タイトルの如く武術に特化した本だ。武器甲冑系の図説本はストライクすぎて購入するとキリがないのだが、本書は必読に値する。ロングソードやダガー、スピアなど武器毎の戦闘方法を豊富なイラストつき(師匠と弟子が戦闘する設定)で解説されている。それも甲冑同士の格闘戦、転倒した場合の床技からトーナメントでの効果的なランス突撃法まで紹介しており、日本語で西洋武術をここまで網羅している本は見た事が無く、極めて稀である。 これまで西洋武術といえば、力押しのイメージが先行していた。しかし本書ではフェシトビュッフと呼ばれるヨーロッパ各国の武術指南書に基づいた科学的な戦闘形式を見事に暴いている。 私達が思い浮かべる中世とは、ルネッサンス中期の1450年代を指す。その時サイエンスが発展した。ルネッサンスの影響は芸術や建築だけにとどまらず、武術もまたその精神にのっとり革新をもたらした。つまり客観的な観察によって得られた
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