要点 理論計算と火星隕石の化学分析データの比較から太古の火星大気圧を推定 40億年前の火星は地球と同程度(約0.5気圧以上)の厚い大気に覆われていたことが判明 40億年前以降に起きた大気量の減少が地球との運命を隔てた可能性を示唆 概要 東京工業大学 地球生命研究所の黒川宏之研究員と千葉工業大学惑星探査研究センターの黒澤耕介研究員らの研究グループは、40億年前の火星が地球と同程度の約0.5気圧以上の厚い大気に覆われていたことを突き止めた。この成果は、火星の磁場消失に伴う大規模な大気流出など、40億年前以降に地球と火星の運命を隔てる環境変動が起きた可能性を示唆している。 火星大気が宇宙空間に流出する過程においては軽い同位体が優先的に失われるため、大気への重い同位体の濃集として記録される。本研究はこの濃集度が大気圧(量)に依存することに着目した。40億年前の火星隕石に記録されていた当時の窒素や希