ジャネット・イエレン氏は米国経済を低利資金中毒から引き離し始めた。だが、最近の経済統計の内容がまちまちなことから、エコノミストの間では、金利を0.25%引き上げた米連邦準備理事会(FRB)議長の決断の是非について意見が割れている。 FRBが直面する課題について異なる視点を求めるのであれば、ワシントンの別の一角に目を向ける価値があるだろう。金融調査局(OFR)である。 FRBの利上げ発表の直前にOFRは米国の金融の健全性に関する初の金融安定性報告書を公表したが、概ね見過ごされてしまった。 それは残念なことだ。米財務省から派生したOFRは、2008年の危機後に金融リスクを評価するために創設された。そして今回の報告書は、数年に及ぶ超低金利が金融システムを目立って歪めたことを明らかにしている。 新たな危機を引き起こすことなく、こうした歪みに対処するためには、イエレン氏には並外れたスキル――および幸