流層が上下に引き裂かれた形である。 この格差拡大から利益を