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ブックマーク / honz.jp (4)

  • 『差別はたいてい悪意のない人がする』特権という厄介で見えにくいことを考える - HONZ

    差別はつねに、差別によって不利益をこうむる側の話である。差別のおかげで知らぬうちにメリットを得る側の人が、自ら立ち上がって差別を語ることはしない。ただ、よーく考えれば、差別される側になる可能性があるのであれば、差別する側になることだってあるはずということに気がつける。 「もうすっかり日人ですね」 「希望を持ってください」 この2つの声がけは一見褒めていたり、励ましていたりする言葉のように見える。だが、前者は国外から日移住した人たちに、後者は障害者に対する代表的な侮辱表現の例としてあげられる。このように日常の会話の中に、悪意のない差別が潜んでいる。 特定の言葉を口にしないよう、注意すればいい。それだけではすまない。このような言葉がなぜ侮辱することにあたるのかを理解しなければならないのだ。実はその方法はそこまで難しくない。当事者に聞いてみることだ。 著者は、移民,セクシュアル・マイノリテ

    『差別はたいてい悪意のない人がする』特権という厄介で見えにくいことを考える - HONZ
  • 本のない原初の図書館から空想上の図書館まで──『図書館巡礼 「限りなき知の館」への招待』 - HONZ

    図書館巡礼という名の通り、書は世界各地の図書館について、のない時代からボルヘスによって想像されたバベルの図書館のような空想上の図書館まで、幅広く取り扱っていく一冊である。原題は『THE LIBRARY A CATALOGUE OF WONDERS』。『何にもまして私たちが痛感したことは、図書館は物語にあふれているという事実だ。生と死の、渇望と喪失の、信念を貫く、あるいは枉げる物語。考えうるありとあらゆる人間ドラマの物語だ。そして、複雑でフラクタルな、世代を超えた道筋を介して、すべての物語は相互に繋がっているのだ。』 の構成としておもしろいのは、1から10まで図書館の話というわけではなく、章の合間に数ページほどの「」にまつわる短いエッセイやエピソードのようなものが挟まれていること。なので、図書館についてのであると同時に、一種の書物狂いたちの物語でもあるのだ。たとえば、「愉悦」と題さ

    本のない原初の図書館から空想上の図書館まで──『図書館巡礼 「限りなき知の館」への招待』 - HONZ
  • 『民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道』 民主主義が民主主義を殺す - HONZ

    世界各地の独裁政治を研究してきたハーバード大学教授である著者が、民主主義がどのように、そしてなぜ死ぬのかを追求する。著者はあらゆる場所、時代の民主主義が死んでしまった事例を紹介しながら、当たり前に享受している民主主義がいかに微妙なバランスのうえで成り立っているものなのかを教えてくれる。幅広いケースを考慮する書だが、議論のフォーカスはアメリカおよびトランプ現象に当てられいるので、日々伝えられるアメリカ政治の異常事態の意味がより良く理解できるようになるはずだ。米連邦最高裁判所判事にカバナーが選ばれたことがどれほどの意味を持つ事件なのかを思い知る。 民主主義が崩壊する瞬間といえば、銃を持った兵士や市民をなぎ倒そうとする戦車を思い浮かべるかもしれない。たしかに、アルゼンチン、ブラジル、ガーナやパキスタンのような冷戦時の民主主義崩壊の4分の3は、軍事力を用いたクーデターによってもたらされた。しかし

    『民主主義の死に方 二極化する政治が招く独裁への道』 民主主義が民主主義を殺す - HONZ
  • 『スモール・スタート あえて小さく始めよう』会社員のうちに始めよう - HONZ

    新しいことを始めたい、だけどなかなか始められない。そう思っている人のやらない理由を、一つずつ消していってくれる一冊だ。 著者の水代優さんは、日橋浜町にHama Houseというブックカフェを作ったり、最近では丸の内にMarunouchi Happ.stand&galleryというPOP UP GALLERYを作った人物だ。とはいっても、何をやっている人なのか一言で説明するのがなかなか難しい。当に先鋭的なアクションというのは言葉で説明されても理解しづらいが、その場を訪れ直接体験してみるとなるほどと思うことが多いものだ。 しかしそんな水代さんの第一歩も、出来上がったものからは想像できないくらい小さなことから始まった。書は、それを実現するための思考回路が余すところなく収められた一冊である。時代からくる必然性、動き出すことに対するリスクの勘案、続けるためのノウハウ等、読み手の「でもさ〜」とい

    『スモール・スタート あえて小さく始めよう』会社員のうちに始めよう - HONZ
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