ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が韓国映画として初めてカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞した。アメリカでもLA映画批評家協会賞をはじめ多くの映画賞に輝き、アカデミー賞候補も確実と目されている。今や大きく生活が変わったのではないだろうか。 「いいえ、全然。確かに日本やアメリカでの宣伝活動は忙しいけれど、それ以外の時間は、次の作品の構想を練っています。今までと変わらない毎日ですよ」 ポン・ジュノ監督 『パラサイト』は、長男が家庭教師の職を得たことをきっかけに、貧しいギテク(ソン・ガンホ)一家が、IT企業社長の家に入り込むことから始まる。カンヌではポン・ジュノ自身が「ネタバレをしないでほしい」と声明を出すほど、次から次へと想像を絶する展開に圧倒される傑作だ。どうしたら、こんなぶっ飛んだ話を思いつくのだろう。 「僕は机の前で『さあ、書くぞ』というタイプではないんです。カフェで