イビチャ・オシムは、サラエボの自宅で年末年始を過ごした。 冬の間は雪に埋もれるグラーツよりも、寒さが厳しいとはいえ積雪はそれほどでもないサラエボの方が、多少なりとも過ごしやすくはあるのだろう。 ただ、1月半ばには、シュトルム・グラーツのクラブ設立110周年記念式典がある。主賓のオシムを欠いては成り立たない行事であり、そのときにはまたグラーツに戻ることになるとのことである。 オシムからの新年のメッセージが届いた。 日本サッカーへ込める思いと期待を、オシムが受話器の向こうから語った。懐かしかった羽生直剛との再会も。ここにお届けするのは、そんなオシムの直近の声である。 なお、彼は、アジアカップ期間中の不定期インタビューの申し出にも快諾してくれた。フィリップ・トルシエも同様で、本欄ではふたりの分析と評論をロシアワールドカップ同様に掲載する。 「日本のサッカーは良くなっている」 ――元気ですか? 「