政府が日韓併合100年に合わせた菅首相の首相談話を閣議決定したことについて、与野党からは10日、賛否両論の声が上がった。 民主党内では「党内手続きが不十分だ」との不満も出ており、首相が再選を目指す9月の党代表選にも微妙な影響を及ぼしそうだ。 首相時代に東アジア共同体構想を進めた鳩山前首相は10日、国会内で記者団に対し、「大変立派な、過去に対する反省と未来志向の談話を発表していただいた。韓国との友好関係を高めていくために非常にいい談話だ。非常にうれしい」と、喜びを交えて評価した。 枝野幹事長も記者団に、「前向きなメッセージが発せられた」としたうえで、朝鮮王朝ゆかりの図書引き渡しが賠償問題につながるとの懸念に対しても、「賠償は決着がついているという大前提で、その軸はぶれていない。心配には及ばない」と強調した。 だが、民主党内からは、政府が首相談話決定を党側に伝えたのが8日夜だったため、「党内議
日韓併合100年にあたっての「首相談話」に韓国は必ずしも「歓迎」というわけではない。政府論評(外交通商省スポークスマン)に「歓迎」の言葉はなく、単に「注目」し今後の両国関係の発展を「希望する」としているにすぎない。ただ旧朝鮮王室の“図書返還”についてだけは「評価」するという。 マスコミも、日本政府が依然、日韓併合条約そのものの無効、不法を認めず、過去補償も不十分だとし、いわゆる“過去清算”は「未完」で「期待に及ばない」と相変わらず批判的だ(各テレビや文化日報、聯合ニュースなど)。 日韓関係では1995(平成7)年8月の「村山談話」の後、98年10月の小渕恵三首相と金大中大統領の「共同宣言」で、日本の「痛切な反省と心からのおわび」がすでに公式かつ明確に表明されている。 この時、金大中大統領は、韓国政府としては今後、過去には触れないとまで“約束”している。 今回、また日本は「謝罪と反省」を言わ
「菅談話」を大きく報じる11日付の韓国主要紙 【ソウル=箱田哲也】11日付の韓国主要紙の朝刊は、菅直人首相が10日発表した韓国併合100年をめぐる談話に関する記事を一斉に1面トップで扱ったほか、社説を含めて大きく展開した。談話が韓国の人々の「意に反した植民地支配」だったと強制性を認めたことを評価する一方、日韓併合条約の無効性にまでは言及しなかったことを指摘する報道が目立った。 東亜日報や中央日報などは社説で、「歴代の談話の中でも一歩前進した歴史認識」(東亜)などと評価。そのうえで「行動が伴わなければリップサービスにすぎない」(中央)と主張した。 談話に盛り込まれた、文化財の引き渡しについても「歴史的和解の象徴」といった評価が目立った。朝鮮日報は引き渡しの範囲に関して「宮内庁所蔵分だけでなく、全国の公立博物館などにある図書のうち、朝鮮総督府が搬出したものすべて」との権哲賢・駐日大使の見
日韓併合100年を受けて菅直人首相が発表した謝罪談話は韓国はもとより中国でも大きな関心を持って報じられた。中国では同国への謝罪を促す論調が目立ち、韓国メディアは評価の一方、強い不満も示した。談話がかえって反日感情を呼び起こすのではないか、との懸念の一端が示された形だ。(北京 川越一) 中国国営新華社通信は10日、産経新聞の社説を引用し、菅首相の謝罪で韓国側が新たな賠償を求める可能性を示唆した。しかし、中国各紙は、談話を日中間の問題にすり替えて報じている。 11日付の北京紙、新京報は「日本がおわびしなければならないのは韓国だけではない」と題する論評の中で、「日本の植民地支配や侵略を受けたのは韓国にとどまらない。北朝鮮も冷酷な統治を受けた。中国、東南アジア諸国も同様に日本帝国主義の苦しみを味わった」と主張し、今回の謝罪は政治的な道具と断じた。
政府は10日午前、日韓併合100年に併せた首相談話を閣議決定し発表した。首相談話では、日本による韓国の植民地支配に対し「多大の損害と苦痛に対し、ここに改めて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明いたします」と明記した。談話の全文は以下の通り。 ◇ 本年は、日韓関係にとって大きな節目の年です。ちょうど百年前の八月、日韓併合条約が締結され、以後三十六年に及ぶ植民地支配が始まりました。三・一独立運動などの激しい抵抗にも示されたとおり、政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました。 私は、歴史に対して誠実に向き合いたいと思います。歴史の事実を直視する勇気とそれを受け止める謙虚さを持ち、自らの過ちを省みることに率直でありたいと思います。痛みを与えた側は忘れやすく、与えられた側はそ
日韓併合100年にあわせ、10日に閣議決定された菅直人首相談話に関しては、閣僚間でも評価が分かれた。歴史認識をめぐる“閣内不一致”を懸念してか、仙谷由人官房長官は談話決定にあたり各閣僚に「個々の意見はあまり言わないように」とクギを刺した。 玄葉光一郎行政刷新担当相(民主党政調会長)は閣僚懇談会で、「与党、民主党の中にはさまざまな意見がある。早い段階でより詳細な相談が(党側に)あってしかるべきではなかったか。すべての段取りができあがって、固まってこういうふうに言われても、大きな変更はできない」と述べ、政府側の拙速な対応に不満を表明した。 玄葉氏はその後の記者会見でも、「(談話に)積極的かそうでないかと聞かれれば、積極的ではない」と述べた。 野田佳彦財務相も「(談話に対する)私なりの意見は、仙谷氏に電話で、あるいは直接お会いして伝えている」と述べ、不満があったことをにじませた。 原口一博総務相
