東京都議会予算特別委員会は十三日、新銀行東京の経営破たん問題の審議をめぐって紛糾し、予定時刻から七時間近く遅れ午後八時前になって開会し、審議は十四日明け方近くまで続きました。 開会直後、日本共産党の大山とも子都議は、新銀行が公表を拒む経営破たんの原因を分析した「調査報告書」全文の提出と、旧経営陣の参考人招致を求める緊急動議を提出しました。三宅茂樹委員長(自民党)は採決しようとしなかったため、日本共産党の委員が委員長席に詰め寄り、「委員長。動議が出たのだから採決しなさい」「会議規則通りにやりなさい。汚点を残す重大問題だ」と強く抗議。委員会は約十分間近く紛糾しました。 これを受けて三宅委員長は、参考人招致の動議だけを採決し、日本共産党、生活者ネットワークが賛成、自民、民主、公明各党の反対多数で否決しました。委員長は、調査報告書全文の提出を求める動議は採決しませんでした。 この日午前開かれた同委
バラ色の夢をふりまいて二〇〇五年にスタートした新銀行東京。開業三年で挫折した原因は何か、四百億円の追加出資を認めるのか―。都民の疑問にこたえる本格的な論戦が東京都議会予算特別委員会で十一日から始まりました。すべて旧経営陣のせいにする石原慎太郎知事を追い詰めた日本共産党の吉田信夫都議の質問に、反響や激励の声が相次ぎました。 吉田都議「会社の社長なら一千億円の大穴をつくれば即辞任だ。損害賠償の責任が問われる。都民は納得できない」 石原知事「私が最初から社長なら、もっと大きな銀行にしていますよ」 吉田都議「驚くべき無責任な態度だ。真摯(しんし)に都民に謝るべきだ」 ああいえばこういう石原知事ですが、答弁で一貫していたのは仁司泰正・元代表執行役ら旧経営陣に責任を押しつけようとする姿勢でした。厚顔な知事に対し吉田氏は、新事実を示して、さまざまな角度から知事の責任を問いました。 計画手直しか 新銀行の
新銀行東京(東京都千代田区、津島隆一代表執行役=前都局長)の累積損失は今年三月期決算で一千十六億円にふくらむ見通しで、都の出資した一千億円を上回ることが、七日までに分かりました。 同行の再建計画(二月二十日発表)の説明資料では、二〇〇八年三月期決算で百六十七億円の純損失を生じ、累積損失が一千十六億円に増える見通しです。百四億円の経常収益をあげるのに、経常費用が二・五倍の二百五十五億円もかかるという赤字たれ流しです。 新銀行東京は、石原慎太郎知事が〇三年知事選の公約にかかげ、都が一千億円を出資して〇五年四月に開業。「石原銀行」とよばれています。 〇四年三月の都議会で、新銀行への出資予算に日本共産党は反対しましたが、自民、民主、公明の「オール与党」が賛成し可決。石原知事は「今回出資する一千億円が、やがては数兆の値になる」と大風呂敷を広げ、設立を強行しました。 日本共産党都議団は繰り返し、「自治
十二日の東京都議会予算特別委員会で日本共産党の大山とも子議員は、都民の怒りの声が寄せられている新銀行東京の経営破たんの問題で、引き続き石原慎太郎知事の責任をただしました。 十一日の同委で吉田信夫議員が取り上げた新銀行のマスタープラン原案にあったデータを都幹部が「三年後赤字」から「大幅な黒字」に書き換えた問題について一般紙も注目し報道しました。石原知事は「調査する必要があるならやったらいい」と無責任な態度に終始し、佐藤広産業労働局長は事実を否定しました。 大山氏は「銀行を進めるかやめるかにかかわる重大問題だ。事実を調べもしない態度は許されない」と批判し、すべての関係書類の公開と関係者の調査を要求しました。 石原知事は「証言者の名前を明かさなければ調査できない」と重ねて調査を拒否。「自分が社長ならもっと大きな銀行にした」との知事の答弁を聞いて「冗談じゃない」「素人が社長になったら傷が深くなるば
新銀行東京の経営が悪化の一途をたどっている。6月2日の各紙は、07年3月期決算の発表を伝えた。 都庁の取材を担当するのは社会部、金融業界を取材するのは経済部。 では、石原慎太郎都知事が音頭をとり、東京都が最大の出資者となって05年4月に開業した、新銀行東京の決算の扱いはどうなるか。 経済記事としての扱いが強い紙面から、社会記事としての扱いが強い紙面に、各紙を並べると、以下のようになる。 「産経」は経済面に2段と小さな扱い、社会面はなし。「日経」は金融面に囲み記事で比較的大きめの扱い、社会面はなし。 「読売」は2面総合面という、政治、経済、社会各部にまたがるテーマを収用するスペースに3段で扱った。「毎日」と「東京」は経済面4段、社会面4、3段の2本立て。「朝日」は社会面のみで3段の扱い。 経済記事としての扱いは、大きくない。当然だろう。大手銀行の公的資金返済が進み、住友信託銀行は納税も再開す
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