東大が「芸術」を求める理由。「東京大学芸術創造連携研究機構」はなぜ誕生したのか?日本の最高学府である東京大学が今年の5月、「東京大学芸術創造連携研究機構」を発足させた。これは、総合文化研究科を責任部局に、学内の7部局が連携し、芸術創造に関する分野融合型の研究を推進するというプロジェクトだ。なぜいま、東大が芸術にフォーカスするのか? その理由について、同機構で副機構長を務める加治屋健司に話を聞いた。 文=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長) 伝統的に、美学や美術史の分野で大きな存在感を示してきた東京大学(以下、東大)。その東大が、芸術を中心に据える一大プロジェクトに乗り出した。それが、5月1日に発足した「東京大学芸術創造連携研究機構」だ。 同機構は、総合文化研究科を責任部局に、医学系研究科、教育学研究科、工学系研究科、情報学環・学際情報学府、人文社会系研究科、数理科学研究科の7部局が連携す