本年は、日韓関係にとって大きな節目の年です。ちょうど百年前の八月、日韓併合条約が締結され、以後三十六年に及ぶ植民地支配が始まりました。三・一独立運動などの激しい抵抗にも示されたとおり、政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました。 私は、歴史に対して誠実に向き合いたいと思います。歴史の事実を直視する勇気とそれを受け止める謙虚さを持ち、自らの過ちを省みることに率直でありたいと思います。痛みを与えた側は忘れやすく、与えられた側はそれを容易に忘れることは出来ないものです。この植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、ここに改めて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明いたします。 このような認識の下、これからの百年を見据え、未来志向の日韓関係を構築していきます。また、これまで行ってきたいわゆる在サハリ
政権が再び“暴走”を始めた。菅直人首相が10日発表した日韓併合100年に関する談話は、十分な議論もないまま閣議決定され、平成7年の「村山談話」と比べても大きく踏み込んだ内容となっている。先の参院選で、その暴走傾向に「NO」を突きつけられたはずの菅政権だが、今度は歴史認識問題で大きな禍根を残そうとしている。 今回の首相談話は、まさに密室の中で決められた。 政府側が民主党サイドに「首相談話を10日に閣議決定」との方針を伝えたのは9日午後。福山哲郎官房副長官が党政調幹部を国会内に集め、談話の骨子を説明した。一部の出席者は「いつまで謝罪を続けるのか」と反対論を唱えたが、首相は黙殺するように側近議員と首相公邸にこもり、ひそかに文案を練り続けた。 こうして作成された談話は10日午前の閣議にはかられ、全閣僚が署名した。ただ、民主党政調会長でもある玄葉光一郎行政刷新担当相は閣僚懇談会であえて苦言を呈した。
日韓併合100年に際しての首相談話を受けて報道陣の質問に答える、自民党の谷垣禎一総裁=10日午後、東京・永田町の自民党本部 (寺河内美奈撮影) 菅直人首相が日韓併合100年にあたり首相談話を閣議決定したことを受け、自民党やたちあがれ日本は抗議を表明した。ただ、平成7年の「村山談話」は自社さ政権で発表し、その後の自民党政権も「植民地支配」や「侵略」への反省やおわびを繰り返してきただけに、一方的に批判できない苦しい事情が見え隠れする。(今堀守通) 「小渕恵三元首相が『20世紀に起きたことは20世紀で解決しよう』と平成10年の日韓共同宣言を出したのに、談話は『未来志向』と言うより『後ろ向き』だ」 自民党の谷垣禎一総裁は10日午後、記者団にこう論評した。その上で「竹島や防衛白書問題など最近の日韓をめぐる菅政権の対応に危(き)惧(ぐ)がある。国会などで明らかにしていかなければならない」と述べた。 た
[日韓併合首相談話]過去に責任持つ友好を 全国 2010年8月11日 09時55分(25時間15分前に更新) 菅直人首相は日韓併合100周年に向けた首相談話を発表した。日本の植民地支配により韓国の人々が「国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけられた」と率直に過去の過ちをわびた。歴史認識の隔たりはいまも日韓に横たわるが、未来志向で友好関係を築く礎にしてほしい。 談話の内容は、1995年8月の村山富市首相談話、2005年8月の小泉純一郎首相談話をほぼ踏襲した。 韓国の人々の「誇りを傷つけた」との認識は、歴史問題を考えるときの起点にしたい。菅首相は「痛みを与えた側は忘れやすく、与えられた側はそれを容易に忘れることはできない」と述べ、勇気と謙虚さを持って過去と向き合う思いを伝えた。 しかし、こうした謝罪談話に対しては異論がつきものだ。日本はかつてアジアの植民地で経済的に貢献し、悪いことばかりでは
社説 日韓併合首相談話 和解と絆深める出発点に2010年8月12日 朝鮮半島の人々の尊厳と名誉を踏みにじった日本による韓国併合から100年の節目を迎え、菅直人首相は談話で「多大の損害と苦痛に対し、痛切な反省と心からのお詫(わ)びの気持ち」を表明した。 「反日独立」の象徴だった3・1独立運動に触れた上で、「政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々の意に反して行われた」として植民地支配の強制性を認め、「国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけた」と言及した。 日本の軍国主義の過ちがもたらした隣人の苦難に正面から目を向け、反省する姿勢は評価できる。 「負の歴史に誠実に向き合う」と誓った首相談話が、日韓両国民になお横たわる歴史認識のわだかまりを解き、一層の和解と、文化や経済を通した絆(きずな)を深める基盤となることを期待したい。 日本は、近代化と並行して朝鮮への介入を強めた。日清、日露の
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